STEP11「東京造形大学の推薦入試」
東京造形大学が実施している推薦入試は「学校推薦型選抜(指定校制)入試」と「総合型選抜(自己アピール)入試」の二通りの選抜方法です。
Contents
学校推薦型選抜(指定校制)入試
学校推薦型選抜(指定校制)入試は、本学が指定校として選定した高等学校校長が、本学の入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に相応しい人材を推薦する制度です。選考方法は、出願書類に基づく書類審査と面接選考を総合的に判定し、合格者を決定します。
東京造形大学HPより
「学校推薦型選抜(指定校制)入試」について、東京造形大学は上記のように説明しています。
この「学校推薦型選抜(指定校制)入試」のポイントは、在籍する高校が造形大学の指定校として選出されているかどうか、さらに、高校の学校長があなたを推薦してくれるかという2点になります。
大学と高校との信頼関係で成り立っている制度ですので、高校生活の上で模範生である必要があると思います。勉学の取り組み姿勢や出席状況、部活動や行事への積極的な参加等、造形大学の指定校推薦を考えている人は意識して高校生活を送りましょう。
総合型選抜(自己アピール)入試
多摩美や武蔵美は専攻によって様々な形式の推薦入試を行なっていますので、包括的に捉えることがなかなか難しいのですが、東京造形大学の総合型選抜(自己アピール)入試は、全専攻領域で同じ方式を採用しているのでとてもシンプルです。
選考方法は、「書類審査」と「プレゼンテーション選考」の2つです。
出願時に提出した「書類」を基に一次選考が行われ、一次選考に通過した人が「プレゼンテーション選考」を受けられます。一次選考に合格しなければ二次選考のプレゼンテーション選考に進めません。最終的に入学が許可される”合格”までに、2回の試験があるこの形式は、武蔵野美術大学の「総合型選抜[前期]」と同じです。「書類審査」にはポートフォリオが含まれており、その作成要領がかなり具体的に指示されているのが特徴です。
ポートフォリオ資料区分
デザイン・美術に関する基礎的能力を示す以下のような資料
・デッサン、クロッキー、平面構成、立体構成、ドローイング、油彩画、水彩画、版画、彫刻、塑像、工芸、写真、映像、CG、アニメーションなど
志望する専攻領域と関連した能力や実績を示す以下のような資料
・自主的にテーマや課題を掲げ制作した作品など、自分の能力をアピールするための作品
・継続して取り組んでいる創作活動や制作物
・創作活動や制作物のコンセプトやプロセスをまとめた資料(エスキース、絵コンテ、脚本、調査研究資料なども含む)
上記(A)基礎的能力を示す資料、(B)専門的能力を示す資料以外で、自分の能力や活動の実績をアピール する資料
・学校内や地域社会での共同制作、文化祭や学校行事などでの創作活動の資料
・部活動やその他の活動についての資料
・資格・検定などの認定証、展覧会・コンクール・大会などの賞状や参加状況がわかるパンフレットなどの資料
この3つの区分から2つ以上を組み合わせてファイルを作るよう指定されています。ハマ美の受験生は、区分(A)と区分(B)を組み合わせて作った人がほとんどです。
区分(A)に予備校で描いたデッサンや色彩構成の作品をまとめ、区分(B)に自己アピールのための資料をまとめていました。この区分にはしっかりと時間を割いて、ページにもボリュームを割いて制作しています。区分(C)は、該当するものがあれば入れ込んでいますが、この区分を記入できる生徒を多く見かけたことはありません。区分(B)の自己アピールのための資料制作については、STEP2「ポートフォリオ制作1」からSTEP4で説明してますので、興味がある方はリンクを貼っておきますのでご覧ください。
書類審査が通れば二次試験と言える「プレゼンテーション選考」に進みます。
プレゼンテーション選考対象者は、5分程度で自己アピールし、その後、質疑応答を行います。プレゼンテーションのために資料・作品等を持ち込むことも可能ですが、その際は自力で搬入・搬出ができるものにしてください。
東京造形大学HPより
とあります。
自分の興味をしっかりと自己アピールできる機会ですから、プレゼンテーションのための作品を制作して持って行くと良いでしょう。
また出願からこの「プレゼンテーション選考」までに約2ヶ月弱の時間があります。もうひと押し自己アピールするための作品制作のためにこの時間を使うといいでしょう。
造形大学の総合型(自己アピール)選抜で忘れてはいけないのは、大学がこの入試に向けて手厚くサポートしてくれる点です。この推薦入試BLOGでお伝えしているように、聞いたこともないような用語が結構ありますし、どうしたらいいかわからないことが多いと思うのです。
そのために6月に(例年だとこの時期です)、直接先生方からアドバイスを受けられる機会が設けられています。これは受験生にとっては嬉しいですよね。
詳しい日時は東京造形大学のホームページをチェックして見てください。
