
木炭デッサンの制作プロセスを見てみよう!
こんにちは!基礎科です。
今回は、木炭を使った静物デッサンの制作プロセスをご紹介します。鉛筆デッサンとは異なるアプローチや魅力をお伝えできればと思います。それでは、早速見てみましょう!
①序盤から色面を大胆に置く

鉛筆デッサンでは、柔らかな線画で形を捉える「あたり」から描き始めることが一般的です。しかし、木炭デッサンでは、初期段階から線だけではなく色面を積極的に置いていきます。画面全体に木炭の粉をたっぷり馴染ませ、色彩の濃淡の良いバランスを探っています。奥行き感の基盤を作っているのが分かりますね。
②色面から形を起こす

曖昧な色面から、徐々に形を具体的に起こしていきます。ただし、輪郭をぐりぐり描くのではなく、ガーゼや練り消し(もしくは食パン)を使い、色面の形を整えるように描きすすめていますね。さらに、床の影を描くことで、モチーフが床に据えられ、前後関係が明確に。特にりんごは優先的に描き込まれており、視線を引きつけるポイントになっています。これにより、画面に奥行きが生まれています。
③メリハリのある全体像を作る

全体像が見えてきました。色面や影が丁寧に作り込まれ、空間の奥深さを際立たせています。有機物であるりんごやレモン、薪の柔らかな表現と、ガラス板のシャープで硬質な質感が対照的で、画面全体にメリハリを与えています。この段階で、各モチーフがしっかりと存在感を持つようになっていますね。
④完成

最後に細部を描き込み、完成です!ガラス板に反射する光が空間全体を柔らかく照らし、木炭特有の深い色彩が美しく表現されています。ミルク缶の錆びを引っ掻き傷で表現するなど、作者の面白い工夫も見られますね。木炭デッサンでは、強い黒から弱い白まで、多彩な色彩を使うことができ、表現の幅が広がるのが魅力です。
まとめ
いかがでしたか?木炭デッサンは油絵科や彫刻科の試験で出題されます。志望専攻の方はもちろん、そうでない方も、「空間を大きく捉える」ことや「大きな色面を扱う感覚」など、鉛筆デッサンにも応用できる学びが多くあります。ぜひ一度チャレンジしてみてください◎