お悩み相談
こんにちは!基礎科です。
学力テストと違い、デッサンなどの実技試験には「正解」があるわけではありませんが、一定の評価基準は存在します。デッサン力や構成力、表現力などがその一例ですが、なかでも特に重要なのは「完成している」ことです。
今回は、「完成させること」の壁、つまり「絵が描き終わらない!」というお悩みについて考えてみたいと思います。
時間内に終わらせる、難しさ。
試験では、当然ながら時間内に完成させる必要がありますよね。この一見シンプルな課題に、多くの受験生が苦労しています。
美術大学の実技試験は専攻や大学によって異なりますが、短いもので3時間、長ければ3日間。一般的には3〜6時間が多いです。筆記試験と比較すると長いように思えるかもしれませんが、絵を描いているとあっという間に時間がすぎてしまいます。そのため、計画的に進めないと、「終わらなかった!」という事態に陥ります。
「未完成作品」は評価のしようがありません。完成した作品を提出し、実力をしっかり見てもらいましょう!
「描き終わらない」原因は?対策を立てよう!
では、どうすれば時間内に完成させられるのでしょうか?以下の3点を見直してみましょう!
1、時間配分を見直す
制作の時間配分が原因かもしれません。例えば、エスキースの時間を長くとりすぎると、描き込みや仕上げの時間が不足します。
エスキースは大切ですが、5〜10分程度で切り上げ、完成させるための描き込みや仕上げの時間をしっかり確保しましょう。一度、終了時刻から逆算して配分計画を立てる練習をしてみると良いですよ。
2、描き進め方を工夫する
「端から描いていく方法」に頼っていませんか?モチーフを一つずつ仕上げていく描き方です。この方法は、時間制限のある試験ではとてもリスキーです。部分的に描きすすめるのではなく、全体を同時進行で描き進めるように心がけましょう。そうすれば、どのタイミングで「終わり!」と言われても、「ある程度完成している」状態で提出することができます。
3、適切なプランを立てる
終わらない原因は、プランそのものが難しいことを抱えすぎている可能性もあります。やりたいことを詰め込みすぎると、時間内に終わらないことがあります。試験時間や画面サイズを考慮し、完成イメージが具体的に持てるプランを考えましょう。
難しいけど、大切なこと
表現は本来、時間がかかるものですから、悩む気持ちもよくわかります。
しかし、将来、皆さんが本業の作家やデザイナーになったときのことを考えてみましょう。
クライアントの納期は守らないといけないし、展示をするならその日程に合わせて制作スケジュールを組まなければなりません。
試験だから、と割り切るのではなく、今から終わりを見据えた制作の進め方を習慣にすることも、必要なことだろうと思います。