まとめ
学校長の推薦書 | 必要 |
学校長の推薦書 | なし |
一次選考 | あり |
実施している専攻領域 | グラフィックデザイン 写真 映画・映像 アニメーション メディアデザイン 室内建築 インダストリアルデザイン テキスタイルデザイン 絵画 彫刻 |
合格者の声
K.H.さん(県立 岸根)
グラフィックデザイン専攻領域
●総合型選抜(自己アピール入試)
現役合格
「最終決定は自分でしかできない!」
とにかくがむしゃらにやる事を探していました。何をいつまでにやる、後回しにしてしまう性格なので気を付けていました。
受験期には決めなきゃいけない事が多すぎて不安になったり、悩んだり、沢山しましたが、それが正解だと今は思えます。
アドバイスはすごく大切にしていて、素直に受け止めることが大事だと思います。でも、自分の芯や曲げたくない事を忘れず、他人に求められる自分になりすぎない!自分を大切にして下さい。
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S.A.さん(私立 横須賀学院)
室内建築専攻領域
●総合型選抜(自己アピール入試)
現役合格
「行きたいと思う学校」
私はより行きたいと思う学校に高3の夏休み直前に出会い、急遽志望校を変更しました。受験方法も変更して挑むことになり、前倒しになった受験日までの限られた時間の中で、急いでポートフォリオを作成せねばならず、最初は何が正解かもわからず焦ったり不安な気持ちが大きかったです。
そんな中、先生方の熱心かつ的確なアドバイスの下、良い作品を作ることができ、励みなる数々の言葉のおかげで自信を持って2次試験にも挑めました。
最後まで寄り添ってくれた先生には感謝しかありません!
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M.T.さん(私立 芝浦工業大学附属)
アニメーション専攻領域
●総合型選抜(自己アピール入試)
現役合格
「心と身体を大切に」
志望した専攻領域では、画力などのスキルより「求める人物像にどれだけマッチしているか」が重視されていると感じました。そのため、説明会やオープンキャンパスに参加し、教授や在籍生の方から話を聞き、志望する領域はどんな学生を求めているのかを理解して志望理由書やポートフォリオに反映させました。プレゼンテーションは練習の回数を多く持つ事が大切です。
対策期間はとても大変ですが、めげずに頑張って下さい。
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M.T.さん(私立 藤嶺学園藤沢)
写真専攻領域
●総合型選抜(自己アピール入試)
現役合格
「油断するな」
総合型選抜では、学科試験がない代わりに志望する専攻領域で「何を学びたいのか」「大学ではどの様な事が学べのるか」についての理解度が問われていると思う。
大学のアドミッションポリシーを確認したり、教授と実際に会って話をする事も、大学の事をより知ることができ、対策へのヒントとなった。
二次試験のプレゼンテーションでは、コミュニケーション力が試される。自分の言葉でしっかり伝えられるよう繰り返し練習しよう!
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Y.M.さん(私立 清風)
グラフィックデザイン専攻領域
●総合型選抜(自己アピール入試)
現役合格
「トライ・アンド・エラー」
私は今までの経験や体験を最大限に活かしたいと考えて総合型選抜を受験しました。ただ、自分に自信があったわけではありません。受験期間はずっと誰かと比べて落ち込む毎日でした。そんな私でも、ハマ美でポートフォリオやプレゼンテーションを何度も見て頂くことで合格することができました。
まず挑戦してみる。そこから練習や試行錯誤を積み重ねたことが自分の糧となりました。ガチガチに緊張した面接でも、これまでの練習のおかげでやり遂げることができました。
皆さんも、ぜひ、トライ・アンド・エラーの精神で頑張って下さい。
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K.S.さん(市立 横須賀総合)
グラフィックデザイン専攻領域
●総合型選抜(自己アピール入試)
現役合格
「アイディア溢れる高校3年間」
私は高校3年間、美術部に所属し、多くの時間を絵に費やしてきました。その為、ハマ美に入学したのは3年の6月です。短期で集中してポートフォリオを作ることができたのは、3年間の部活動の作品達や経験があったからだと思います。無駄になることはないので高校でしかできない事に力を入れて、自分の世界観を作ったり探ったりすると良いと思います。
試験は時期が早く、高校では周りに総合型を受験する人が少なかったので自分で考えて行動することができ、良い経験でした。
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