実技模試「いかに分かりやすく伝えるか」

こんにちは。
基礎科講師の村です。

今回は、一学期実技模試での作品を紹介したいと思います。特に今回は週3日クラスの作品に限定し、1点ずつ作品にコメントしていきたいと思います。週3日クラスは、3時間×3日間=9時間という制作時間で描いているため、基礎科の中でも大型の画面で、スケールの大きなモチーフを描いてもらいました。課題はこちらです。

<strong>一学期実技模試_週3日クラス課題</strong>

出題:「セットされたモチーフをデッサンしなさい。」
モチーフ:ブロック、薪の束、ペリエの瓶、りんご

このモチーフの特徴は、中央に直角にクロスしたブロックと薪があること。「+」の形になっています。この立体的な「+」を斜めから描くのは大変難しいです。それから緑色のペリエのソーダ瓶とりんごが、それらを四角く囲うように配置されています。このようにランダムではなく、規則的な配置のモチーフですから、その規則から大きくずれるとモチーフの姿がグチャグチャになってしまいます。

今回、作品の評価基準は「どの作品が最も分かりやすいか」というものでした。どれか1品が上手く描けていれば良いというのではなく、モチーフ全体を見渡した時の自然さや、モチーフの配置の分かりやすさ。それを評価軸にしながら、採点をしていきました。

では、作品をご紹介しましょう!

実技模試優秀作品

第1位の作品

高1生の作品です。この作品が最も分かりすい作品でした。モチーフの配置がどのようになっているかが明解ですね。良い作品には、作者がどこに座り、どの高さからこの景色を見ていたのかが良くわかるという共通点があります。この作品もそこが良いですね。手前のペリエの瓶は、もう少し上から見下ろしている角度で描けるとさらに良かったですね。

第2位の作品

高1生の作品です。インパクトがあり、低い視点からモチーフを見ている感じが伝わってきます。ものの大きさは、手前を堂々と大きく描くようにし、遠くのものは小さく、という遠近感を感じさせる工夫があります。手前のペリエの瓶の描写は、完成度があって見応えがあっていいですね。台上(床)やそこに落ちる影は、もう少し積極的に描けると、もっと大きな空間が感じられたでしょう。

第3位の作品

高1生の作品です。(高1生が多い!)ブロックと薪の束がクロスした部分の描写が分かりやすい作品です。画面の左奥からの逆光があたり、陰影が現れる様子も積極的に描いています。一方で、りんごやペリエの瓶は、不規則に配置されているように見え、モチーフのサイズ感も小さくなって見えます。中央のブロックからの距離をもっと大きくとり、画面の端ギリギリまで瓶やりんごを離して描いてやれると、たっぷりとした間が生まれ、気持ちよく全体が見えたのではないかと思います。

授業アトリエ風景
授業アトリエ風景
授業アトリエ風景
授業アトリエ風景

みなさん、難しいモチーフでしたが良く頑張りました!
この経験を生かして次も頑張ってください^o^/