デッサンを描くときのフィルター
こんにちは、基礎科です!
今回は普段の授業から課題をピックアップして、「デッサンを描くときのフィルター」についてお話ししたいと思います。
課題はこちら↓
「鳩の剥製・ビーチボール・赤い紙テープ・白布」による静物デッサンです。
授業では多様なモチーフを組み合わせて、なるべく多くのものの描写を経験してもらうようにしています◎
さて、ただ写すように物を見ていても、デッサンは上手くいきません。基礎科では、ある「フィルター」をかけて(頭の中で)物を見るクセをつけます。モチーフを前に、受験生たちはどんな風にものを見ているのか?
3つの「フィルター」をご紹介します!
Contents
1、基本形態(単純な形)に置き換える
基本形態という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
立方体や直方体、円柱、球体など、立体物の基本形のことです。反射光やパースなど押さえるポイントが分かりやすく、デッサンの基礎を学ぶときによく用います。どんな複雑な形をしたものでも、一度単純な形に置き換えると構造の理解がしやすくなりますよ!
2、固有色
続いては、固有色です。白黒で描くとはいえ、モチーフの持つ「色」も大事な情報です。作品の中で、最も暗い色・最も明るい色はどこか、チェックしておきましょう。
とはいえ、固有色に関しては気にかけて描き進められる人が多い印象です。
3、光と影
どのように光が当たり、影が落ちるのか。これにより、モチーフを立体的に掴むことができます。状況によっては、光と影が分かりにくい場合もありますが(複数光源のため影が見辛い・光を吸収する素材など)、その場合も、どこから光が降り注いでいるのか作品上で設定し、表現するようにします。そうすることで、2Dではなく3Dで、その「場」を表現することができます。
これはデッサンを描く上でとても大切な「フィルター」なのですが、固有色に囚われてしまい光と影が疎かになってしまうことがとても多いです。立体的に空間を捉えることを最初から最後までしっかり意識しましょう!
まとめ
デッサンをする上で、このように「フィルター」を通してものを見るということは、冷静に物体を捉えることにつながります。
トリックアートがあるように、実は人の目は、とても騙されやすくできています。描写しているうちに、本来の見え方とは違うように見えてきてしまうことも往々にしてあります。
そんな時は、作品からもモチーフからも距離をとって、目をリフレッシュさせ、また冷静に観る。
試してみてくださいね~!