牛骨のある静物デッサン:制作プロセス

制作プロセスから学ぼう!

こんにちは!基礎科です。

講師による制作プロセスを紹介します。
モチーフは、牛骨、ワイン瓶、紙風船。

早速見てみましょう!

描き出す前に、良いアングルを見極める

まずは、アトリエにセットされた静物をぐるりと周回し、どこから描くかを決めます。基礎科では、基本的に位置は自分で選択できるようにしています。絵になる、かっこいい絵がイメージできるアングルを見つけたいですね。この段階では、そうやって絵のイメージを膨らませるのと同時に、「描きづらい場所」を避ける必要もあります。モチーフが別のモチーフを隠しすぎていたり、妙な重なり方をしていると、状況が伝わりづらい絵になってしまうので要注意。
少し横にズレるだけでも解決することがあるので、ベストな見え方を探しましょう!

位置が決まったら、早速描きすすめていきます!

序盤は、ざくざく大きくさわる

描き出しの序盤は、鉛筆を寝かせたやわらかい筆致で、なるべく大きく手を動かします。手首だけだとストロークが曲がるので、肩から大きく腕ごと動かして描くイメージです。初めから細かい形を描こうとすると、最終的にチグハグな印象になりやすいため、大きく大きく、画面全体を触っていきます。
彫刻家が石像を掘るとき、まず大きな石をざっくりざっくり切り落としていきますが、それと似た感覚かもしれません。

中盤は、モチーフを触るように手を動かす

大きな形が見えてきたら徐々に細かい形を作っていきます。面の向きが変わるごとに、その面を撫でるように鉛筆を動かします。
この段階では、描き出しのときより、鉛筆を少したてて使ってみましょう。線が細くなるのにくわえ、調子の質感もきめ細かくなります。
ワイン瓶を見てみると、手前にふくらむ形と、奥に回り込む面とで、かなり大胆に鉛筆を使い分けているのがわかりますよね。手前はザクザク、奥はしっとりと描いています。質を違えることでできる前後の差が、空間表現につながります。

終盤は、肌理(きめ)のバリエーションを豊かにふやす

ツヤツヤのワイン瓶、パリパリの紙風船、ザラザラの牛骨。モノにはそれぞれが持つ質感がありますが、その質感にはどんな特徴があるのか、観察が必要です。紙風船は表面にできる細かなシワを描かなければ、ビーチボールのようにも見えてしまいますし、牛骨の有機物が持つ複雑な質感も、やはりきめが整いすぎていては、レプリカのように感じてしまうはずです。それぞれ特有のきめを描くためにも、終盤は鉛筆の先を使った、より細かい仕事で、仕上げていきます。

今回は制作段階ごとに変わる、鉛筆の使い方に着目してみました。参考になれば幸いです!