STEP5「多摩美の推薦入試>クリエイティビティ テスト」

STEP2〜4では、実際にポートフォリオをどんなプロセスでまとめていったらよいかをお伝えしました。
一般入試とは明らかに評価基準が違いますので、何をどのように自己アピールするか、そのためにどんな準備をするかがポイントです。

推薦入試は大学専攻によって形式も内容もかなり異なっており、まとめ説明することが難しいので、まずは多摩美術大学の推薦入試からお話ししてきました。

そこでまた登場する難しい言葉が「クリエイティビティ テスト」。
これはグラフィックデザイン学科のみで課せられる試験科目の1つ。
グラフィックデザイン学科の推薦入試は他の専攻とやや異なっていて面接がありません。(他の専攻は「面接」もしくは「プレゼンテーション面接」があります。)
多摩グラには実技試験(鉛筆デッサン+色彩構成)の他に、この「クリエイティビティ テスト」があります。

推薦入試は直接本人に会って判断したいって言ってたじゃないですか!という声が聞こえてきそうですが、
グラフィックデザイン学科の先生が「これは紙上面接です。」とおっしゃっているように、事実上の面接試験の役割を担っていると考えていいようです。

さてそれはどういうことでしょうか?
過去2年の問題を振り返りながら考えていきましょう。

推薦入試が始まった初年度の試験問題は

A.あなたのビジュアル表現の才能とセンスを自由に見せてください。
B.卒業後、あなたはどんなデザイナーになりたいですか?100文字以上のテキストで表現しなさい。
A・B両方共、1枚のB3ボード前面の中に構成しなさい。

2017年度 グラフィックデザイン学科推薦入学試験

でした。
そして昨年は、

A.あなたが大好きなものをビジュアル表現してください。
B.あなたが大好きな表現者は誰ですか。その理由はなんですか。100文字以内のテキストで表現しなさい。
※表現者はアーチスト、デザイナー、写真家、映画監督、など自由です。大勢いる場合は、全員書いてください。
A・B両方共、1枚のB3ボード前面の中に表現しなさい。

2018年度 グラフィックデザイン学科推薦入学試験

です。

これを2時間の制作時間で行います。
毎年発行される入試ガイドの推薦入学試験選抜方針と採点基準には、

「クリエイティビティ テスト(スケッチ+テキスト)」は、与えられたテーマを通して、スッケチとテキストを用いて自己表現するものです。描く、書くことでテーマに応えることを通じて、各自が持つデザインに対する意欲と知識、そして感覚と個性のアピールを評価します。

また、

クリエイティビティ テスト(スケッチ+テキスト)
・デザインへの強い興味と学ぶことへの意欲を有するか

こう書かれています。

 

「デザインへの強い興味」は”A”の問題で、「学ぶことへの意欲」は”B”の問題で問うていると解釈できそうです。
Aでは、「あなた」がどんなものをキレイ、かっこいい、面白いと感じているのか、あなたのクリエイターとしての眼差しを見ようとしている、
Bでは、その興味の眼差しの”深さ”を判断しようとしている、
と私たちは考えてます。

実技力の有無を同時に課せられている試験科目のデッサンと色彩構成で判断し、「あなた」をこのクリエイティビティ テストで判断するとなると、確かに面接(紙上面接)と言えますね。

ちなみに、同時に課せられるデッサンと色彩構成は、完全に一般入試の採点基準と一緒です。
つまり推薦入試が行われる11月までに、2月に行われる一般入試の合格レベルに実技が達している必要があるのです。
う~ん、とても深いですね。さすがグラフ。

 

グラフィックデザイン学科の推薦入試は、なんとなくチャンスがあれば・・・的な取り組みではほぼ不可能です。
「クリエイティビティ テスト」に対しては、早急に優れたグラフィックデザインの資料を大量に集めて目を養うことと、グラフィックデザインに関しての考察を深めることが必要でしょう。何を期待してグラフィックデザインを多摩美で学びたいのか?どんな可能性を感じているのか?
「将来は、、、、う~ん、、、イラストレーターかなんかになれたら・・・。」ではダメですよ!

実技試験に対しては、このグラフィックデザイン学科の推薦入試を狙っている人は早く実技トレーニングを始めた方がいいです。高3からじゃ遅いです。3年生になって半年ちょっとで合格レベルに達するってかなり難しいですよ。

1、2年生のうちに早くhamabiの高1生・高2生科に入って経験を積んでください。うちのいわゆる基礎科は「はじめのうちは楽しくやりましょ~」的な感じじゃなく、現役合格のために早くから本気で取り組んでます。手前味噌ですが。

 

こう書いていると、なんだかとってもハードルが高いように感じてきますが(実際高いですけどね)、じつはこの推薦入試という制度で求められていることって、
非常に本質的な内容なんです!

グラフに限った話じゃありません。
学科と実技試験の合計点で合否が判定される一般入試と違って、「あなた」自身が見られているんですから。

「クリエイティビティ テスト」の合格者再現作品は、
Gallery→「デザイン工芸コース」にアップしていますのでご覧になりたい方はそちらをどうぞ。
https://e-s-w.com/gallery_designcrafts/