STEP12「女子美術大学の推薦入試」
女子美術大学が実施している推薦入試は「総合型選抜」と「学校推薦型選抜(公募制)」「学校推薦型選抜(指定校制)」の3通りの選抜方法です。学校推薦型選抜(指定校制)は高校と大学間での取り決めによって行われているので、ここではハマ美がサポートできる「総合型選抜」と「学校推薦型選抜(公募制)」について進めていきます。
Contents
総合型選抜
選考方法
では総合型選抜から確認していきましょう。選考方法は提出書類による「1次審査」と、体験プログラムと募集要項で公開されている課題等を持参して行う面接の「2次審査」によって選考されます。
出願時に提出した「書類」を基にした1回目の選考(1次審査)が行われ、これを通過した人が「2次審査」を受けられます。1次審査に合格しなければ2次審査に進めません。最終的に入学が許可される”合格”までに、2回の試験があるこの形式は、武蔵野美術大学の「総合型選抜[前期]」や東京造形大学の「総合型選抜(自己アピール)入試」と同じです。
1次審査
1次審査のための提出書類は調査書などの証明書のほかに
●志望理由書・活動報告書
●キャリアイメージシート(1,入学後に学びたいことを書いてください。2,将来の夢や目標、卒業後にしたいと思う活動などを書いてください。)
●自己アピール資料
の3つの書類の作成が必要です。
「志望理由書・活動報告書」と「キャリアイメージシート」は募集要項にある指定のものを使用しますが、「自己アピール資料」は表紙以外は自分で用意します。
3つとも別々の書類ですのでそれぞれ作成しますが、一つの大きな将来像を思い描きながらまとめて考えていくと良いと思います。「私は将来こんなことをやっていたい!」「こんな仕事につきたい!」→「そのためにはこんな力をつけたい!」「こんな経験をしたい!」→「〇〇学科△△専攻にはこんな授業やすごい先生がいて、まさに自分が目指す将来のための学ぶ環境が揃っている!!」という具合です。
2次審査
2次審査は、体験プログラムと課題等持参による面接を基に総合的に判定されます。事前課題に関する理解力や取り組み姿勢、コミュニケーション力、プレゼンテーション力、修学意欲、目的意識などが重視されます。
●体験プログラム
体験プログラムは、女子美のキャンパスに実際に行って、志望する専攻ごとに用意されている課題をやったり、ディスカッションをしたりするものです。受験した生徒たちの話を聞くと、先生や他の受験生と一緒にワイワイと楽しい時間のようです。学科専攻ごとにプログラム内容が違いますので、自分が志望する専攻の内容を募集要項で確認しておきましょう。
●面接
持参した事前課題作品(あらかじめ募集要項で公表されていて専攻ごとに内容が異なります)や当日実技体験がある専攻はそこで制作した作品などが、面接する教室に用意されていて、それらをもとにしながら面接が進められていきます。
学校推薦型選抜(公募制)
選考方法
学校推薦型選抜(公募制)の選考方法は、「専門試験」「提出書類」「面接」です。総合型選抜のように「1次審査」はありません。「提出書類」に中に、出身学校の推薦書が含まれています。
学校長が責任を持って推薦する方であり〜
女子美術大学 学校推薦型選抜(公募制) 学生募集要項より
と募集要項の出願資格に記載されていますので、この選抜方式での受験を考えている方は、積極的かつ模範的な高校生活を送っておくことが望ましいですね。
専門試験
専門試験とは鉛筆デッサンや静物着彩などの実技試験のことで、美術学科、デザイン・工芸学科、アート・デザイン表現学科で出題の仕方が違います。美術学科では全ての専攻別に課題が設定されているのに対して、デザイン・工芸学科、アート・デザイン表現学科は、専攻ごとの出題ではなく学科内で共通の試験問題を出題します。ただどの学科専攻でも、一般選抜と同様にしっかりとしたデッサン力が問われる問題が出題されています。
面接
面接ではまずコミュニケーション能力が見られます。問いかけに対してしっかりと自分の言葉で自分の考えを答えられるかどうか。ちょっとつっかえてしまったり、多少の言い間違いはかまいません。焦らずゆっくりと話しましょう。問いに対して、沈黙が続いたり、話しているうちに全然別の内容になってしまったりしては問題です。
また、面接時に持参した課題やその他の作品の制作意図を伝える必要があるので、自分の作品をプレゼンテーションをするつもりで事前準備ができると良いでしょう。
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まとめ
学校長推薦書の提出の有無、選考方法、一次審査の有無、実施している学科専攻を表にまとめました。
学校長の推薦書 | なし |
選考方法 | 提出書類による「1次審査」と体験プログラムと課題等を持参して行う面接の「2次審査」 |
1次審査 | あり |
※1次審査
1次審査→合格発表→1次審査を合格した人だけが2次審査を受ける→最終合格発表という試験方式。
実施している専攻 | 美術学科の専攻全て デザイン・工芸学科の専攻全て アート・デザイン表現学科の専攻全て |
学校長の推薦書 | 必要 |
選考方法 | 「専門試験」「提出書類」「面接」 |
1次審査 | なし |
実施している専攻 | 美術学科の専攻全て デザイン・工芸学科の専攻全て アート・デザイン表現学科の専攻全て |
合格者の声
H.I.さん(県立 横浜立野)
アートデザイン表現学科メディア表現領域
●総合型選抜
現役合格
「自信を持てるまで準備万タンにする」
とにかく自信が持てないタイプでしたが、最終的には書類も面接も自信を持って取り組むことができました。そのためにしたことは、自信を持てるぐらいまで詰めるということです。志望理由書が弱かったら徹底的に自己分析をし、面接が不安だったら思いつく限りの質問に対しての返答を考えたりすれば、少しずつ不安は減っていきます。
やるべきことが沢山あり、優先順位がわからなくなったら先生にアドバイスをもらいながら頑張ってください!
