デザイン科に入るには?現役美大生の最新座談会【2025年】

 毎年、ハマ美OBOGの先輩方にお越しいただいて、みんなが気になる受験期の悩み事や、憧れの大学生活についての質問にお答えいただくトークイベント”アトリエトーク”。
 今年は、多摩美術大学グラフィックデザイン学科、生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻、統合デザイン学科の3名の先輩たちに集まっていただきました。

今日参加していただいたOB・OGの皆さん

 Nさん
 多摩美術大学
 グラフィックデザイン学科
 一般選抜

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 Iさん
 多摩美術大学
 生産デザインデザイン学科
 プロダクトデザイン専攻
 学校推薦型選抜

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 M君
 多摩美術大学
 統合デザイン学科
 学校推薦型選抜

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Q1.
志望校はどのように決めましたか?

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自分の肌に合ってる

 私の場合は、高校にあったたくさんのパンフレットを見てグラフィックデザインや視覚伝達といった学科があることをまず知りました。そこで得た情報をもとに、オープンキャンパスに行って実際に大学に足を運び、直にいろんな作品や環境を見たときに、一番自分の肌に合ってるなって思ったのが多摩美のグラフだったので、それで決定しました。

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立体系の勉強がしたい

 私は「曲げわっぱ」という木で出来た日本のお弁当箱が大好きだったので、木という素材の勉強がしてみたい、立体系の勉強がしたいと思っていました。Nさんと同じようにオープンキャンパスに行き、自分の目で確かめて決めました。あと、今ここにいるみなさんと同じ受験生の時に、このアトリエトークでお話をしてくださったプロダクトデザインの先輩に憧れて半分決めちゃいました。

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現役のデザイナーさんから教われる

 親がデザイン関係の仕事をしていて、なんか物作るのいいなって思っていて自然と興味を持ちました。最初は工芸学科やプロダクトデザイン専攻を見ていたんですけど、多摩美のWebサイトで「統合デザイン学科」を見つけ、「なんだこれは!?」と。笑 色々調べてみると、プロダクトデザインも研究できるし幅広く学べていいなと思いました。そんな中で最も惹かれたるところは、現役のデザイナーさんから色々教われるっていうところで、一番大きな理由でした。

デッサンの悩み、アドバイス下さい!

Q2.
手のデッサンで構図が小さくなりがちで、モチーフとの組み合わせがうまくいきません。

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早めの段階で注意する

 描き出しの段階で、画面を十字で4分割してその1/4の大きさに手が収まるようであれば、ちょっと小さいかなと思って描き直していました。気付くのが描き始めてしばらくしてからだともう取り返しがつかなくなってしまうので、早めの段階でサイズに注意することが重要です。

 私は手のポーズをある程度決めていたので、モチーフが隠れすぎたり、逆に手の方が見えづらかったりしないように気をつけていました。長めの長さのモチーフはこんなふうに入れようとか、小さいモチーフの時はこう設定しようとか、気をつけながら制作を続けていくと指針が見えてきて安定してくるようになると思います。また、枚数を重ねて慣れていくことも大事かなって思います。

Q3.
想定のモチーフってどうやって描くの?

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日頃から写真をたくさん見ること

 とにかく日頃から写真をたくさん見ることです。描きたいなって思うモチーフがあったらたくさん資料を調べておいて、 いろんな角度からのそのモチーフの写真を集めておくこと。 形を全体的に理解した上で描き始めると、それだけで解像度が上がると思うし、1回描いたモチーフは次描く時もすごく描きやすくなって、1つずつ自分の武器になっていくと思います。もうとにかく描きたいモチーフがあったら写真をたくさん見ることかなって思います。

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時間をかけてしっかり観察

 時間をかけて物をしっかり観察してみることが大事かなって思います。ずっと見てると、普段何気なく見てる時と比べて発見できるものが多いので、形とか影の出方なんかをどんどんインプットしていくのが大事なのかなって思います。

色彩構成の悩み、どうすればいいですか?

Q4.
色彩構成ではどんな資料を参考にしましたか?

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自分の好きなデザインをたくさん集める

 一番大事なのは自分の好きなデザインをたくさん集めることです。大勢の受験生の中で、自分ならではの個性的なオリジナリティのある作品をみんな作りたいと思うんです。そのためには研究をたくさん重ねることが大切で、その前提として「自分の絵を好きになること」が必要だと思いました。そこで意識したのが、自分の好きなデザインをできるだけ多く集めることです。

 私の場合、特にグラデーション表現に惹かれていたので、Pinterestを中心に資料を集めました。たとえば版画やリトグラフには豊かなグラデーションがつかわれていたり、また版画のインクの組み合わせによって面白いハレーションが起こっていたり、結構色彩表現のヒントになりました。他にも、彩度を少し強調して加工された写真とかさまざまなグラデーションの例をいろんなものを見てました。

Q5.
色彩構成で要素が多くなりすぎて、画面がまとまりません。どうすれば明快な構成になる?

