推薦入試って!? 必読!やっておくべき事前準備

事前準備:自己分析作業/考察

美大の推薦入試にチャレンジしたい受験生を応援するこの推薦入試BLOG。今回の内容は、様々な提出物を作成するその前に、必ずやっておくべき「自己分析」作業についてです。

自己分析作業は、
推薦入試対策の第一段階!

自己分析作業とは、今まで自分が何に興味を持って物を見ていたのか、何が好きなのか、これまでの経験や体験を精査し分析する作業です。それによって自分のアピールポイントを明快にすることが目的です。
推薦入試は、「書類審査」「面接」「提出資料」などの試験科目を通して、一般選抜では確認することができなかった新たな可能性のある人材を、大学の先生が「直接」見て判断する選考方法です。そのために自己アピールポイントを明快にしていく必要があります。明らかになったそのアピールポイントを、「志望理由書」や「面接」での質疑内容、「提出資料」などで具体的に示していく訳です。自己分析作業をすることは、推薦入試の準備をする上でとても重要な考察になります。

STEP1「過去」「現在」「未来」を書き留める

これからあげるポイントに沿って考察を深めていきながら、自己アピールポイントを明らかにしていきましょう。まず、ノートかメモ用紙を用意し、「過去」「現在」「未来」の3つのページをつくります。
「過去」ページには、これまでどんな事に興味を持ってきたのか、どんなものが好きなのか、「現在」ページには今現在の興味や取り組んでいる内容、「未来」ページには将来の希望などを上げていきます。どのページも改まって書く必要はありません。箇条書きでもイラスト付きでもいいので、とにかくいっぱい出すことが重要です。

ポイント1:過去

これまでどんな事に興味を持ってきたのか、どんなものが好きなのか、また、趣味や習い事、小中高の部活や学外の活動など、どんな些細なことでも良いので記憶に残っている、興味のあった出来事をあげていきます。

過去
  • 子供の頃、住宅展示場に行くのが大好きだった。
  • ハリーポーッ○ーの世界観が大好き。
  • 暇さえあれば、大好きなアーティストのMVを見ている。
  • 淡いトーンのものが好き。
  • にわとりが大好きすぎて飼ってしまった。
  • あの清涼飲料水のCMが大好き。
  • 小さい頃から絵画教室に通っていた。
  • NYに旅行に行った時に見たグラフィティーがめっちゃかっこよかった。
  • 工作が好き。
  • 子供の頃の夢は研究者になることだった。
  • 文化祭実行委員を毎年勤め、何か楽しいことを企画するのが好き。
  • 小学生の時スピーチコンテストで賞をとった。
  • ノートや教科書のあちこちに落書きをしてきた。
  • 子供の頃から日本舞踊やダンスなどをやっている。
  • 学校での課外授業が好き。


ページいっぱいに書き出せるといいですね。

・「軽音部に入っていた」→「〇〇っていうバンドが好き」→「あの時のライブめっちゃかっこよかった」→「MVがいい」→「△△っていうバンドのMVもやばい」

このように芋づる式に出していってもいいですね。マルかバツかの評価をするものではありませんので、とにかく出せるだけ出す事が重要です。自分の過去の眼差しを振り返って確認する自己分析作業の一つになります。

ポイント2:現在

今現在どんな事をやっているのか、どんな事柄に興味を持っているのか、「過去」と同じように「現在」も書き留めていきます。

現在
  • 広告に興味を持っていて、特にタイポグラフィが好きでその資料を集めている。
  • 舞台美術が好きで毎月1回ぐらいのペースで演劇を観に行っている。
  • 高校の課外授業で行った間伐作業がとても面白く、そこで出た木材の再利用方法などを調べている。
  • キラキラしたりツルツルしたりザラザラだったり、そんな物の質感になんか興味を覚えている。
  • とにかくにわとりばかり描いたり作ったりしている。
  • 演じるうちに、演出に興味が出てきた。
  • 中高の研究課題で、人間の知覚に関する研究を5年間している。
  • グラフィックデザインが好きで特に、手書きで描かれたテイストのものが好き。

ポイント3:未来

将来どんな事をやりたいのか、こちらも「過去」「現在」同様に書き留めていきます。未来というと、将来どんな職業についていたいのか?のような質問に感じますが(もちろんそれも正解です。)、2、3年後にはどんな領域の研究をしていたいか?どんなことをもっと深く知りたいのか?そんな側面から未来を考えてもいいかもしれませんね。
過去ページや現在ページに比べると、この未来ページはそんなにポンポン出てこないのではないかと思いますし、人によっては、「う~~~~~~~~ん・・・・」と悩んでしまうかもしれません。でも、とても大事なことですので、投げ出さずじっくり考えましょう!

