受験ってどんな感じですか???

現役美大生に聞く!
アトリエトーク2022

デッサンをもっともっと良くしたいんだけど、先輩たちはどんなことをしてきたのかな?
毎日どれぐらい英語国語の勉強をしていたんだろう・・・?
時間内に描き上げるのが大変なんだけど、先輩たちもそうだったのかな・・・?

受験対策真っ盛りの高3生に向けて、現役美大生のハマ美OGの方々に受験期に経験してきたイロイロをお話しいただくトークイベント「アトリエ・トーク2022」が開催されました。否が応でも入試を意識し始める今日この頃。これを乗り越えた先輩たちは、一体どんなことを考えながら過ごしてきたのでしょうか?
受験生のリアルな質問に、一歩先を行く先輩たちが、自分の経験を通した解答を、これまたリアルに答えてくれました。

今回参加いただいた
OGの皆さん

多摩美術大学
生産デザイン学科
テキスタイルデザイン専攻
2年 Moさん
多摩美術大学
統合デザイン学科
2年Aさん
武蔵野美術大学
空間演出デザイン学科
2年 Maさん
多摩美術大学
生産デザイン学科
プロダクトデザイン専攻2年 Oさん
多摩美術大学
グラフィックデザイン学科
2年 Fさん
それでは「アトリエ・トーク2022」のはじまりはじまり〜
「やってよかった実技トレーニング」や「記憶に残っている実技課題」はありますか?
A.先輩たちの答え
Aさん
大きいスチレンボードを使ってやるパズル課題ですかね。多分色彩構成の課題だったと思うんですけど、形をどう作っていくかの勉強にすごくなったのを覚えています。

※平面系専攻志望者が行う構成力養成課題

Oさん
夏にすごく実力が伸びたと思っています。枚数も結構描くし、昼の授業の反省点を夜の制作に活かすといった感じで、点と点が結びついた感覚が多くありました。
個人的にやってたこととしては、結構構図が苦手だったので、学校の休み時間とか授業中とかにどんな入れ方あるかな~とか、構図の模索をしてました(笑)。
Fさん
私は冗談抜きで12月にやった自画像ですね!受験前になると、楽しむことを忘れがちなんですけど、デッサンが楽しいっていう感覚を思い出させてくれた課題でした。
鏡見ると、そこにT先生がこっち見てて映ってるんですよ(笑)。こっちはヘンな顔してるのに(笑)、隣ではR先生がみんなと一緒に自画像描いてるし(笑)。
だいぶカオスな状況だったんですけど、あれはすごい思い出になりましたし、大学入ってからも自画像は描かされるので、それが活きたなというか、ためになったなと感じてます。
Maさん
色彩構成の講評でずっとなーなーな位置にいたんですが、ある日突然上段に乗った瞬間があって、その時はすごく嬉しかったなーっていうのを覚えてます。
これ質問の答えとしてあってる?違うかな(笑)。
あれ!?なんかイケるかもしれない!みたいに思って(笑)。使う色をその褒められた時の配色を覚えて、そこからやり続けたんですよね。それってすごく大事だったなって思います。
Moさん
私は資料集めですかね。好きなアーティストがいるなら、参考にするのめっちゃアリだと思うし、身近な先輩の参考作品からも、ここのこれがいい!っていうのを、どこがいいのか理解するのが大事だと思います。いいなと思う理由がわかれば、その先使っていけるじゃないですか。色使いとかもこれ使えそう~とか。この対比面白い~とか。
他人のものから吸収することができると、すごく強いな~と思います。
ハマ美の授業以外で何か取り組んでたことはありますか?
具体的に何をしていたか教えてください。
A.先輩たちの答え
Aさん
私たちの代は、コロナの影響で前半オンライン授業だったんですよね。結構時間があったので、ハマ美の課題を構成を変えて何枚も描いたりとかしてました。
ハマ美に通えるようになってからも、加筆やリファインをよくやるようにしてました。学校でも、B3のクロッキー帳持ち込んで、空いた時間にクロッキーしたりとかしてました。

※リファイン:再制作の意

Oさん
私も加筆をしてましたね。家だと集中できないタイプなので、ハマ美に早く来て描いたりしてました。佳境の時は家に持ち帰って加筆をしてました。
推薦対策の方を結構やっていたのですが、道歩いてる時にアイディアを見つけたり、こういう解決したらもっと良くなりそう~とか考える発想トレーニングをしてました。
Fさん
自分は入試直前講習になってからようやく焦り始めて(笑)、学校の美術室でデッサン教えてもらったりとかしてました。その時期自分で選択してた課題をグラフばっかにしちゃってて、視デとかも受けるにも関わらず、デッサン色彩3枚ずつしかもう描けないみたいな状況になってて。
これは、家でもやらなきゃいけないなと思って、多少描いてました。それまでは、家でやっても集中できないのであんまりやってなかったです。その代わりと言っちゃあ何だけど、学校の美術室から借りたジャグダ年鑑とかADCとかをめっちゃ見てましたね。

