「美大の推薦入試・面接」
美大の推薦入試にチャレンジしたい受験生を応援するこの推薦入試BLOG、STEP7の今回の内容は「面接」についてです。一般選抜にはなく、推薦入試には必ずと言っていいほど課せられる選考科目がこの「面接」です。一体どんなところにポイントがあるのでしょうか。
面接の意味
推薦入試にはなぜ「面接」が課せられているのでしょう?そこには一般選抜とは違った評価基準を設けている推薦入試ならではの特徴があらわれています。
一般選抜と推薦の評価基準の違い
一般選抜の選考方法は「実技」と「学科」の2つの選考科目が一般的です。「実技」とは、鉛筆や木炭で描くデッサンや、油絵具で描く油絵、アクリル絵の具を使った色彩構成など、”絵”を描く試験を指します。実技と学科それぞれ点数化され、合格基準点を満たす実技力と学科力が備わっているかどうかで合否が判定されます。
一方推薦入試の選考方法は、「提出書類※1」「実技試験※2」「面接」などで、それらをもとにその人の適性を見て総合的に合否が判定されます。このように評価の方法や基準が大きく異なっているのです。
課せられている選考科目を比較すると様々な違いがありますが、1番の大きく決定的な違いは「面接」が推薦入試にはあることです。なぜなら、一般選抜では見ることができない可能性のある人材を、”直接”見て判断するためのものだからです。適性を見て総合的に合否が判定される推薦入試ならではの選考科目と言えるでしょう。
※1.志望理由書、履歴書など。学校長の推薦書や、これまでの実績を示す作品資料などが必要な専攻もあります。
※2.一般選抜の「実技」に近い試験内容や、模擬授業のような体験プログラム、プレゼンテーション、また実技試験を課さないなど、大学専攻によって様々です。
面接の時間・内容
面接の時間は5分から10分ぐらいが一般的です。質問の内容は、志望理由書や履歴書、作品資料などの事前提出資料がある場合はそれらから、当日に実技試験がある場合はその作品についても質問があります。実際に面接で聞かれた内容をいくつか紹介します。
- 志望理由書をお聞かせください。
- 大学で学びたいことはなんですか?
- 好きなアーティストやデザイナーはいますか?
- 将来どんなデザイナー、アーティストになりたいですか?
- オープンキャンパスなどには訪れたことはありますか?何が一番印象に残ってますか?
- 高校生活で得たもの、一番記憶に残っていることはなんですか?
よく聞かれる質問ですので、自分の言葉でしっかり答えられるように準備しておきましょう。
次は、もう少し突っ込んだ内容の質問も紹介します。
- どの辺りがこの作品のコンセプトの風の流れなのか説明してください。(試験で作った立体作品についての質問)
- ゲームのどんなところに感動したのか?(志望理由書にゲームクリエイターになりたいと記載したことへの質問)
- ポートフォリオに掲載してある作品から2つを選んでプレゼンしてください。(提出書類にポートフォリオがある専攻)
- 今後の未来・世界についての持論を述べてください。(デザイン科専攻)
- デッサンと小論文の感想を言ってみてください。(鉛筆デッサンと小論文に実技試験がある専攻)
- デザインについてあなたの考えを述べてください。(デザイン科専攻)
面接官の人数
受験生1人に対して、面接官は3人から10人ぐらいが一般的です。例外的には受験生3人に面接官10人のグループ面接を行っている専攻もあります。ドアを開けると20人の先生が待ち構えていた大学専攻もありましたが、こちらもかなり例外です。
でもさぞかし緊張したことでしょうね。そんな事があってから、面接指導の際に「20人ぐらい先生がいるかもよ!実際入ってみて3人だったら、ちょっと落ち着くでしょ。」って言うことにしています。
面接シーン
出願の際に提出した志望理由書やポートフォリオなどの資料は、すでに先生方が目を通しており机上に揃っています。また実技試験がある場合は、制作したその作品が面接会場にあります。
ふむふむ。さあいよいよご本人との対面だ!
”失礼します。受験番号〇〇番。横浜ハマミです。よろしくお願いします!”
緊張して入室してきたハマミさんに、こんな質問が投げかけられます。
・志望理由をお聞かせください。
・持参してきてくれた作品はどれくらいの時間をかけて作ったんですか?
・これを制作しようと思ったきっかけはなんですか?
などなど・・・
いきなり???
あなたをもっと知ろうとかなり突っ込んだ質問が飛んできます。ただでさえ緊張するのに、さらに不安になるかもしれませんが、しっかりと準備をしておけば大丈夫です。ゆっくりと自分の言葉で答えてください。
「あっという間に終わっちゃった」「言いたいことが緊張してうまく言えなかった・・・。」「先生と話が盛り上がって楽しかった」などなど、いろいろな感想を聞きますが、「胸を張って自信満々風に見せておくと良いと思います。」と受験した生徒からアドバイスがありました。
まとめ
ハマミさんは志望している専攻の研究領域にとってもとっても興味があります。どうしてもこの大学のこの専攻に入りたくて推薦入試を受験しました。この熱い想いを伝えるために、しっかりと自分の考えをまとめ上げ、何度も書き直したり作り直したりしながら、志望理由書や持参作品にその思いを込めました。そうやってハマミさんは自分をアピールします。
大学の先生は、本当に興味があって、バイタリティの高い、可能性を秘めた学生が欲しい。直接会って資質を確かめたい。
その確認の場が面接です。
最後にもう一つ、面接試験を体験した実際の生徒からのアドバイスを紹介して、面接のポイントとさせてもらいます。
かなり鋭く質問が飛んでくることもあるけど、作品に対する自分の考えをしっかり持って対応すれば大丈夫です。