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「白と黒のバランス」を意識する

 私も結構、構成要素を盛り込みすぎちゃうタイプだったので、その気持ちすごく分かります。要素が多いと作業も大変になっちゃいますし、できれば抑えたいところですよね。で、まず意識するといいのが「白と黒のバランス」かなと思います。色彩構成って、極端に言えば白と黒の2色だけでも成立するんですよ。だから、エスキースの段階で一回しっかり白と黒を作ってみるのがおすすめです。
 そのとき、鉛筆だけじゃなくてマッキーペンとかを使って、はっきりした黒を出してみると、面の切り替わりとか形の強さがすごく分かりやすくなるんですよね。なので、エスキースの時点でペンを取り入れるのはすごく効果的だと思います。あと、もし自分が使いたい色がもう決まってきているなら、その色に近いカラーペンでエスキースしてみるのもアリだと思います。

デザイン工芸アトリエトーク

Q6.
家で実技のトレーニングはしてましたか?

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エスキースを見返すこと

 実技トレーニングっていうのは…正直あんまりやってなかったんですよね。でも、絵のためにやってたことっていうと「エスキースを見返すこと」でした。これはほんと大事だと思います。
 課題を始める前の10分とか15分でもいいし、家にいるときにちょっと眺めるだけでも全然よくて。とにかく「見返す」っていうのは捨ててほしくない習慣ですね。

 よくあるのが、メモを取ったことで満足しちゃって、そのあと全然見返さないパターン。あれってすごくもったいないんですよ。改善点を書いたなら「じゃあ次の課題でどう直すか」まで考えておかないと意味がなくて。
 例えば、「ここはもっと明るさを出す」とか「反射光をちゃんと入れる」とか、そういうのを箇条書きでメモしておく。そうすると次に課題をやるときにクリアしやすいし、自分の成長が積み上がっていきやすいんですよね。だから絶対、エスキースを見返す時間は作った方がいいと思います。

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ほんのちょっとでも描き直す

 私は高校2年生のときにハマ美に入ったんですけど、周りの人たちがすごく上手くて「あ、もっと勉強しなきゃダメだ」って思ったんです。
 それで、ちょっとした隙間時間に苦手だった手を描いたり、その日に描いた絵を持って帰って上から描き直すってことをしてました。全部やり直すんじゃなくて、ほんのちょっとでも描き直す感じです。
 もちろん時間がないときもあったので、毎回しっかりはできなかったんですけど…それでも「少しでも手を加える」っていうのは続けてましたね。

Q7.
推薦入試の対策では何を気をつけたらいいですか?

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笑顔を忘れない

推薦入試で気をつけてたことは…どの面接でもそうだと思うんですけど、「笑顔を忘れない」ってことですね。
 私はプレゼンとか人前で話すのはもともと得意だったので、特にがっつり練習はしなかったんです。でも、本番が近くなるとお母さんに何度もプレゼンを聞いてもらったりしてました。

 逆にちょっと苦手だったのは所作の部分で。面接室に入って前に立つときとか、作品を指して説明するとき、あとはジェスチャーで気持ちを伝えるときとかですね。そこは「少しでもきれいに見えるように」って意識して練習しました。先生に「姿勢がきれいだな」って思ってもらえるように心がけてましたね。

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自分に自信を持って話すこと

 自分は「アイディア出し」です。予備校でやってる課題以外にも、「こういうテーマだったらこんなアイディア出せるんじゃない?」って、とりあえず自分の好きなテーマから考えて、どんどん広げていくようにしてました。そうやって積み重ねていくと、自分の“武器になるもの”ができるんですよね。だから、それが結構大事かなって思います。

 あとは、やっぱり「自分に自信を持って話すこと」が一番大事です。自信なさそうにしてると、試験官の人も「ん?大丈夫かな?」ってなっちゃうんで。逆に堂々と自信を持って話すと、向こうも自然と興味を持ってくれると思います。
 結局、何よりも「自分に自信を持つこと」ですね。

Q8.
大学生活で楽しいこと、大変なことは?

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1週間が充実

 大学生活は本当に楽しくて、なんか、すごい、1週間1週間が充実してて毎日友達と会って毎日制作してっていう生活が本当に楽しいです。
 大変なのは、私はちょっと課題の計画性がなくて、毎回締め切りに追われてるところが大変なので、今年はもっと計画的に課題を組んで頑張りたいなって思います。

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自由に時間がたくさん使える

 高校生と違って、自由に時間がたくさん使えることが楽しいところです。授業がなくても、大学で作業してもいいし、どこかに出かけて資料集めしてもいいしっていうのがすごい私は楽しかったです。
 でも、大変なところは、その自由な時間をどれだけ自分に有効活用できるかっていうことでした。

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すごい面白い友達がたくさん

 楽しいこと、それは友達に恵まれてること。すごい面白い友達がたくさんいるので、毎日刺激に溢れてて楽しいです。
 大変なことは、その友達たちと同じものを課題を作らないといけないので、ま、刺激をもらいすぎて若干病むっていうところが大変です。笑

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