アトリエトーク2021 "OGに聞く10の質問"

”OB・OGに聞く”アトリエトーク

毎年ハマ美OB・OGのみなさんに集まっていただいて、憧れの美大生活や、どんな受験期を過ごしていたか!?などなど、大学生になった先輩たちのトークをお届けする「アトリエトーク」。今回は現在大学2年生の3名の先輩方にお越しいただきました。
受験勉強真っ只中のデザイン工芸私大コースの生徒たちのリアルな10個の質問に、ストレートにお答えいただきました!

参加してくださったOGのみなさん

青山学院横浜英和高等学校出身
武蔵野美術大学空間演出デザイン学科2年
Tさん
総合型選抜で現役合格

相模原弥栄高等学校出身
多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻2年
Kさん
学校推薦型選抜で現役合格

金沢高等学校出身
多摩美術大学グラフィックデザイン学科2年
Gさん
一般選抜で現役合格

大学生活について

Question 1
「グラフ、ダクト、空デのいいところは?」

グラフならでは、ダクトならでは、空デならではの良いところはどんなところですか?

Gさん
グラフィックデザイン学科は、課題数が結構多くて、なかなか慣れないと、課題に押しつぶされそうになりますけど、いろいろなことができる学科だと思います。
他の専攻も使えるかもしれないんですけど、結構おっきい印刷機とか写真スタジオとか設備を使えるのがありがたいです。写真スタジオは特にデザイン棟にあるから使いやすいです。先生たちも結構優しくてホッとしました。基本褒めて伸ばしてくれます。
Kさん
ダクトは、全員分講評やってくれるので、その時にフィードバックをちゃんともらえるのはとてもいいと思います。あと、和田教授はやっぱりすごいです(笑)。今学科長じゃなくて、もっと上の人になってるんですけど、水色の愉快なおじさんが、君たち可哀想だからどうにかしてあげたい!頑張ってよ~!って感じで色々やってくれてて、実際色々助かってるので、そういうところがいいと思います。
Tさん
空デのいいところは、例えば、作りたいものが教室より大きかったり、木を使った制作をしたい時とかでも許されるというか、なんでも作りたいものを作らせてくれるところがいいと思います。コースが4つあるので、ファッションと空間を一緒にやりたいとかもできます。あらゆる充実した施設を使えるところが強みだと思います。

Question 2
「高校の授業と大学の授業の違いは?」

高校までの授業と、大学での授業の違いはなんですか?

Kさん
すごく変わったなと思うのは、ただ聞いてるだけの授業じゃなくて、自分からリサーチして、教授にこんなのどうですか?とかやりとりしながら授業を進めていく感じが一番変わったなと思います。
Tさん
私も同じで、高校までは同じテストに向かって同じ勉強してたけど、大学は同じ課題を与えられてそれぞれがいろんな見方で勉強して、その結果が作品として出るんですけど、そのレベルで評価されるなっていうのは思います。だから、課題与えられてからそれぞれが学んでいくっていうスタイルに変わったなって思います。

Question 3
「大変なことってどんなこと?」

大学生活を毎日を過ごしている中で、大変なことってどんなことがありますか?

Kさん
ダクトは、結構生徒が主体になってイベントを計画することが多いんですが、それがね、、、うーんって感じです(笑)。すごく生徒主体になって楽しませようって言う心意気自体は好きなんですけど、たまに誰か助けて~って思うこともあって、それが授業の方にしわ寄せがきちゃうことがあるので、バランスをうまく取らなきゃなって感じですね。
Tさん
制作で結構お金がかかるんですけど、3年生で入る教授のゼミはバイト禁止部活禁止なんですよ。それがたいへんだな~って思います。でも禁止なのはそこのゼミだけなんですけどね。
Gさん
2年生がいちばん分量をこなす学年のようで、オリエンテーションでも徹夜しない人はいないって言われて、大変だ~って思ったんですけど。やっぱ時間調整ですね。時間の使い方を気をつけないと雪だるま形式で課題がたくさんになっちゃうので、そこが大変です。でもダクトみたいにイベントごとはそんなにないので、人と関わりたくなければ関わらずに済みます(笑)。結構個人戦です。それが良くもあるし、逆に大変な面もあります。これグループで作った方が分散できて楽だなーって思うときもあります。
ハマ美
で、徹夜はしたんですか?
Gさん
徹夜は今の所寝落ちてしまって結果してないです(笑)。でも4時くらいまでやってたことはあります。ただその翌日は寝てました(笑)。
ハマ美
笑!
だんだん徹夜を競いあうみたいな謎のノリでてくるよね。
Gさん
ありますね!(笑)。
3日寝てない!私4日!とか。
Tさん
講評の前の日は、家が遠い人は学校近くの友達の家に泊まってみんなで制作したりしてます。
Kさん
私もそんな感じです。でも私は寝ないと次の日ダメなタイプなので、4時くらいまでには寝れるようになんとかしてます。
ハマ美
結局どこの学科も大変なんですね。

Question 4
「アイディアが出ない時は?」

大学で作品を作ってて、アイディアが出ない時ってどうしてますか?

