自分らしさを封印して、ひたすら真似をする。

こんにちは。
高1生・高2生科の講師の村です。

デザイン工芸基礎コースの高2生が、模写の課題をスタートさせました。模写というのは、お手本となる絵や写真などの図版をそっくりに写しとることです。今回のお手本はアルブレヒト・デューラー(1471-1528)という画家の作品です。この作品と限りなく同じ絵を、自分の手で作っていきます。

書道をやる人も、臨書(りんしょ)といってお手本をコピーするように書く練習がありますね。音楽の世界でも、楽譜通りに演奏するトレーニングは普通のことです。料理だってレシピを見て作りますよね。美術にとって、それにあたるのが模写なのです。

模写の良いところは、画家がその絵をどうやって描いたかを追体験できること。自分以外の誰かが描いたものを自分も描いてみることで、その絵がどういうプロセスで出来上がってきたのかが分かります。その画家の素晴らしい技術を吸収することができます。一人で描いていただけでは気づかなかったことに気づくこともできます。

自分らしさを封印して、ただただお手本に忠実になる。真似をする。それだけでも、得るものがとても多いのです。人の真似をすることが格好悪いような気がする人もいるかもしれませんが、寸分たがわずに真似できるというのは、実はすごいことなのです。

この模写課題でどれだけのことが吸収できるか、デューラーの胸を借りるつもりで、ドーンとぶつかっていきましょう!笑