※グラフ:多摩美術大学グラフィックデザイン学科
※視デ:武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科

Maさん
私も推薦の記憶の方がつよいんですけど、武蔵美の推薦はやることがたくさんあって、でも私は推薦で絶対受かるぞっていう謎の自信があって、それに賭けてずっとひたすら推薦の文章考えたりしてました。今考えたら、落ちたらどうなってたことやら・・・って感じなんですけど(笑)。
さっきOさんも言ってましたが、ふと思いついたことを書き溜めることって大事だなって今でも思ってます。
Moさん
私は家に帰ったら疲れてすぐに寝ちゃってたんですよね。なんですけど、私もFさん同様、夏超えたら「ヤバッ」てなって。リファインとか加筆とかやりだしましたね(笑)。
デッサンや色彩のスキルアップには何が効果的ですか?
A.先輩たちの答え
Oさん
色彩構成は行き詰まっちゃう瞬間がこれから何度も訪れると思うんですけど、いつか絶対殻を破れるので辛抱強く何枚も描き続けてください。
色彩構成は資料集めが大事!って言われる通り、私も綺麗だなーと思った風景とか、自分が好きだなーと思う資料を集めると、自分がこういう色使いが好きなんだなとかわかるので、そのファイルは今でもとってあって自分の原点だなあとも思うので、大切にして欲しいなと思います。
デッサンの方も、枚数を描けとしか言えないんですけど・・・。だんだん描けるようにになってくると、細かい描写が大事になってきますけど、私は結構真似をすることが大事だなと思います。参考作品を隣に並べて遠くで見比べて加筆して、見比べて、加筆しての繰り返しをすることで細かい描写力は上がったのかなと思います。
Fさん
具体的な方法とは逸れるかもしれないんですけど、皆せっかくハマ美にいるんだから、他の人の絵の講評にしっかり耳を傾けて欲しいっていう思いがあります。私はその大切さに気づいたのがすっごく遅くて、入試直前期間中に、武蔵美課題をとってる枚数が少なかったって言ってたと思うんですけど、まあ3枚しかないからやべえなあって思いながら他の人の講評を聴いてたら、先生、ずっとおんなじこと言ってるんですね、誰に対しても。何回も同じことばっか言ってることに気がついて、あ、それってそれだけ大事なことだから言ってるんだなって気づいてからは、それを自分の絵にも取り入れるようにしました。他の人の講評のおかげで受かったと言っても過言ではないくらいです。他の人が指摘されていることをやらないようにして、褒められていることを取り入れるようにするっていうプロセスで、自分は成長できたと思ってます。
鉛筆や筆は何本くらい持ってましたか?
筆は、オススメの筆とかありますか?
A.先輩たちの答え