Tさん
アイディアが出なくなったら、結構いろんな展示会を見に行っちゃってます。デザイン界の先輩たちが何やってるのかとか見に行ったり、ピンタレスト見たりとか、あとは自分がその課題の時に興味を持ってるもの、映画とか音楽とかに影響されて結構やってる課題があります。それによって結構特徴が変わるかなって思います。
Kさん
えっとプロダクトは、コースにもよるんですけど、私が行ってる3スタっていうところは、課題によってですがほぼ毎日先生の進捗チェックがあって、アイディアが思い浮かばなくなったらそのチェックの時に先生と話して、こういう方向で行きたいっていうのを決められるので、アイディアがでないっていうのはあんまない・・・先生がなんとかしてくれてる(笑)。それでもなんか納得いかなかったり、ダメだ~ってなる時もあるんですけど、その時は何も考えないようにしてます。
Gさん
アイディア出してる段階に近いんですけど、ブレインストーミング。全然関係なさそうなところにたどり着いたとしても、テーマを決めて、そっから色々言葉を書き出して行って、どうにかこうにか今までやってきています。それでも出なかった時は、一旦諦めて、寝ます(笑)。すみません(笑)。
アトリエトーク先輩たちの画像

受験生の時は?

Question 5
「進路はどうやって決めた?」

私は進路の決断に迷っているので、3人方とも、なんでその学校を選んだのか、その進路を選んだ最終決断の基準を聞きたいです。

Kさん
私の場合は、ものづくりに関わる仕事がしたいっていうのを元々決めていたので、そうなってくると、武蔵美の工デか、多摩美のプロダクトか、工芸かなって思ってて、で、実際通う時のことを考えた時に、武蔵美は2~3時間くらいかかることを考えると多摩美が現実的だと思いました。武蔵美は最終手段でなるべくないものと考えていました。となると多摩美のプロダクトか工芸ってなるんですけど、工芸は割とアート寄りで、表現の世界なのかなって思う部分があったので、プロダクトで行こうっていうふうに決めました。
Tさん
私は、高三の時にファッションショー見るのにめっちゃハマっちゃって、服と空間を一緒に学べる学科はどこかって考えた時に武蔵美の空デしかなかったので、多摩美も一応一般受験になった時にテキスタイル学科がいいかなと考えていたんですけど、やりたいこと的に空デ一本だったので、空デになりました。
Gさん
ふわっとしてるんですけど、雰囲気で決めました。大学の。いろんな大学のオープンキャンパスに行ったんですが、私はやりたいことがそこまで明確にあるわけじゃなかったので、まあきっとどこに行ってもたくさん学びはあるだろうと思ったので、最終的には大学の雰囲気で、なんとなくここが好きだな~っていうので、多摩美にしました。

Question 6
「実技はどんな風に取り組んでいた?」

鉛筆デッサンや色彩構成はどんな風に取り組んでいましたか?

Kさん
苦手だったあ・・・(笑)。えっと私は高校の美術科で1年生の頃から絵の具使ったりデッサンしたりはやっていたんですけど、受験に向けてしっかり準備し始めたのは3年になってからだったので、私はその積み重ねの中で自分の好きな色の組み合わせだったり構図だったりがわかるようになったので、とにかく積み重ね大事だなって思います。
Tさん
私は講評が終わった後に手直しをしてました。先生にアドバイスをいただいて、それをやればもっと上手くなるから、一番いい状態で保管しておきたかったから手直ししてました。
ハマ美
手直しして、また見せてくれたりとかね。
Gさん
うまくいかない時は、プロの絵の真似をしてみたりしました。
可愛いなって思ったデザインだったりとか、すごいなって思ったデッサンを、そのまま、ただ何も考えずにやったりして、ちょっとマシになった気がします。
ハマ美
模写をした段階から結構変わっていったよね。
Gさん
そうですね、きっかけになりました。なので『行き詰まったら何も考えずに模写!』っていうのは一つ手だと思います(笑)。

Question 7
「予備校以外でやっていたことは?」

私は結構遅くに入ったんですけど、デッサンとか色彩構成とかで、予備校以外でやっていたことってありますか?

Gさん
家では鉛筆削るくらいで、実際描くとかそういう作業はしなかったんですけど、移動時間に、ポスターとか、自分が素敵だなって思ったものを収集したり、電車とかの広告で例えば水族館の広告があったら、課題のテーマが水族館だったら何にするかな~とか考えるようにしてました。学校は普通科だったんですけど、選択で美術の授業とってたので、その時間は、デッサンしたりしてました。
Kさん
私の高校は美術科だったので、三年生になってからも卒業制作があったんですけど、割とその時間自由だったので、その時間にデッサン描いて、非常勤で来てる講師が予備校でも教えた経験がある人で、見てもらったりとかができたんですけど、それ以外にも座学の時間とかも、手を見てノートの端っことかにクロッキーしたりはしてました。
Tさん
私は普通の高校だったので、そういうのはなかったけど、好きな女優さんの顔とか、趣味で絵を描くことが多かったです。

Question 8
「日曜日はどう過ごしてた?」

日曜日とか学校や予備校がなくてグラグラしてしまうんですけど、どういった過ごし方をしてましたか?

