「力を加える」というテーマで描きなさい。

こんにちは。
高1生・高2生科の講師の村です。

先週のデッサンコースの出題は、「『力を加える』というテーマから発想し、自由に描きなさい」というものでした。この出題、僕はすごくいいなと思いました。なぜならどんな出題にも置き換え可能な、重要な考え方が学べると思ったからです。

それは「力が加わったところには、変化が生まれ、それが描きどころ」というもの。ちょっとした法則みたいなものです。意図的に加えた力でも重力でもそうですが、ある物とある物がぶつかることで、そこに変化が生まれます。形が変化し、光と影が変化します。その部分がすごく魅力的なんですね。冒頭の写真が、違う物に同じように力を加えてみた様子です。表情がそれぞれ違うことが分かると思います。

ちなみに写真の右下にあるのは、厚みのある木材を握っている様子ですが、力を加えても木材の形は変わりませんでした。でも、代わりに手の方が変形しています。これもひとつの表情なんですね。

力を加える(=アクション) → それに影響を受けて変化する(=リアクション)

という関係があらゆる出来事の中に潜んでいます。そういったシチュエーションを探し出し(あるいは作り出し)、丁寧に観察して描く。劇的な状況をわざわざ設定しなくても、それだけで十分に魅力的な「力」の表現になりうるのです。

この課題でとっても面白い作品が出ましたので、いくつかご紹介します!↓↓↓


どれも素朴な設定ですが、ある力によって起こった小さな変化を丁寧に描いていますよね。最後の作品は、「力とそれによる変化」という視点で見ると少し物足りないですが、でも人を惹きつける演出を感じます(笑)
この法則をこの先の課題にも応用してみると楽しいですよ。