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学校推薦方選抜が始まってから3年分の合格者作品と過去問題
グラフィックデザイン学科の推薦入試の特徴は、「面接」や「ポートフォリオ」等の提出資料がなく、一般入試と同じ評価基準の「鉛筆デッサン」と「色彩構成」に加えて、「クリエイティビティ テスト」が課せられている点です。
また2019年度入試では、募集人員18名のところ受験者は165名。
合格者は募集人員より圧倒的に少ない半分の9名で、約18倍の高い倍率でした。
アドミッションポリシー※を満たす受験生でなければ、募集人員に満たなくても採用しないというグラフィックデザイン学科の姿勢も、特筆すべき点です。

アドミッションポリシーとは?
入学者の受け入れ方針。
大学やそれぞれの学部が教育理念や特色に基づき、どのような人に入学して欲しいかを示しているものの事を言います。
アドミッションポリシーを読み解くことにより、入試を受けるにあたりどのような準備をしてどのような力をつけるべきかがわかります。
多摩美が発行する入試問題集や学校推薦方選抜募集要項などに記載されているので、目を通しておきましょう!
2017年度から2019年度の合格作品
「2017年度から2019年度」過去三年間分の過去問と「クリエイティビティ テスト」を含めた合格作品をまとめて見れる貴重な資料です。
2017年度

色彩構成
問題 | りんごをモチーフとし、「g」の文字を配して重力を色彩構成で表現しなさい。

鉛筆デッサン
問題 | 鏡でできている球体を持つ両手」を想定して鉛筆デッサンしなさい。

クリエイティビティテスト
問題 | A.あなたのビジュアル表現の才能とセンスを自由に見せてください。
B.卒業後、あなたはどんなデザイナーになりたいですか?100文字以上のテキストで表現しなさい。
A・B両方共、1枚のB3ボード全面の中に構成しなさい。
2018年度

色彩構成
問題 | 矢印をモチーフとし、「9.98」の文字を配して、スピード感を色彩構成で表現しなさい。

色彩構成

色彩構成

鉛筆デッサン
問題 | 「ハサミを使い、切り紙する両手」を想定して、鉛筆デッサンしなさい。

鉛筆デッサン

クリエイティビティテスト
問題 | A.あなたが大好きな物をビジュアル表現してください。
B.あなたが大好きな表現者は誰ですか。その理由はなんですか。100文字以内のテキストで表現しなさい。
A・B両方共、1枚のB3ボード全面の中に構成しなさい。。
2019年度

色彩構成
問題 | お弁当をモチーフとし、「lunch」の文字を配して、色彩構成を制作しなさい。

鉛筆デッサン
問題 | 「野球のボールを2個または3個を持つ両手」を想定して、鉛筆デッサンしなさい。

クリエイティビティテスト
問題 | A.あなたのビジュアル表現の才能とセンスを自由に見せてください。
B.最近あなたが最も新しいと思った表現はなんですか。100文字以内のテキストで表現しなさい。
A・B両方共、1枚のB3ボード全面の中に構成しなさい。
鉛筆デッサンのポイント
「鉛筆デッサンでは、基本的な描写力や構成力だけを求めているわけではありません。他に例をあげると、さまざまな視点から物事を見る観察力。モチーフの形態、構造、質感、量感を把握するのはもちろんんのこと、創作の原点となる発見は日常の生活における観察から生まれます。そこから新たな発想や思考を導き出しましょう。」多摩美術大学入試問題集 [出題のねらい]より抜粋
グラフィックデザイン学科の推薦選抜試験の試験科目は、一般選抜で課せられる実技試験(鉛筆デッサン+色彩構成)と同じです。
他の学科専攻は一般選抜の実技試験とは別の判定基準(面接やポートフォリオ、一般選抜とは異なる実技試験)を採用していることがほとんどで、グラフィックデザイン学科はかなり特殊といえます。
おまけに、鉛筆デッサン/色彩構成に加え、「クリエイティビティテスト」という新たな実技試験を課しています。
これは一般選抜以上に実技能力の高い人材を採用しようとしていると考えられますので、しっかりとデッサン力を向上させておかなくてはなりませんね!

色彩構成のポイント
「色彩構成ではテーマの本質をどこまで的確に定着できたかを見ます。それに答えるためには、問題文を客観的に理解する常識と、造形を大胆に切り詰める勇気が必要となります。造形を大胆に切り詰めると、イメージの強度が増し、見る人の心に明快に伝わります。そして、自分の考えもはっきり自覚できるものです。」多摩美術大学入試問題集 [出題のねらい]より抜粋
近年では多様な表現方法の作品が見られるようになりました。受験対策としての色彩構成という考えではなく、より一層プロのグラフィックデザインに目を向けていく必要がありますね。
一方、表現は多様になったとしても[出題のねらい]にあるように、「造形を大胆に切り詰める」ということは共通の評価基準だと考えられます。
いろんな要素を足して足していくのではなく、明快にシンプルなデザインを目指しましょう!

クリエイティビティテストのポイント
グラフィックデザイン学科の推薦選抜は、残念ながら参考作品が公開されていません。鉛筆デッサンと色彩構成は基本的に一般選抜を参考にして問題ないと思いますが、このクリエイティビティテストの対策はなかなか難しいところですね。
- 2017年度・・・あなたのビジュアル表現の才能とセンス
- 2018年度・・・あなたが大好きな物をビジュアル表現
- 2019年度・・・あなたのビジュアル表現の才能とセンス
- 2020年度・・・あなたのビジュアル表現の才能とセンス
- 2021年度・・・自分自身をキャラクターデザインして自己紹介
- 2022年度・・・自画像を自由にデザイン
- 2023年度・・・10年後のあなたをビジュアル表現
- 2024年度・・・自分を動物に例えてビジュアル表現
- 2025年度・・・あなたのビジュアル表現の才能とセンスを使って世界中に向けた提案
クリエイティビティテストの採点基準は、
「デザインへの強い興味と学ぶことへの意欲を有するか」
多摩美術大学入試問題集 クリエイティビティ テスト[採点基準]より
2時間の制作時間の中で、ビジュアル表現に加え100字の文章表現もありますので、かなりテキパキと作業をしなくてはなりません。
常日頃から「デザインへの強い興味」をもって資料収集しておきましょう!

資料として収集しておきましょう!!
ハマ美の取り組み
横浜美術学院では、推薦選抜を受験希望の人に向け、推薦選抜コースを設けています。
このコースの中で、グラフィックデザイン学科の「鉛筆デッサン」「色彩構成」「クリエイティビティ テスト」「志望理由書」の対策を行います。
一般選抜コースより週の授業日数が増えますが、手のクロッキー課題や細密描写課題、色彩構成の表現研究課題や模写、クリエイティビティテストの表現研究課題、そして志望理由書作成など全て個別にアドバイスしていきます。