Gさん
入試直前のことしか覚えてないんですけど、どうしようどうしようっていう焦りで朝早く起きていたので、朝起きて、一枚時間制限してデッサンしてから朝ごはん食べるとかしてました。ただ、直前以外は多分寝ちゃってたと思います(笑)。休むのも大事だと思います。休める時に。
Tさん
私は推薦で、やってることは苦じゃなかったので、朝9時ぐらいに起きて、ファッションショーの考察をずっとしてました。動画を見ながら描いているので全然楽しくて。でお昼ご飯食べてたまに英語の勉強したりとか。何もしたくない時は、ギャラリー見に行ったりとか。個展をよく見に行ってました。

Question 9
「ネットサーフィンとかしちゃうんですけど・・・」

結構スマホとかネットサーフィンとかしちゃうんですけど、受験期はみなさんどうしてましたか?

Kさん
私も結構スマホで動画見たりするの好きだったんですけど、やることが多くなっていくにつれて自然にいじらなくなっていきました。
Gさん
私の場合は、ピンタレストとか資料収集の目的で逆に受験直前の方が見てた気がしていて。周りの一般大を受験する人たちが電源オフにしている中で私はずっと見ていました。完全に趣味のことだったりをずっと見ちゃうんであれば、おやすみモードにするとかして。頑張れば、忙しくなれば自然と見なくなると思います。
Tさん
私もSNS大好き人間で結構見ちゃうんですけど、一回SNSデトックスみたいなやつをセレブの人たちがやってて、楽しそうだな~って思って一ヶ月インスタとか見るのやめてみたんですけど、そしたら他人の投稿とか超どうでもよくなって、割とできるので、一週間からでもやめてみると結構効果あると思います。他にやることあるし、実際の生活が充実するので、やってみるといいと思う。結構変わりますよ。

Question 10
「学科の勉強は?」

一日どれくらい、どんなふうに学科の勉強をしていましたか?

Gさん
私の学校ではセンター試験まではみんななるべく来て欲しいって言われてたので。いくようにしていて。学校にいる間は勉強って決めてました。電車などの移動時間は行きに勉強をしたら、帰りはポスターを見るとかしてました。とにかく、一日も勉強しない日は作らないようにしていました。触れておくのが大事です。忘れちゃうので。
学校は勉強、予備校は絵、っていうふうに決めてやっていました。あとはそうですね、英語はやっぱり単語をたくさん知っておくのが近道だと思います。なので単語テストとかちゃんとやっておくことをお勧めします。
Kさん
私も学校の時間は座学をしっかりやって通学時間も多分一時間ぐらい英単語ずっとやってました。スマホアプリの「みかん」ってやつに一問一答クイズできるやつがあって、正解するとピンポーン!って行ってくれるやつでめっちゃハマっちゃって、全部クリアできるまで終われませんルールを勝手に自分で作ってやったりしていました。
通学時間でなるべく英単語見るようにしてたのと、学校でしか勉強したくない!家では勉強したくない!って気持ちが強かったので学校でしっかりやるようにしてました。
Tさん
私も同じで電車の中ではオールインワン見たりとか、あやちゃびん先生の小テストとか、赤シート作って覚えたりしていました。学校終わってハマ美までの時間は、学校に居残りしてその自由時間を利用して勉強してました。
家では小テストをちゃんとやることと、オールインワンを全力でやる。お風呂やトイレにも単語表貼ったりしてました。

あやちゃびん先生・・・ハマ美の英語講師

最後に

では最後に。激励をお願いします!
Kさん
ほどほどに焦って、ほどほどに息抜きすればなんとかなると思います。私の高校の美術科の友達は、一般大学行こうとしていて、夏くらいにAO受けて落ちて、そこから美大の推薦を受けて落ちて、12月くらいまでフラフラしてたんですけど、そこから目覚めて、環デに受かった子がいるので、ガッツがあればなんとかなると思います。
Tさん
ハマ美に来ることを楽しみにすればいいかなと思います。ハマ美の中の友達を大事にしてお互い支えあえば結構あっという間にすぎて、楽しかったしいい時間だったなと思うと思うので、支え合うの大事かなと思います。頑張ってください。
Gさん
頑張れるとこまで頑張って、あんまり焦らずにやっていけばきっと大丈夫だと思います。ちょっとずつやっていけば絶対上手になると思うので、頑張ってください。片付けも大変だと思うけど、筆とか大事にしたら使いやすい状態にできるので、頑張ってください。
アトリエトークOGの画像

質問以外にも、大学の授業の様子や制作した課題、校内の生活風景などをスライドでいっぱい見せていただきました。たくさんの課題制作に追われているようですが、でもなんだかとても充実している様子!
受験まであと約5ヶ月。推薦は残りわずかな時間ですが、同じ苦しい受験期を乗り越えていった先輩に続いて頑張っていきましょう!
Gさん、Kさん、Tさん、どうもありがとうございました。