手のデッサンの描き方
こんにちは!基礎科です。
グッと寒くなってきましたね。ハマビでは、受験生の真剣な表情に出くわします。
基礎科の2年生も1年後同じ局面を迎えているかと思うと、講師も身の引き締まる思いです…
進級を前にまだまだスキルアップしていきましょう!
さて今日は、美大受験でおなじみ!手のデッサンについてです。
手のデッサンは、多くの大学・専攻で採用されている試験項目ですね。ハマビでも、基礎科のうちからたくさん描きます。
手は構造がとても複雑です。ただ工夫次第で多彩な表情を生む、非常に魅力的なモチーフでもあります。
今回も講師の制作過程を見ながら、手のデッサンのポイントをいくつかご紹介します!
課題:手渡されたモチーフを持つ手を描きなさい。
モチーフ:ステンレスパイプ
①手渡されたモチーフとの関わりが見える構図
今回のように◯◯を持つ手という出題の場合、モチーフとの関わりが美しく見える手のポーズを選びましょう。あまり不自然なポーズは違和感が生じやすいので注意です。この絵では、少し手首を傾けて自然な動きを演出していますね。
手のデッサンは、課題により両手・片手の指定がある場合もありますが、指定がなければ、どちらでも構いません。ただ試験は時間が限られるので、よっぽど何かの意図がなければ、片手が無難です。
②手は動く!
手のデッサンの難しい点は、モチーフが静物デッサンのように「静止」していられないということです。固定の位置から静止した自分の手を見ているつもりでも、そのうち姿勢が変わり、手も疲れ。。気づかぬうちに必ずズレが生じます。なので、あくまで自分の手は参考程度に。自分の手を写すことに注視するのではなく、絵の中の手が自然なプロモーションをしているかを、都度確認しましょう◎
③稜線を見極めよう!
手は、皮膚のしたに脂肪や筋肉、骨、血管があります。それらが無いと、無機質なマネキンの手のようになってしまいます。わかりやすい凹凸だけでなく、後ろに回り込む複雑な起伏を拾いながら描きましょう。よく聞く「稜線」ですね。有機物を描く時、「稜線」はかなり重要です!
この絵でも、輪郭線が簡単に描かれていないのが分かりますね。
④手に動きを与える、皮膚の表情
さて質感が出てきましたね!皮膚のたるみや張りが丁寧に描かれています。これらはただ表面的な情報というだけでなく、手の「動き」も表現しています。「動き」のある手は、自然さを感じさせてくれますね◎
また、ステンレスパイプとの対比もうまく利用しています。形が崩れない直線的な硬さが、指の柔らかな質感を引き立ててくれています。(逆も然り、ですね!)
まとめ
手に限った話ではありませんが、対象を「きれいだな」と思って見ることは実はとても大切です。
特に手は身近なモチーフなので、日常の中で少し意識して「きれいに」使ってみましょう。
「所作」というと大げさかもしれませんが、「絵になる瞬間」のストックを増やしておくことをお勧めします。