デザイン工芸コース「アトリエトーク2018」

デザイン工芸私大コースでは、前期授業の最終日の特別イベントとして、ハマ美から難関美大のデザイン科へ進学を果たした卒業生を招いてのアトリエトークが開かれました。

今回参加くださった先輩は、
O.M.さん(武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科)、T.Y.さん(多摩美術大学グラフィクデザイン学科)、G.M.さん(武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科)、T.N.さん(多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻)、H.K.さん(多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻)、N.R.さん(多摩美術大学統合デザイン学科)の6名のみなさんです。

先輩たちの進路の決め方、受験時代の苦労話、今の受験生に向けたアドバイスなどなど、美大受験に役立つ情報が沢山!モチベーションアップにも繋がったのではないでしょうか。その内容の一部をご紹介します!

"居心地が良いところでなら四年間頑張れる

志望校を決めたのはいつ頃でしたか?
G.M.さん 私は漠然とデザイン科に入りたいと思っていて、志望校が決まったのは高2の冬くらいです。武蔵美の視覚伝達デザインとか多摩美のグラフィックデザインとか、どっちかには必ず入りたいと思っていました。デザインを勉強しに美大に入る、それが目標でした。

O.M.さん 自分が受験生だった時のこのアトリエトークを聴いた頃から、武蔵美の視覚伝達デザインに行きたいと思っていました。四年間勉強する所だから、やっぱり違うなって思いながら通いたくないなと。だから、高2の頃にオープンキャンパスに行った時に実際に施設を見て、ここでは何ができるのかをイメージして決めるようにしました。

T.Y.さん 私は志望校を決めたのが早かったです。ハマ美には高1から通っていたんですけど、まず学校で進路のこと考えておくように言われて、もうそんな時期かと。それで美術系進路が気になってるって母に話したら、絶対ダメ!断固拒否!みたいな感じだったんで、あ〜これはやったるぞって思って(笑)それを父に言うと、納得させるようなことを自分で色々調べてみろって言ってくれて。お、優しいって思って。その後、多摩美・武蔵美のことを知って、ここに入るにはどうすればいいのかを調べて母に言ったら、じゃあ絶対に受かれって言われました(笑)

H.K.さん 私も高2でハマ美に入って、漠然とデザインだと思ってました。じつは私の姉は多摩美のグラフィックでした。その流れで何となく私もグラフィックかなと。それを姉に話したら、本当にグラフィック行きたいの?って言われて、その時に説明ができなかったんです。もう一度考えようと思いました。姉が美大ということもあって美大のオープンキャンパスには行っていたので雰囲気は知っていました。でも自分が何やりたいかとかはあんまり考えずに見てて。だから改めて、自分にとって自然かどうかや居心地の良さを優先して考えてみたんです。居心地が良いところでなら四年間頑張れる、というのが私の基準でした。

T.N.さん 私はそもそも小さい時から美大に行きたいと思ってました。親に反対もされずに美大受験は決まりました。デザイン科に行きたいというのも、将来は雑貨や文房具系を作りたいというのも決まっていて、多摩美のプロダクトを志望するのも早々に決まりました。迷った時期もありましたが、決め手となったのは学校の雰囲気です。オープンキャンパスに行った時、ワークショップや学科内が盛り上がってて、学年問わず仲が良いのを見て、ここの雰囲気良いなと。

"グラフィックデザインってこういうことかって気づきました。

Q 受験時代の制作や過ごし方について教えて下さい。
N.R.さん 私は受験時代あまり苦しいと思ったことなくて、楽しくやれてました。私が思ってたのは、自分のアベレージをどこまで上げられるかっていうことです。私は絵に自信が無いし勉強もできるわけじゃなかったので、どうしようって焦りがちだったんですけど、落ち着いて自分ができることを一つ一つクリアしていこうと思って、自分の弱点をメモしたものをデッサン用具入れやスケッチブックに貼って、必ず課題の終わりにチェックしてました。あと、自分の描いたデッサンと先生に加筆してもらった作品を比べて、どこができてないのかを見たり。

