STEP3「美大の推薦入試>ポートフォリオ制作2」
さあ、いよいよポートフォリオ制作です。
「ポートフォリオはただ作品を載せるだけのファイルではなく、あなた自身をアピールする為のツール」というのが前回までのお話しでした。
一般入試と違い推薦入試では、”あなた”に実際に会って、”あなた”を直に判断したいと大学の先生は考えています。その為の材料の一つがポートフォリオになるわけです。ですから、「自分自身をアピールする為のツール」として積極的に捉えていきましょう。
「何を」アピールするのか。
さて、実際にポートフォリオを制作し始めたいところですが、大切な準備があります。ちょっと遠回りしているように感じるかもしれませんが、ポートフォリオが「あなた自身をアピールする為のツールの一つ」であるならば、「何を」アピールするかを明快にする必要があります。
第三者に自分をアピールしようと思った時に、まずはあなた自身が、自分のことをよく理解しておかなくてはいけません。その作業をまずはじめに行います。
キャリアの棚卸し:自己分析作業
まず、ノートかクリアファイルを一冊用意しましょう。そこに、過去、現在、未来の3つのページをつくります。どのページから始めても構いませんが、例として過去ページから。いままで何に興味を持ってものを見てきたのか、自分はどんな眼差しを持っているのか、どんな生活をしてきたのかを記述していきます。改まって書く必要はありません。箇条書きでもイラスト付きでもいいので、とにかくいっぱい出すことが重要です。これまでの自分を整理していくわけです。
- 子供の頃、住宅展示場に行くのが大好きだった。
- ハリーポーッ○ーの世界観が大好き。
- 暇さえあれば、大好きなアーティストのMVを見ている。
- 淡いトーンのものが好き。
- にわとりが大好きすぎて飼ってしまった。
- あの清涼飲料水のCMが大好き。
- 小さい頃から絵画教室に通っていた。
- NYに旅行に行った時に見たグラフィティーがめっちゃかっこよかった。
- 工作が好き。
- 子供の頃の夢は研究者になることだった。
- 文化祭実行委員を毎年勤め、何か楽しいことを企画するのが好き。
- 小学生の時スピーチコンテストで賞をとった。
- ノートや教科書のあちこちに落書きをしてきた。
- 子供の頃から日本舞踊やダンスなどをやっている。
- 学校での課外授業が好き。
ページいっぱいに書き出せるといいですね。キャリアの棚卸しと言うビジネス用語に近い作業です。「キャリアの棚卸し」とは、これまで携わってきたすべての仕事について書き出し、整理することです。
まだここでは、何をポートフォリオに載せようか?を考える必要はありません。とにかくいっぱい出して、自己アピールに繋がる接点を見つけ出すことが大切です。
「過去」ページが埋まったら今度は「現在」ページを同じ要領で書き込んでみましょう。今現在、あなたは何に興味を持っていますか?どんなものやことが好きですか?これまでの受験生を見ていると、「現在」「未来」ページよりも「過去ページ」の方がいっぱい書き出せるようですよ。
この「過去」「現在」「未来」を記述していくことは、あなたの自己アピールポイントを明快にしていく為の作業です。そしてこのようなプロセスの中でアピールポイントを明快にしていくことは、ポートフォリオ制作のみならず、※推薦入試対策の重要な重要な第一段階になります。
「あ〜、あんなことが大好きだったな〜」とか「あのアニメを見たのが美大にいきたいと思った最初のきっかけだ!」とか、ちょっと楽しみながら記述するのがコツです。実際のポートフォリオ制作の前にしっかりと準備をしましょう。
次回のSTEP4では、「過去」「現在」「未来」の記述の重要な役割についてお話ししたいとおもいます。もちろんポートフォリオ制作の為の内容です。