未来
  • 映像作家になりたい
  • パッケージデザイナーになりたい
  • 海外で働きたい
  • 素材が持っている様々な魅力を生かした作品を作りたい
  • ミュージックビデオを作りたい
  • 自分のブランドを立ち上げたい
  • ピクトグラムについてもっと知りたい
  • 知育玩具を作ってみたい
  • 手描きの柔らかい印象の線の表現方法を研究したい
  • 舞台美術をやりたい
推薦入試step3イメージ

STEP2「過去」「現在」「未来」を繋ぐ

「過去」「現在」「未来」と一通り書き出せたら、それぞれのページに記載された内容の中から、3つの時間軸をまたぐような共通項を見つけ出し、線で繋いでみます。
例えば・・・

1:多摩美グラフィックデザイン学科志望者

例1:多摩美グラフィックデザイン学科志望者

「過去」:子供の頃の夢は研究者になることだった。

「現在」:中高の研究課題で、人間の知覚に関する研究を5年間している。

「未来」:最小限の形で情報を伝えるピクトグラムについてもっと知りたい。

例2:武蔵美工芸工業デザイン学科志望者

例2:武蔵美工芸工業デザイン学科志望者

「過去」:学校での課外授業が好き。

「現在」:高校の課外授業で行った間伐作業がとても面白く、そこで出た木材の再利用方法などを調べている。

「未来」:廃材を再利用した知育玩具を作ってみたい。

例3:多摩美演劇舞踏デザイン学科劇場美術デザインコース志望者

例3:多摩美演劇舞踏デザイン学科劇場美術デザインコース志望者

「過去」:子供の頃から日本舞踊やダンスなどをやっている。

「現在」:演じるうちに、演出に興味が出てきた。

「未来」:演者からの視点で舞台美術を考えてみたい。

例4:多摩美工芸学科志望者

例4:多摩美工芸学科志望者

「過去」:工作が好き。

「現在」:キラキラしたりツルツルしたりザラザラだったり、そんな物の質感になんか興味を覚えている。

「未来」:素材が持っている様々な魅力を生かした作品を作りたい。

例5:東京造形大学グラフィックデザイン専攻領域志望者

例5:東京造形大学グラフィックデザイン専攻領域志望者

「過去」:ノートや教科書のあちこちに落書きをしてきた。

「現在」:グラフィックデザインが好きで
特に手書きで描かれたテイストのものが好き。

「未来」:手描きの柔らかい印象の線の表現方法を研究して、グラフィックデザインを作りたい。

例1〜例5は全てハマ美の生徒の具体例です。

「過去」から「未来」を繋ぐ線がアピールポイントになる

過去から未来にわたって、一貫してどんな興味で物事に触れてきたのか、また、発展させたいのか、「あなた」の視線:眼差しが見えてきましたか?そしてそれは、あなたが志望する専攻の研究領域と重なるはずです。

※重ならない場合は、選択した志望専攻が適当ではありませんのでもう一度しっかり調べましょう。

この「線」を見つけることが推薦入試対策の第一段階です。なぜならこの線が、あなたの自己アピールのポイントになるからです。明らかになったそのアピールポイントに沿って、「志望理由書」や「面接」での質疑内容、「提出資料」などを準備していきます。


「過去」「現在」「未来」を書き留めながら自己分析作業をすることが、推薦入試対策の事前準備としてとても重要ですので、自分をアピールするためにしっかりと考察を深めましょう。

最後に総合型選抜を受験した先輩からのアドバイスです。

ハマミ
自分の考えがまとめられてて、作品に対する愛情というか熱量、そんな想いが詰まっていたらどんな質問にだって自信を持って答えられる。
自分の考えをしっかり持って対応すれば大丈夫です。
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