T.N.さん 私は高3からハマ美に入りました。みんなより遅かったし基礎もなかったので、実技と学科両方同時にやらなきゃいけなくて最初はすごく焦りました。次第に友達ができて居やすい環境になったら、講評で同じ志望校の子に「どうしたらもっと立体感が出るかなぁ」って上手い子に相談してました。描く枚数もみんなと比べて少なかったので、個人で描いて先生に提出して見てもらったり。夏期講習では、浪人生の後ろの席を陣取って、どういうやり方だと上手く早く描けるのかを盗み見してました。

O.M.さん 私は結構スロースターターでマイペースで。でも受験間近になってくるとみんな上手くなってきて、焦りました。それまでは自分の使いたい色や描きたいものを描きがちだったんですが、受験に受かるための絵を描こうと。なので過去に先生に「これ良いじゃん」って言われた作品をブラッシュアップしました。講評後にはさらに講師室にまで持って行きました。色々アドバイスがいただけるのでその通り着実にやっていきました。

G.M.さん 受験期に私がやっていたのは、常にプロの作品を見ること。プロのグラフィック作品を見ろっていうのはみなさん授業で言われてると思います。私も多摩美の過去問「FACE」がテーマの課題で、クラスメイトが色々な写真や絵画やグラフィックデザインを見ていて、「FACE」に合うと思った作品を参考にしながら作りましたって言っていて。先生が「そうそう、それがグラフィックデザインだよね」っておっしゃっていて。あ、グラフィックデザインってこういうことかって気づきました。課題に慣れすぎてそんなことも考えられなくなっていました。考えてみれば、美大に行きたいのはデザインをやりたいからなんですよね。デザインをやりたいなら、プロの仕事をたくさん見るべきだと。受験で使う表現方法には透明効果とか点描とかいろいろあります。でも使うことにちゃんと意味がないと作品の味になっていきませんから、やはり多くの作品を見るのは大事だと思います。

H.K.さん 私は受験生の時にアトリエトークを聞いてて、私だったらどう喋るかなっていうのをずっと考えていました。アトリエトークで話す美大生は、受験生の時から問題意識が明確で、自分の短所・長所を意識してるなと。だからアトリエトークで喋れるくらいになれば良いんじゃないかって思ってたんですよ。つまり意識的にものを見るということです。受験期はとにかく、自分の学科の点数をいつかの年の合格最低点から引いたら実技は何点取らなきゃいけないみたいに数字で考えていました。あとは描くたびに、一個一個目標とか問題を更新していくイメージでやっていました。自分のやることは全てあとから説明できるように。そうするとアトリエトークに出れます(笑)。もし落ちても、アトリエトークで喋れるくらい理由があれば納得できるなって思うんです。

"普通では考えられないくらい恵まれた環境

Q 実際大学に入ってみて、意外だったことはありますか?
G.M.さん 視覚伝達デザインに入って変わったなって思ったのは、最初は技術的なところを突き詰めるのかなと思ってたんですけど、むしろデザイン的な思考というか、「考え方」のほうが授業の基軸になっていました。授業では作品自体よりもプロセスが重視されていて、そこをどれだけ突き詰められたか、みたいなところを見られます。

H.K.さん 意外だなと思ったのは、多摩美のテキスタイルのイメージは、カラフルな感じで、柄とか模様考えて、最終的にファッションとかインテリアなどのテキスタイルデザイナーになる人がほとんどだろうなと思っていたら、布を学んでグラフィックデザイナーになったり、漫画家やアートディレクターになる人がいたこと。布をずっと扱ってきたけど、最終的には布の「見せ方」の楽しさを追求するとか、全然違う方向に進む可能性があることに驚きました。それと、テキスタイルはカラフルで可愛らしいイメージだと思って入学したんですが、作品で黒しか使わない人や服まで黒ずくめの人もいます。グラフィックデザイン希望だったけどテキスタイルに来たって人もいます。そういう子も、グラフィックデザイン志望だったからこその思考があって、幅広いです。学年が上がって例えばテキスタイルだと作品撮影のために写真が得意な人に手伝ってもらったり、逆に他の学科の課題で色々頼まれたりとか、いろんな学科と繋がることもできます。

