第8課題 色彩構成のプランニング:復習
課題:色彩構成
鉛筆をモチーフとし、自由に色彩構成をしなさい。
条件
①B3の中央に30×40㎝の枠を取り、その内側を画面とし、画面は横長で使用すること。
②塗りはベタ塗りのみとし、にじみ、かすれ、ぼかしは禁止とする。
③画面内は全て着色し、白色に見せたい場合は白色の絵具を塗ること。
④画面内でのモチーフの数は自由とし、扱いも自由とする。サイズ・・・B3
紙・・・ケント紙orそれに似た紙
描画材・・・アクリルガッシュ

画面・・・縦30×横40㎝
位置・・・横位置

色彩構成のプランニングは明度計画がポイント

基礎トレーニング1・2を経て、いよいよ実践的な課題に移行していきます。今回の課題は、「鉛筆」を具体的なモチーフにした色彩構成です。

課題の流れ
基礎トレ1

明暗
基礎トレ2

明暗によるレイヤー表現
色彩構成

今回の課題

デッサン同様に、色彩構成の課題にも流れがあります。基礎トレーニング1・2は、色を明度で捉えることを主眼に行ってきました。明度をコントロールした結果、色彩の表現方法の一つであるレイヤー表現を獲得できました。
さて今回は、これまで口うるさく言ってきた明度を使って、平面系・立体系・空間系に即したアプローチで色彩構成を行います。また、その具体例をあげていきますので、是非参考にしてみてください。

平面、立体、空間系色彩構成のプランニング

同じ鉛筆というモチーフで、同じ色を使った作品でも、アプローチを変えることで様々な色彩構成の表現が可能です。ここでは、平面(グラフィック)、 立体(プロダクト、工デ)、空間(空間演出)とデザインの各専攻を意識したアプローチ例と、明度計画と合わせて紹介します。

平面的アプローチ

第2課題レイヤーの課題的なアプローチです。モチーフはあくまでも図形として扱い、画面の中でバランスをとることを大事にします。ここでは、レイヤ ー表現による色彩の効果を加え作品にアクセントをつけています。明度計画では白と黒の面積対比を意識し、この段階でモチーフが伝わることも確認しましょう。

立体的アプローチ

デッサン的アプローチで、モチーフに光が当たった時の明暗を明度計画のベースとし、モチーフの形を立体的に表現しているアプローチ。明度と色相のグ ルーピングを明快にすることで画面の中で形が認識しやすくなっています。明度計画では、日向と日陰をできるだけ明快に意識して、この段階で、モチー フの大まかな形が見えてくることと、光の方向性を感じられるかがポイントです。

空間的アプローチ

床を設定し、手前、奥の空間を設定することで、画面の中に空間的演出を作り上げている構成です。立体的アプローチと同じように、光を意識しデッサン的にモチーフを捉え、床の影を効果的に使うことで、より空間に対する興味をアピールしています。明度計画では、床に落ちる影を含め、光を意識して構成をしましょう。