
優秀作品の講評
こんにちは、基礎科です!
先日、基礎科で「実技模試の大講評会」を行いました。
学期末恒例の実技模試。全クラスの作品をズラリと並べ順位を決めます。講評会では、優秀作品を取り上げながら、評価ポイントや今後の課題を共有しました。
この記事では、上位に選ばれた優秀作品をご紹介します◎
出題内容
週4日クラス
- 静物デッサン(制作時間12h)
- 三輪車を描きなさい。
週3日、週2日、週1日、週1日ショートクラス
- 構成デッサン(制作時間6h)
- 「四角形のある風景」というテーマから自由に発想し、美しい絵を描きなさい。
週4日クラス優秀作品
1位

1位おめでとうございます!バランスのとれた完成度の高い作品です。三輪車の複雑な構造を的確に捉え、背景まで丁寧に描き切りました。物量が多いとゴチャつきがちですが、ピントの強弱を巧みに活用することで自然な仕上がりになっていて、技術の高さを感じます。ハイライトの白い線にもう少しバリエーションが加わると、より説得力が増しそうです。
2位

2位作品。並んだ作品の中でも特に力強さが際立っていました。ダイナミックな構図が目を惹き、金属の冷たさが伝わるハンドルの質感や、しっかりとした三輪車の躯体の描写が印象的です。言い切るように描く筆の強さが作品の魅力を引き立てています。タイヤの空気が少し抜けたように見える点は惜しいところ。細部の詰めが今後の課題になりそうです。
2位(同点)

こちらも2位作品。視点の高さやパースが整理され、誠実な観察力が感じられる作品です。三輪車の複雑な形状も誤魔化すことなく描写され、安定感のあるデッサンに仕上がりました。構図がやや左に寄ってしまったのは惜しいところ。今後は構図も含め、絵を演出する力をつけることが求められてきそうです。
3位

3位作品は、木炭デッサンです。他の作品と一線を画す、大胆な構図が特徴的です。公園に置かれた三輪車は、持ち主を待っているかのような雰囲気が漂っています。残された足跡やタイヤ痕が、鑑賞者の想像力を掻き立てます。発想の面白さはもちろんですが、しっかりとした描写力があってこその説得力ですね。
週3日、週2日、週1日、週1日ショートクラス優秀作品
1位

1位おめでとうございます!「四角形のある風景」というテーマを、自分の身近な場面に落とし込んだことで、リアリティのある作品に仕上がっています。勉学の場に溢れる四角形と、飲み物の円の対比が印象的です。何気ない風景ですが、よく見ると文字の細部までしっかり描かれており、細かい仕掛けが隠されている点も魅力を感じます。
2位

ドラマチックな一瞬を描いた作品です。高校生が選ぶ題材としては珍しいですが、大胆に演出した臨場感に妙な説得力があります。背景が雰囲気づくりに一役買っていて、手の表情も緊張感を演出する要素になっています。私は麻雀は全く分かりませんが、大事な局面なのか!?と思わせる凄みがあります。そして麻雀牌の文字が上手い!
2位(同点)

美味しい香りが漂ってきそうなこちらの作品。規則正しく並ぶ網の四角形と、有機的な魚や煙の対比が印象的です。また、焼き網の跡が魚に焼き込まれ、「四角」へのフォーカスの当て方が巧みです。出題に対する回答として、ひねりの効いた面白さがあります。煙が繊維のようにも見えるので、もう一歩描写が工夫されてくると良いですね。
3位

3位作品。百人一首を題材にした作品です。四角い札を全面に押し出した構図、そして何よりも、文字の美しさが目を惹きます。線の太さの変化を丁寧に拾い、文体特有の美しさを表現しています。上手いな、と思うのが、中心から外れるほど札に色を載せ、中心の文字に目がいくように演出している点。背景の畳を描き切って、さらに完成度を高めたいところ。
まとめ
今回の模試では、みんなの年間を通じての観察力・表現力の成長を実感しました。
2年生は、春からついに受験科へ。1年生は引き続き、基礎科で技術を高めます。
自分の持つ強みと課題をしっかり受け止めて、次の制作に繋げて貰えたらと思います!
1年間お疲れ様でした!!