N.R.さん 私は入学後に驚いたのは教授陣の豪華さです。受験期は美大に憧れて、受かることにまっしぐらだったので、有名なデザイナーを実はあまり知らなくて。だから入ってから色々知ると統合デザインは教授が本当に豪華だと感じます。デザインの本を読んでいたら、その本の作者が普通にそこでご飯食べてるみたいな(笑)。直接デザイナーに教わることができて質問もできるし、そういう環境に身を置けてることが普通では考えられないくらい恵まれてると思います。

”一個一個を大切に

Q 学科に関してどんな風に準備をしていましたか?
T.N.さん 学科に関しては、英語の先生がよくプリントをくれるんですけど、あれを毎回やり直してファイルにまとめていつでも見返せるようにしてました。

N.R.さん 私もです。本当によく試験に出るので。だから私は家ではあまり勉強せずに済みました。それだけ学科の授業内でやる内容で十分足りていたっていうのがあって、空き時間に単語見るくらいで、受験前日の夜とか試験直前に今まで配られたプリント見るだけでも受験の準備になりました。

H.K.さん 私は週に一回過去問を解くとか、スケジュール管理を重視してました。一個一個を大切にして、ここ間違えたら次に活かすとか、復習するといいと思います。私の場合は単語帳と過去問をとにかく大切にしてました。何か一個を集中的にやるのは大事です。

"不安になったら自分がやって来たことを見返すことが一番いいなと思います。

Q 受験時代のこだわりやルールなどはありましたか?
O.M.さん 私はよく先生に「早く美大生になっておしゃれなカフェで○acBookパチパチした〜い!」って言ってました(笑)とにかく美大生になった時のイメージをしてモチベーションを保ってました。あと、オンオフをはっきりしたかったので、家では絶対に勉強しないと決めてました。だから家に帰ったらベッドにダイブ!(笑)

T.Y.さん 私もオンオフははっきり派です。趣味の合う友達と1日だけ遊びに行き、休み時間はよく休み、制作は時間めいっぱいやる。あと、時間配分は気にしてました。何時までに下描き、何時までに色ぬり、何時までに終わらせるとか、そのあとに手直しの時間もあるしとか。そうすると徐々に気持ちに余裕がでてくるんです。

G.M.さん 私が高校生の時に聞いたアトリエトークで言われてたんです。「受験直前に伸びる!」と。でもその時はそんなのわからないんですが、実際ほんとに伸びました。12月から1月。ほんとに。だから私はデッサンも色彩もハマ美の参考作品にならなかったけど、それでも実際の試験では満点がもらえました。やることをやる、それで自分に自信がついたらきっと本番もいけます!

H.K.さん 私も入試直前に伸びると思います。私は、絵の隅に”あと何枚”って書いてカウントダウンしてたんですけど、試験10日前にめちゃめちゃ最高だなって時期が来て、そのあと、直前はあれ最高な時期過ぎちゃったなとか(笑)とにかく入試直前までに、みんな一年やっているだけあって伸びるチャンスはあります。私は参考作品とよく比較してライバルみたいにしてました。入試直前になると、やっぱこの参考作品と戦わなきゃいけないみたいな、こいつに勝つ!みたいな気持ちでやってました。勝手にそういったライバルを設定して自分を奮わせました。

T.N.さん 私は自分がいつもやっちゃうクセや、直した方がいいことを書いて、鉛筆入れとかに貼って、制作の途中でそれを確認してました。

N.R.さん 私も、まず不安になったら自分がやって来たことを見返すことが一番いいなと思います。あとは、受験が近づいてくると特になんですけど、私は毎日来るってことを大事にしてました。学校とかで遅れて、あと一時間しか描く時間がないってわかってたとしても、毎日来るようにしてました。

先輩たちの経験とアドバイスを生かして、私たちもこの先の受験期を乗り越えていきましょう!きっと自信に繋げることができるはず。卒業生の皆さん、貴重なお話をありがとうございました。