授業アトリエ風景

こんにちは。
基礎科講師の村です。

今回は、前回に引き続き一学期実技模試での作品を紹介したいと思います。今回は週1日〜週2日クラスの作品に限定し、1点ずつ作品にコメントしていきたいと思います。合計すると6時間という制作時間で描いているため、あまり大きいサイズではなく、B3サイズという標準サイズで模試を行いました。課題はこちらです。

一学期実技模試_週1〜2日クラス課題
出題:「与えられたモチーフ(折り紙)と手をモチーフに、美しい絵を描きなさい。」
折り紙と手
モチーフ:折り紙、手

この課題は、非常にオーソドックスな課題で、「折り紙を折る両手」などとなれば多摩美のデザイン科で出題されそうな内容です。どのようにお互いを組み合わせるのかは自由ですが、事前に全員に伝えたポイントは、紙という素材を大事にすること。当たり前のように身の回りにある紙という素材ですが、それにちゃんと向き合いましょうと言いました。その厚み、つや、色、形をなるべく新鮮な目で見てやることが大事です。そして、手の姿が美しいこと。これは絶対条件です。摘んでいても、掴んでいても、持っていなくてもいいけれど、手のポーズや仕草が綺麗だということが欠かせないと思います。

さて、皆さんはどんな作品を描いたのでしょうか?
さっそく見てみましょう!

 

第1位の作品
高2生の作品です。紙の薄さがひと際目立つ作品です。作者は折り紙で作った鶴に完全に焦点を絞り、徹底的にフラットな色面を感じさせる描写で薄さを表現しています。その薄さは手が切れそうなほどです。ピンと尖った紙の先端からは、張り詰めた空気、ピリッとした緊張感が感じられます。地面に落ちるかげは、もうひと息、形をしっかり捉えたいところです。

同率で第1位の作品
高2生の作品です。1位の作品には偶然ですが鶴が描かれています。折り紙で鶴を折れば絵が良くなる、と勘違いされてしまうといけないのではっきり言いますが、決して鶴がいいのではありません。ですが、ピンと尖った尾っぽや、翼の先端や、そういった点に仕事の丁寧さや、作者の追い求めるクオリティが現れるのは確かです。手前の折り紙は、ふわふわさせずに、もう少ししっかりトーンを置いても良いでしょう。

第2位の作品
高2生の作品です。まっさらな折り紙をそっと半分に折る、という誰しも経験があるであろう瞬間を描いています。手つきもガチガチに力んでいるのではなく、ソフトな手つきで折っている。その様子がなんとも気持ちが良いものです。しかし絵としては、もう少し両手のポージングを変えたいところです。同じポーズのコピーのように見えてしまうと残念です。

第3位の作品
高2生の作品です。折り紙で作った紙風船をポンと放り投げた瞬間を描いている作品で、よく描いています。手の肌の色と、紙風船の黒の色との対比が心地よく、構図も良い。バランスの整った作品ですね。親指以外の指の向かう先が、一様に真右を向いているのが動きの硬さになってしまっています。指はバラバラに外へ開くのではなく、包むように内へ向かうように描きたいものです。

同率で第3位の作品
高1生の作品です。指先でちょいと摘んで持っている様子が、紙の薄さや軽さなどの、デリケートさをよく示しています。指の描き込みを見てみると、関節部分の凹凸や皮膚の伸縮など、骨や肌の形を地道に描いていることがわかります。垂れた紙の形は少々きごちなく固め…。もう少しふんわりした紙の張りがあっても良いでしょう。

同率で第3位の作品
高1生の作品です。紙の角をそっと摘んだ手のポーズが、コミカルで生き生きしている作品です。全部の指をちゃんとポーズをつけて、リズムを変えて、柔らかな手の動きとして表現することができています。折り紙は、少しだけ布のような柔らかさを感じてしまうので、パリッと乾いた紙、という感じが出るとさらに良かったと思います。

 

手のデッサンはこの先もトレーニングを続けますよ〜!
この経験を生かして、レベルアップを目指してください(^-^)

お疲れ様でした!