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K.H.さん(私立 白鵬女子)
アートデザイン表現学科メディア表現領域
●総合型選抜
現役合格
「準備が大切!」
今回の受験で、自信をもってしっかり準備することが大切だと思いました。また、自分が行きたい進路に沿った作品を早めに制作したり、オリジナル作品を多く作ったりする事が大切です。
まだ先だと安堵しているとすぐに試験日が来ます。作品を準備していれば面接対策も早く出来ます。ハマ美の先生に相談を沢山して下さい。とてもためになります。
皆さんも自信を持って試験に取り組んで下さい。努力は報われます!
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S.A.さん(県立 港北)
アート・デザイン表現学科
メディア表現領域
●総合型選抜
現役合格
「時間は有意義に使おう」
私は他の人よりスタートダッシュが遅かったため、志望理由書や自己PRシートなどの提出物をかなり焦って制作していました。ですが、そんな中でもアドバイスに添いつつ、一つひとつ手を抜かず制作したことが合格につながったのではないかと思います。また面接練習でも暇な時間に内容を反芻することで、本番でもあまり緊張せず臨むことができました。
焦りすぎず、今ある時間を有意義に使うことができれば合格に近づけると思います!!
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Y.K.さん(県立 城郷)
デザイン・工芸学科
ビジュアルデザイン専攻
●総合型選抜
現役合格
「時間配分に気をつけて~!」
受験で一番苦労したことは時間です。私は自主制作や事前課題で何をやるか決めるまでにすごく時間がかかり、制作期間がとても短くなってしまいました。時間に余裕があればどんどんより良い作品が作れると思うので、時間配分を自分がよく分かっておくためにしっかりとタイムスケジュールを立てることがとても重要だと思います。
本番ギリギリではなく、少し早めには完成していた方が心にも余裕が持て、面接などの準備もしやすくなります。
あとは楽しんでやる!
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O.M.さん(私立 トキワ松)
アート・デザイン表現学科
ヒーリング表現領域
●総合型選抜
現役合格
「日々の積み重ね」
私は高校の美術デザインコースや個人でコンクールに沢山挑戦し受賞してきたので、自己アピールシートやポートフォリオに多くの作品が載せられました。また、事前課題1、2の制作やプレゼン練習、面接などハマ美の先生が優しくわかりやすくアドバイスしてくださったので安心して受験できました。
作品を仕上げるのに多くの時間が必要で、思考錯誤しながら自分が納得するまでやり切るには、体力が要り、苦労しましたが、最後まで気を抜かず頑張った甲斐がありました。
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N.R.さん(私立 横浜デザイン学院)
アート・デザイン表現学科
ヒーリング表現領域
●総合型選抜
現役合格
「諦めない気持ち」
私はとても緊張しやすいタイプだったので面接やプレゼンテーションに苦戦しました。ですが、先生方にアドバイスをしていただき何度も練習を重ねていくうちに少しずつ話せるようになり、当日も落ち着いて試験に挑むことができました。
先生方が最後まで支えてくださったお陰で合格することができたので本当に感謝しています。
苦手なことでも根気強く取り組むことによって乗り越えられると思うので、諦めない気持ちが大切です。
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S.T.さん(県立 瀬谷)
アート・デザイン表現学科
ヒーリング専攻領域
●総合型選抜
現役合格
「経験」
私が合格できたのは、ハマ美の先生方の言葉や両親の支えがある、環境の良さが大きかったと思います。そして、心から進学したいと思える大学を選んで、試験内容の意味や必要さを理解し、楽しみながら受験準備に取り組めたから、精神的に安定しベストを尽くせました。
総合型選抜はやる事が様々にあって忙しいですが、それだけ充実した日々になると思います。
あとは好きなものをたくさん見つけてください!自分をよく知ってください!
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Y.R.さん(県立鶴見)
アート・デザイン表現学科
メディア表現領域
●総合型選抜
現役合格
「これまでの積み重ねが力に」
私がハマ美に行き始めたのは3年になってからでした。スタートとしてはかなり遅かったかもしれません。
デッサン力は最初は特にありませんでしたし、デッサン力での受験では厳しかったように思います。しかし、志望する学部にあったツールを使ったイラストを今まで描いてきたので、多くポートフォリオに載せることができたり、今までに培ったスキルに、先生方からのアドバイスもあって総合型選抜で受かることが出来ました。
ポートフォリオも課題も、先生にアドバイスを貰う前と後では大きく変わったので、先生の助力なしでは合格できなかったと思います。
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