デッサン道具「カッター」の使い方
こんにちは!基礎科です。
デッサンを描く人にとっては今更な話ですが、デッサン用の鉛筆は、ピンと長く削ります。
(左:デッサン用 右:鉛筆けずりで削った鉛筆)
通常の鉛筆けずりで削った鉛筆は、文字を描くのに適した形をしています。ただデッサンを描くとなると少し扱いづらいので、カッターを使い、さらに削り落としていくのが一般的です。
デッサン用の鉛筆は、なぜ長い?
そもそもデッサン用の鉛筆はなぜ長く削るのか。以下の2点が主な理由です。
①消費が早い。
まずはシンプルにこれですね。文字を描くときより、芯をどんどん消費します。制作中に何度もけずり直すのはまどろっこしいので、あらかじめ長めに削っておきます。
②鉛筆のハラを使うため。
デッサンでは柔らかく描きたいときに、鉛筆を横に倒して芯のハラの部分を使います。筆圧がかからず、紙を傷つけずに描くことができるので、制作序盤はほとんどハラで描きます。ハラが使いやすいように、長く削るというわけです。
(左:筆圧のかかる持ち方 右:筆圧のかからない持ち方)
鉛筆を削るときの、「カッター」の使い方。
ここで、デッサン用鉛筆の削り方を見てみましょう。
鉛筆にカッターの刃を添わせるようにします。
ポイントは、カッターを動かさずに鉛筆を引くようにして削ること。
カッター自体を動かさないので、危険の少ない削り方です。
図のように、鉛筆を持つ手の親指で、カッターの側面を押すようにすると、安定して鉛筆が引けます。
まるで彫刻刀のようにえぐって削る人をたまに見かけますが、ぼこぼこして折れやすくなります。真っ直ぐ・薄く、削るようにしましょう。
一周削れたら、最後に芯の先端を刃でやさしく尖らせます。芯を削るだけなので、紙やすりを使ってもOK。
そんなわけで、デッサンを描く人はたくさんカッターを使います。
日々使っていると、カッターの刃は徐々に切れ味が落ちてきます。カッターも、鉛筆と同様にメンテナンスが必要です。
カッターのメンテナンスをしよう。
カッターの刃をよく見ると、折るための斜め線が入っています。刃こぼれした部分を折りとることで、切れ味を取り戻すことができます。
刃の折りかたは以下のとおり!いずれの場合も、刃の折れ目をひとつ分だけカッターから繰り出しておくことと、山折りに折ることは共通です。
①ペンチで折る。
ペンチで折れ目ひとつ分をつかみ、折ります。
②刃折器を使う。
カッターの刃を折る専用の道具です。折れた刃がそのまま容器に落ちる仕組みになっているので、最も安全です。
画像は、替刃のケースに刃折器がついているもの。コンパクトで持ち運びに重宝します。
ものによっては、カッター自体に刃を折るための溝が付いているものもあります。道具がないときは、刃をタイルなどの硬い床に押し付け、靴で踏んで折ることもできます。が、刃が飛ぶことがあり危ないので非推奨…。
ポキポキ折って、刃が短くなったら、新しい刃に替えましょう。
下部の部品を取り外し、刃の取り替えができます。
切れ味が戻ると削っていて気持ちがいいです!鉛筆のメンテナンスも捗ります。
ついつい忘れがちなカッターのお手入れ。これを機にいかがでしょうか?