総合型・学校推薦型・一般:自分に合う入試は?

総合型・学校推薦型・一般:3つの入試を理解する。

知っておきたい美大入試の基礎知識をお届けする「美大入試の基本」Blog。今回のテーマは「3つの入試を把握し、自分にとって最適な入試を選ぼう!」です。
3つの入試というのは、2021年度の大学入試改革で名称等の変更がある総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜。(変更点については→2021年度:入試改革で美大入試が変わる3つのポイント

この3つの入試方式を、「実施時期から見る入試の違い」「求められる力から見る入試の適正」の2つのポイントからそれぞれの入試の特徴を見ていきましょう。

「実施時期から見る入試の違い」

大学入試の実施は大きく二つの実施時期に分けられます。
9月から1月まで、1月から、3月まで。この1月の区切りには「大学共通テスト」、つまりこれまで「センター試験」と呼ばれていた試験の実施があります。「大学共通テスト」を境に、9月から1月を「推薦選抜」の実施期間、1月から3月までを「一般選抜」実施期間になっています。
年内に試験が行われる「推薦選抜」と年明けに試験が行われる「一般選抜」。早い試験では半年ほどの差が出てきます。受験生にとって半年は非常に大きな違いになってきます。自分が受験しようとしている試験までどのぐらい時間があるのか、しっかり把握しておきましょう。

さて、年内の選抜には9月以降に試験が行われる「総合型選抜」と11月以降に試験が行われる「学校推薦型選抜」と二つの選抜方式があります。「総合型選抜」とはこれまで「AO入試」と呼ばれていた入試の新しい名称で、「学校推薦型選抜」は「指定校推薦」や「公募制推薦」の新しい名称です。推薦入試のメリットはズバリ、早く結果が出るということですよね。ただ、逆に考えると短い期間に対策を行わなければならないので、これらの試験を考えている人は短い期間に集中的に対策を行う必要が出てきます。一方の一般選抜ですが、こちらは総合選抜よりも半年ほど遅れて実施されるので、学力も実技力もギリギリまで伸ばす事ができます。特に現役生は入試直前の1カ月は劇的に伸びる時期でもあります。高3生の約10カ月あまりの受験対策期間で、実力を伸ばしておくことは重要です。

「求められる力から見る入試の適正」

まず一般選抜です。繰り返しになりますが、一般選抜とは一般入試の新しい名称でしたね。文部科学省が大学入試ではこのような試験を必ず行ってくださいと発表している内容があります。
①大学入学共通テスト(略して共通テスト)と②大学独自の評価方法(小論文・プレゼンテーション・口頭試問・実技、各教科・科目に関わるテスト)のいずれかを利用とあります。一般選抜と名称は新たになりましたが、美大入試において、求められる力は従来通りの「実技力」と「基礎学力」になります。

では、残りの二つ、総合型選抜と学校推薦型選抜をまとめて見ていきましょう。この二つの違いを"学校長の推薦の有無"、"書類・資料の活用"、"試験内容"の3つの項目から見ていきます。
まずは学校長の推薦の有無。総合型選抜では学校長の推薦は必要ありません。一方の学校推薦型選抜では学校長の推薦が必要です。学校推薦型選抜では「学校長の推薦」が必要ですので、当然学校での成績や出欠などの状況が良い、という人がこの入試を考える事ができるということになります。

次に、書類・資料の活用について見ていきましょう。総合型選抜における「書類・資料」とは、例えば「志望動機書」や「志願理由書」などがこれに当たります。受験生本人が作成し、自分のこれまでの学校生活での活動や、大学に入って何を学びたいか、将来何をやりたいのか、など自分で自分をアピールします。一方の学校型推薦選抜では、学校長からの推薦書が書類となります。中には志願理由書など、書類や資料の活用をする大学も出てくる可能性もあります。

最後に試験内容ですが、大学入試改革の改革ポイントとして、AO入試や推薦で入学した学生の学力の低さなどが問題としてあげられてきましたが、その改善策として必ず何らかの試験を行うこと、と変更がなされました。試験内容は、①大学入学共通テスト(略して共通テスト)と②大学独自の評価方法(小論文・プレゼンテーション・口頭試問・実技、各教科・科目に関わるテスト)のいずれかを利用とあります。これまでのところ、美術大学の推薦系の入試でセンター入試が活用されることはありませんでしたし、今後も活用の可能性は低いと思いますが、今のところは不透明です。②の小論文・プレゼンテーション・口頭試問・実技、各教科・科目に関わるテストは、これまでもAO入試や多摩美術大学の自己推薦入試などで出題されていましたが、指定校推薦などは、学校の推薦が取れればほぼ無試験のような感じでしたので、この部分がどの程度今年の入試で反映されるのかは注目ポイントです。

「総合型選抜」では自己PR、「学校型選抜」では学校生活の充実が要です。

タイプで別れる総合型選抜/学校推薦型選抜/一般選抜。

では、実際に自分がどの入試に向いているのか、3つのタイプにはめて見てみましょう。

Aタイプ
自分をアピールする材料を持っている、プレゼンテーションや人前で話すのが得意というタイプは「総合型選抜」ファッションをやりたくて、ファッションについての知識が豊富だとか、これまでたくさんのファッションショーを見てきたとか、ファッションのこんなアイディアがあるとか、そういう自分をアピールする材料がある人は総合選抜がオススメです。
Bタイプ
学校生活をしっかり過ごし、出席もよく、定期テストもがんばってきたというタイプ。そんな人には学校推薦型選抜がオススメです。学校推薦型の中にはさらに「指定校推薦」という枠があり、美大では女子美術大学が指定校を行ってきました。こちらは学校が指定校推薦を出してくれればほぼ合格!とされてきましたが、大学入試改革で「指定校推薦」への試験が行われるのかどうか今の所、不透明です。
Cタイプ
年内の受験を考えず、年明けまでしっかり力を伸ばしたい人は一般選抜が向いています。ギリギリまで力を伸ばせることは受験生にとって最大のメリットです。さらに幾つでも併願が可能で、自分の行きたい学校をじっくり決められることも魅力です。「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」は一部例外もありますが、原則、併願はできません。早く結果が出るのがメリットですが、一般選抜ならさらに半年も勉強して実力を伸ばすことができる。9月よりもワンランクアップした大学への受験も可能になるかもしれません。

A、B共に原則として専願となります。この大学に行きたい!とはっきり決まっている人は良いですが、行きたい大学や専攻が複数あるという人は避けた方が良いでしょう。大学に入ってから「やりたいことが違った!」となると悲劇です。入学金や授業料を払ったのに、半年足らずで辞めてしまうということにならないよう、本当にその大学で学びたいのか、しっかり考えた上で受験を決めましょう。

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