推薦入試って!? STEP11「東京造形大学の推薦入試」

(2021年8月更新)

STEP11「東京造形大学の推薦入試」

美大の推薦入試にチャレンジしたい受験生を応援するこの推薦入試BLOG、STEP11の今回の内容は、東京造形大学の推薦入試についてです。
2021年度の入試改革により、造形大学の推薦入試は「学校推薦型選抜(指定校制)入試」と「総合型選抜(自己アピール)入試」の二通りの選抜方法になりました。
もともと「推薦入試(指定校推薦)」と「AO(自己アピール)入試」の二つの推薦入試を行なっていましたので、名称変更以外で大きく入試制度が変わったところはないようです。

学校推薦型選抜(指定校制)入試

学校推薦型選抜(指定校制)入試は、本学が指定校として選定した高等学校校長が、本学の入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に相応しい人材を推薦する制度です。選考方法は、出願書類に基づく書類審査と面接選考を総合的に判定し、合格者を決定します。

東京造形大学HPより

「学校推薦型選抜(指定校制)入試」について、東京造形大学は上記のように説明しています。
この「学校推薦型選抜(指定校制)入試」のポイントは、在籍する高校が造形大学の指定校として選出されているかどうか、さらに、高校の学校長があなたを推薦してくれるかという2点になります。
大学と高校との信頼関係で成り立っている制度ですので、高校生活の上で模範生である必要があると思います。勉学の取り組み姿勢や出席状況、部活動や行事への積極的な参加等、造形大学の指定校推薦を考えている人は意識して高校生活を送りましょう。

総合型選抜(自己アピール)入試

多摩美や武蔵美は専攻によって様々な形式の推薦入試を行なっていますので、包括的に捉えることがなかなか難しいのですが、東京造形大学の総合型選抜(自己アピール)入試は、全専攻領域で同じ方式を採用しているのでとてもシンプルです。
選考方法は、「書類審査」と「プレゼンテーション選考」の2つです。
出願時に提出した「書類」を基に一次選考が行われ、一次選考に通過した人が「プレゼンテーション選考」を受けられます。一次選考に合格しなければ二次選考のプレゼンテーション選考に進めません。最終的に入学が許可される”合格”までに、2回の試験があるこの形式は、武蔵野美術大学の「総合型選抜[前期]」と同じです。「書類審査」にはポートフォリオが含まれており、その作成要領がかなり具体的に指示されているのが特徴です。

ポートフォリオ資料区分

区分(A)基礎的能力を示す資料。

デザイン・美術に関する基礎的能力を示す以下のような資料
・デッサン、クロッキー、平面構成、立体構成、ドローイング、油彩画、水彩画、版画、彫刻、塑像、工芸、写真、映像、CG、アニメーションなど

区分(B) 専門的能力を示す資料

志望する専攻領域と関連した能力や実績を示す以下のような資料
・自主的にテーマや課題を掲げ制作した作品など、自分の能力をアピールするための作品
・継続して取り組んでいる創作活動や制作物
・創作活動や制作物のコンセプトやプロセスをまとめた資料(エスキース、絵コンテ、脚本、調査研究資料なども含む)

区分(C) その他の活動に関する実績を示す資料

上記(A)基礎的能力を示す資料、(B)専門的能力を示す資料以外で、自分の能力や活動の実績をアピール する資料
・学校内や地域社会での共同制作、文化祭や学校行事などでの創作活動の資料
・部活動やその他の活動についての資料
・資格・検定などの認定証、展覧会・コンクール・大会などの賞状や参加状況がわかるパンフレットなどの資料

この3つの区分から2つ以上を組み合わせてファイルを作るよう指定されています。ハマ美の受験生は、区分(A)と区分(B)を組み合わせて作った人がほとんどです。
区分(A)に予備校で描いたデッサンや色彩構成の作品をまとめ、区分(B)に自己アピールのための資料をまとめていました。この区分にはしっかりと時間を割いて、ページにもボリュームを割いて制作しています。区分(C)は、該当するものがあれば入れ込んでいますが、この区分を記入できる生徒を多く見かけたことはありません。区分(B)の自己アピールのための資料制作については、STEP2「ポートフォリオ制作1」からSTEP4で説明してますので、興味がある方はリンクを貼っておきますのでご覧ください。
書類審査が通れば二次試験と言える「プレゼンテーション選考」に進みます。

プレゼンテーション選考対象者は、5分程度で自己アピールし、その後、質疑応答を行います。プレゼンテーションのために資料・作品等を持ち込むことも可能ですが、その際は自力で搬入・搬出ができるものにしてください。

東京造形大学HPより


とあります。
自分の興味をしっかりと自己アピールできる機会ですから、プレゼンテーションのための作品を制作して持って行くと良いでしょう。
また出願からこの「プレゼンテーション選考」までに約2ヶ月弱の時間があります。もうひと押し自己アピールするための作品制作のためにこの時間を使うといいでしょう。

造形大学の総合型(自己アピール)選抜で忘れてはいけないのは、大学がこの入試に向けて手厚くサポートしてくれる点です。この推薦入試BLOGでお伝えしているように、聞いたこともないような用語が結構ありますし、どうしたらいいかわからないことが多いと思うのです。
そのために6月に(例年だとこの時期です)、直接先生方からアドバイスを受けられる機会が設けられています。これは受験生にとっては嬉しいですよね。
詳しい日時は東京造形大学のホームページをチェックして見てください。

少々長くなりましたが、今回のSTEP11は「東京造形大の推薦入試」についてでした。

まとめ

学校推薦型選抜(指定校制)入試
学校長の推薦書必要
総合型選抜(自己アピール)入試
学校長の推薦書なし
一次選考あり
実施している専攻領域グラフィックデザイン
写真
映画・映像
アニメーション
メディアデザイン
室内建築
インダストリアルデザイン
テキスタイルデザイン
絵画
彫刻