大きな包みのある静物デッサン:制作プロセス

実技模試の課題、講師もやってみた

こんにちは!基礎科です。

今回は、静物デッサンの制作プロセスを紹介します。こちらは以前、実技模試で出題したモチーフをもとに、講師が描いた作品です。

モチーフは、布に包まれたクッション、薪、ピーマンの組み合わせです。

それでは、描き始めから順に見ていきましょう!

①紙いっぱいに描く

ボリュームのある静物を描く際は、画面への収め方が重要です。今回は、布で包んだクッションが薪にまたがるように置かれ、中心に配置されています。画面外に切っても構わない部分は思い切って切り、モチーフのサイズ感が伝わるように構図を調整しましょう。構図が整うと、作品に迫力が生まれます。

②たっぷりした量感

次に、影を置き、モチーフに立体感を加えていきます。立体感を出すためには、影をただ塗り込むだけではなく、モチーフの形を意識して影を入れます。「物の形を触るように」手を動かすことがポイントです。クッションの丸みや膨らみを感じながら影をつけることで、柔らかさやボリューム感がより伝わりやすくなります。

③モチーフが在る環境

モチーフだけでなく、「モチーフが存在する環境」も表現すると、より自然な印象が生まれます。例えば床の描写では、モチーフの「接地面」や「接地点」を明確にすると、モチーフが床に「しっかりのっかっている」感じが伝わります。ピーマンや薪などの有機物は特に複雑なので、よく観察したいですね。また、クッションの下に生まれる大きな空間には、クッションの影を薪や床にしっかり落とすことで、モチーフの浮遊感や空間の広がりを強調できます。

④ものの硬さ、柔らかさ

最後に、モチーフごとの「質感」を表現することで仕上げます。完成した作品では、クッションの柔らかさや軽さが強調される一方で、薪はザクザクとした硬さや荒さが感じられ、ピーマンは艶やかでみずみずしい質感が際立っています。それぞれ異なる素材の質感を表現することで、見る人に「触ってみたい」と思わせるような生き生きとしたデッサンが完成します。

いかがでしたか?
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参考になれば幸いです!