一同、Fさん名指しする・・・。

Fさん
何でみんなに名指しされるかっていうと、多分誰にも負けないくらいの量持ってたんですよ、道具全て。というのも、道具で負けてたら勝つことできないなって思ってたので、誰よりも量も質も勝ってやろうっていう心持ちだったんです。
数えてきました(笑)。鉛筆はパンパンのケース2つ分持ってました。85本ありました。家にあるの合わせたら100超えると思うんですけど、受験に持って行ったのは85本くらいでした。全部芯先ツンツンで、丸まったらすぐに取り替えて使ってました。たくさん持っといて損はないかなと思います。
筆も50本くらい持ってたかな。みんなまだ数本しか持ってなかったりすると思うんですけど、いずれ必要になるし、実はグラフに入ってからも結構アナログな作業をやっていくので、持っていて損はないかなと思います。ちなみにアクリルガッシュもほぼ全色持っていて、1色につきストックを2本持ち歩いてたんで、今思うと頭おかしいなと思うんですけど(笑)。それくらい万全の状態で過ごしてましたね。
最高の作業環境で制作しようと思ってたので、多分作業環境の充実度だけは誰にも負けてなかったと思います。皆さんもどんどん道具集めていってください。
Aさん
Fさんがぶっ飛びすぎてて(笑)。私の場合は、鉛筆は削ってないのも含めてですが、それでも70本くらい試験に持って行きましたね。筆は40本くらいあったと思います。逆に、そのくらいは必要なラインなんだと思った方がいいと思います。
条件とか課題に対するアイディアとかどういう風に考えたらいいかとかありますか?
A.先輩たちの答え
Maさん
合格者作品とか見るのもいいんですけど、美大に入ってから痛感したのは、そうじゃないただの映画とか、全然違う分野ですけど服とか、そういうのも積極的に見ることって大事だなあって思いました。時間がもったいないように感じちゃうかもしれないけど、他の分野のものも見てみると、見た分だけ自分の中に溜まっていくと思うので、とても大事だと思います。
Oさん
この前教授が面白いこと言っていて、「アイディアって全体が見えてないと出てこないよ。」っていう風に言われたんです。その通りだなって思って。アイディアを出そう出そうと思うと、一点集中になりがちですけど、Maさんが言っていたように、他のことをやったりいろんなことして、ふと戻ってくると全体が見えたりして、その全体に対して閃きが浮かんでくるので、行き詰まった時はほんと思い切って他のことするのはアリだと思います。
受験って時間との勝負というところもあるかと思うんですが、時間の使い方のコツとかありますか?
A.先輩たちの答え
Aさん
私が実際制作するときにやっていたのは、デッサンも色彩も両方なんですけど、エスキースするときに、横に時間軸のバーを書いておいて、それを時間ごとにデッドラインを区切るんですよ。30分エスキースしたら絶対に切り上げるとか、1日目の終わりまでに2色塗り終わるとか、最後の30分は絶対仕上げをやるとか、その時間を超えないようにっていうのを本番もずっと気をつけてやっていました。
Fさん
私もAさんと同じで、プロセスの明瞭化が大事だなって思っています。特に3時間の視デ対策をやってて感じました。自分がいつもどこに時間がかかってるか、どの工程が苦手かっていうのを制作中にメモっておくんですね。今日はどこどこに時間がかかっちゃったとか。極限まで時間を切り詰めて、かけたいところに時間をかけられるようにして完成まで持っていってました。
私のこの作品(多摩グラ色彩再現)の場合は文字拡大とか塗りとかはそんなに時間がかからないんですけど、アイディア出しとか下書きに結構かかってしまうので、やっぱり時間を区切って切り上げるポイントを決めてすぐ次の作業に移る、みたいにしてました。
Maさん
私は今でも時間の使い方が下手くそなんですけど、スマホに時間を取られてるのがすごく勿体無いなって、推薦対策をやってるときに思って、アプリをほとんど消したんです(笑)。ツイッターとか。私はさっきのお話みたく時間を書いたとしても守れないんで、強制的に時間を空ける努力みたいなのをしてました。TikTokは入れない方がいいと思います(笑)。
Moさん
プロセスを考えるのすごく大事だと思います。終わらないってほんとにやばいんですよね。ハマ美で描いてるときって、昼休憩の時間とかにプラスで描けちゃったりするけど、本番はそういうのない訳だし、早め早めに癖づけとかないと、どんどん時間って経っちゃうんですよね。30分経ってないと思ってもあっという間に経ってたりするから。
自分が今どこに時間かかってるかを分析して逆算していくことが大事だと思いますね。
集中力が切れたとき、どうやって対処してましたか?
A.先輩たちの答え
Aさん
プロセスごとに私は時間を区切ってたんですけど、その区切る時間で一旦落ち着こう~みたいな感じで、気持ちの切り替えの時間みたく使っていました。
Oさん
私は、描いてる箇所を変えてみるとか、絵の中で違う場所を見たりとかして、全体を眺めるとかしてました。
Fさん
いやー難しいですね、集中力私も持たないんで。いや持たないですよ。
