基礎デッサンと素材を感じること

高1生・高2生科のデッサンコース、今週の課題は、基礎的な静物デッサンです。

週2日クラスの出題

「与えられたモチーフ(コピー紙、スプーン、ビー玉)を卓上にセットし描きなさい。」
※ただし、コピー紙は一部を加工(折る、丸める、千切るなど)すること。

この課題では、モチーフのセッティングの段階から演出を考える練習が始まっています。卓上に無造作に置いただけでは絵は良くなリません。
「どうしたらモチーフそれぞれの特徴が伝えられるだろう…」
「どうしたらモチーフそれぞれの魅力が際立つだろう…」
配置のパターンを、色々と試しながら絵の方向性を決めていきます。

たとえば、「重さ」がモチーフの特徴だと感じた人がいるとします。
そうすると、「軽いコピー紙の端を丸めて、重いスプーンで上から押さえる」というセッティングが考えられるのです。紙だけではできないし、スプーンだけでもできない表現。ばらばらに特徴を言うのでは伝わりにくいものも、モチーフ同士の関わりの中でなら、お互いが引き立て合うので伝わりやすくなります。

そういった工夫やアイデアは、まず、何てことのないモチーフを観察し、面白がるところからスタートしていくものです。たとえばコピー紙なら、
「きりっと四角くて真っさらな白い紙ってきれいだな」
「手で軽く握るとパリパリっていう気持ちいい音がするな」
「丸めた時に現れるやわらかい陰影がいいな」
など、素材自体を感じたり、味わったりすることができると絵に描くのが楽しくなります。
基礎的なデッサンの勉強は、やり方だけじゃなくて、感じることも大事だということです。