リボンを持つ手のデッサン:制作プロセス

デッサンの描き方

こんにちは!基礎科です。

前回の基礎科の実技模試は、配布モチーフと手の構成デッサンでした。(実技模試の詳細はこちらの記事から。優秀作品が見れます。)

今回の記事では、講師による同課題の制作プロセスを紹介しようと思います!

さっそく描き出しから見てみましょう◎

①モチーフの観察をし、構図を選ぶ。

今回の配布モチーフは、トリコロールのリボンでした。まずは実際に触って、重さや動きなど、モチーフの「らしさ」を観察します。今回の絵では、指でつまむことでリボンの薄さを表し、くるりとひるがえる様子から軽さや張りを見せています。

そして手を大きく、リボンは部分的に入れることで、描くところを絞っていますね。手やモチーフの登場の仕方は自由で、あらゆる選択肢があります。1番かっこいい、美しいと思えるシチュエーション、アングルを選びましょう。

②光と影で、立体感を表現する。

光源を決め、影を描きます。影をおくことにより立体感が出てきます。手のデッサンでは、柔らかい表情を描くことももちろん大切ですが、複雑な形を複雑なまま描くのではなく、水平と垂直を見つけて、形を整理することが必要です。手のなかに床や壁をつくるようなイメージでしょうか。

③固有色は思い切って塗る。

今回のモチーフは、トリコロールの3色が特徴的です。それぞれの色彩を表すようにしっかり塗り分けます。ここで思い切った黒さを置くと、絵がくっきりはっきりと見えてきます。手の有機的な表情とは対照的に、均一な太さや裏表で模様がリンクしていることなど、リボンには工業製品としての特徴があります。構造を理解して描きましょう。

④最後まで、大きく見る視点と、細かく見る視点の両方を持つ。

ここで2つ変化が起きました。ひとつ目は、キメの描写です。手の動きによって、皮膚は伸びたり縮んだりするわけですが、その細部の変化まで描き詰めることで、とても自然な手になりました。

ふたつ目は壁が登場したことです。制作を進めるうちに、右の空間が少し空いているように感じてきたので、バランスを取ったんですね。制作終盤では細部を描くために目が絵に近くなりがちですが、身体を引いて画面全体を見る大きい視点を持っていると、より良いほうへ動かしていくことができます。

いかがでしたか?

実技模試の解答例として、講師も同じ課題に取り組みました。参考になったでしょうか?良いところはどんどん真似て、活かしてくださいね!