
STEP8「美大の推薦入試>志望理由書のポイント」
前回の最後に、「面接」のポイントはその前に提出した「志望理由書」です、とお話ししました。
実際の「面接」の場所で実は出願時に提出していた「志望理由書」が重要とは・・・。
面接時にはあらためて「志望動機をお聞かせください。」と聞かれると思います。すでに知っているはずなのに何を話せばいいんだろうという気持ちになりますが、「志望理由書」に記述した志望動機を話すのです。重複していますが、それでいいんです。
「志望理由書」には、その専攻を選んだ理由(動機)、学習ビジョン、将来のイメージなどを具体的に記述していくものです。よって、いかに”あなたの言葉”で「志望理由書」が書かれていたかが重要になります。
決して一般論を書いてはいけません。
このような志望理由書どうでしょう?
例1も例2も大筋は間違いじゃありませんが、これでは「あなた」が全く見えませんよね。
例1は、もともと絵を描くことが好きで将来は美術に関わる仕事がしたいと考えている人が美大を志すものですから、改めて記述する必要はありません。
例2は、一般論的なうえに高尚すぎて、本当に高校3年生が考えて記述しているのか疑問視されてしまうでしょう。
では、次の志望理由はどうでしょう。
どうですか?
最初の例1、2と比べると、sampleの1、2、3は随分違うと思います。
これをそのまま志望理由書に書いていいわけではありませんが、どの記述もそれを書いた「あなた」自身を感じらませんか?
話を「面接」に戻しますね。
STEP7で、”「この提出書類を書いたのは本当にこの子なのかな?」って、あなたが先生だったら思いませんか?”とお話ししました。
最初にあげた”例1、2”の内容の志望理由書だったら、本当かどうかと尋ねたくなります。あまりに当たり障りなく具体性に欠けるので、誰かに添削して書いてもらってる、もしくは何かのテンプレートなんじゃないか・・・?と。
(※添削してもらうこと自体は悪いことではありません。)
sampleの1、2、3はとっても具体的です。
この「志望理由書」をきっかけにもっと「あなた」を知ってみたい、こんな興味を持っている子なら本当かどうか確認したいと思うのではないでしょうか。もちろんポジティブな意味で、です。
あなたならどんな質問をしましか?
私なら、sample1の子には、
sample2の子に対しては、
sample3の子は、
と質問してみたいです。
”あなたの言葉”で「志望理由書」が書かれていれば、問題なく質問に答えられるはずです。
18,19歳の子が面接に来ているので、緊張してうまく喋ることができないだろうことは大学の先生方は百も承知です。大丈夫!だとたどしくったって、しっかり自分の言葉で伝えて来てください。
さて、もう一度「志望理由書」に戻ります。
文章構成や”てにをは”など、文字で相手に伝えるための工夫はもちろん必要ですが、需要なポイントは、
”あなたのこれまでの経験と眼差し”です。
経験は人それぞれで、当然様々なケースがあります。何が正解で何が不正解かはありません。
”うちの親は別にデザイン関係の仕事をしていない”から書けないわけでもないですし、MVを数百本見てれば書けるわけでもありません。
「あなた」が何となく過ごしてきたごくごくありふれた日常生活の中で、ものづくりの視点、資質が問われているということです。
”経験”を意味あるものにするのは、”眼差し”です。
どんなことに目を向けているのか。
そしてそれを「あなた」の言葉で記述するのが、「志望理由書」です。
「志望理由書」「ポートフォリオ」「面接」。
全てを繋げて考えていくべきでしょう。
それぞれの試験科目で別々な対応するのではなく、一貫した自己アピールを目指します。そして、あなたのアピールポイントを明快にするために、ここでも「過去」「現在」「未来」の考察が重要な役割を果たしていくのです。
STEP2「美大の推薦入試>ポートフォリオ制作1」をみてください。