自分は武蔵美の視デの色彩の試験で死ぬほど焦っちゃって。開始五分くらいで塗り始める人とかいて、周りに惑わされたというか。いつものプロセスで出来なくなっちゃったんですよね。半泣きになりながら塗って描いてるから、画面ぐっちゃぐちゃなんですよ。それを一旦落ち着こうって思って、普段うまくいった時のことを思い出して、そのプロセスで手を動かすみたいなことをしました。そんな感じです。
Maさん
うーん、他の人のことを見る、かな?試験会場では緊張しちゃうし集中できないし。そんな時に斜め前の人を観察して気を紛らわせてました。で、他の人のを見た後、自分の絵に戻ってくると気付く点が多いので、物理的にも精神的にも自分の作品から一回離れることが大事かなって思います。
Moさん
本番だったら、トイレに行くとかですかね。その時だけ作品と距離を取れるし、試験中唯一周りも見渡せるし。で一旦落ち着いてリフレッシュ。
ハマ美での話だったら、お昼休憩とかかな?友達と関わることが意外と大事だと思います。友達からの意見も大切にした方がいいと思うし、こここうだったんだよね~とか言って、だったらこうしたらいいんじゃない?とか自分じゃ気付けないこと気づかせてくれたり、励ましてくれたりとか。
受験って結構ギスギスしちゃうと思うんですけど、私は友達に結構支えられることが多かったです。ちょっと脱線しちゃったかもですけど!
毎日どれぐらい英語国語の勉強してましたか?
A.先輩たちの答え
Aさん
どれぐらいだろう・・・学校が終わってハマ美に行くまでに一時間くらい余裕があったので、そこで苦手な英語の勉強をしてました。ハマ美の学科の授業の後は、帰りのバスとか電車で単語帳見るみたいな感じでした。最後の方に過去問やってたと思うんですけど、どっちかというと単語とかの基礎固めをしてました。
Oさん
私たちはコロナで学校や予備校がなかった時期があったので、そのときは結構勉強してました。朝8時までには絶対起きて、時間あるときはダンスを踊って、犬の散歩に行って。朝ごはんを食べて、9時から12時までは勉強。でご飯食べてちょっと休憩して、17時まで勉強。その後、運動しないとやってられなかったんで犬の散歩行って、家帰って夜ご飯食べて11時くらいまで勉強して。睡眠時間はちゃんととってました。
予備校と学校が始まってからは、学校が勉強面しっかりしていたので、学校内の時間で勉強を終わらせてました。ハマ美の学科も、英語のA先生とかすごいので、A先生に習うだけで対策は大丈夫だと思います。
Fさん
勉強嫌いなんでやってなかったんですけど(笑)、Oさんと一緒で、4月いっぱいくらいまではコロナでずっと自宅だったんで、ターゲット1900っていう英単語帳あるじゃないですか、それを寝る前に一日100個覚えてから寝て、朝起きて復習するっていうのをサイクルにしてて、二週間ちょっとで無理やり英単語帳一周するっていう。その後は全然勉強してなくて、冬になってやべーってなって、ハマ美の授業が9:30からだったので5時とか6時とかに起きて、英語か国語一つずつ過去問解くとかやってたかな。
Moさん
私は悪い例です。悪い例言いますね。英単語をやってなかったんですよ。英単語は絶対にやってください絶対に!(笑)。何なら、英単語やっとけば多摩美の英語はいいってA先生が言ってました!A先生の授業を聞いてたおかげで、多分ぎり受かったんだと思う。A先生ノートってのを作ってたんですよ。先生が言ってたことをめっちゃメモって、それだけは覚えとこうってやってたんです。
それでは最後に、先輩方から受験生にエールをお願いします!
先輩たちからみんなへ!
Aさん
周りがすごい上手いな~と思ったり、自分の実力が足りないな~と思ったり、不安になることが多いと思うんですけど、これからたくさん描いて描いて力をつけていってほしいな~と思います。頑張ってください!
Oさん
私は結構根詰まっちゃって、わぁ~どうしよう!?ってなっちゃったりしたんですけど、受験が全てでは無いってくらいに思って、ちょっと気楽にやってみるのもいいんじゃなかなと思います。大学に入るのがゴールじゃなくて、その先自分が何したいのかがゴールだって先生方に結構言われていて、大学をゴールにしてしまうと大変だと思うので、自分の夢に向かって頑張っていってほしいなって思います。
Fさん
今日ここにいるみんなは、デザインや美術が好きで来ていると思うんです。受験で嫌になっちゃうことは多々あると思うんだけど、好きというその心をずっと忘れずにいることが、日々のモチベーションになると思います。がんばってください!応援しています。
Maさん
今美大に入って痛感しているのは、もっとアートや映画や本とかたくさん触れておけばよかったなと思っているので、受験のことだけになりすぎず、他のものにも目を向けて触れておくことが大事だなって思います。推薦とかの受験だと特に大切だなって思います。頑張ってください。
Moさん
なんだかんだどこまで楽しめるかだと思います。緊張しちゃうとわーってなっちゃうと思うんですけど、楽しんだもの勝ちだと思って最後までがんばってください!
今回参加してくれた先輩たちも、それぞれいろんな思いで受験期を過ごし、そして乗り越えてきたんですね。
これから受験を迎えるみんなも、先輩たちのアドバイスを活かして、しっかりと準備をしていきましょう!

そうそう!
このアトリエトークの次の日から、大量の鉛筆を持ってきた生徒がいました!もちろん全部芯先ツンツンで!
「できることはすぐ実行する!」
これも上達の秘訣ですね。ガンバレ!!