油絵の表現研究 1/2

絵画の表現は多岐にわたっていますが、自分に合った表現は経験や知識など絵に携わる中から見つけ出していくものです。簡単ではないですが粘り強くチャレンジしていきましょう。
今回は下地づくりから異なる4種のプロセスで描いた作品を紹介する2回のうちの第1段。みんなの絵づくりの参考になるといいですね。

下地制作

下記の4種類の下地をつくって、そこに絵を描いていきます。まずはそれぞれの下地づくりの方法を紹介します。

①アクリル絵具(モデリングペースト)の下地

はじめに①の下地作り
油画ではスタンダードな下地ですが使用素材は色々あり、古くは、白亜地(チタニウムホワイト、炭酸カルシウムを膠で溶いたもの)、エマルジョン地(チタニウムホワイト、炭酸カルシウムに膠、リンシードオイル等を混ぜたもの)などで作られていて、今でもこの素材を好んで使用している絵描きは多いです。

キャンバス生地に入れ込むようにペインティングナイフで擦りこみます。塗りムラができないように、この工程を2回3回と繰り返します。

キャンバス目が消えツルツルの画面の出来上がりです。

その上から、ウルトラマリン(群青色)とバーントアンバー(濃い茶色)を混ぜた絵の具を希釈し画面に薄く塗布します。後に、絵の具が垂れてできた偶然の表情を利用して描く予定なので、細かいことは気にせず絵の具を薄塗りし、

①の下地は完成です。

②アクリル絵の具と油絵の具の下地

次に、アクリル絵の具と油絵の具でガサガサに下地を作ります。
有彩色のアクリル絵の具を使用し、ガサガサになるようペインティングナイフで塗ります。”塗る”というより絵の具を置いていく感じでマチエール(絵肌)を表現します。

このように複数の絵具を使用していきます。かなり表現の自由度は高いですね。
厚塗りなのでこのままだと乾きが遅くなりますが、水溶性なのでドライヤーで乾かせます。乾燥後は耐水性になるので作業効率が良いのがアクリル絵の具の特徴です。

アクリル絵の具はここまで、ここから油絵の具を使用していきます。今回使用するオイルは、テレピン(溶き油)、パンドル(描画ワニス)を使用します。

2色の茶系絵具を混ぜ合わせ、溶き油(テレピンに対してそれより少量のパンドルを混ぜる)で希釈しま す。アクリル絵の具で描いた上から希釈した油絵具で薄塗りしていきます。

アクリル絵の具の上に油絵具を重ねるのは良いのですが、その逆はアクリル絵具が剥がれるので注意が必要です。

絵の具の物質感を強めるため油絵の具に砂を混ぜ、ペインティングナイフで画面にしっかりと絵の具をつけていきます。

これで②のガサガサした下地の完成です。とても物質感の強い下地です。 

③アクリル絵の具1色の下地

ここではムラなくキャンバス地を残しながら丁寧に塗っていきます。 使用している絵具はアクリル絵具の黒です。これで③の下地は完成です。一色塗っただけなので下地としては簡単ですね。

④油絵の具1色の下地

油絵具1色を直接キャンバスに塗ります。④の下地は直接キャンバスに油絵の具のローシェンナ(茶色)を画面に薄塗りするだけです。 こちらも③同様作業は早く済みます。

さあ、これで4種の異なる下地ができました。いよいよ次回はここに絵を描いていきます。油絵具の表現研究 2/2をお楽しみに。