1学期実技模試の優秀作品8点!(講師コメント付き)

こんにちは。
高1生・高2生科の講師の村です。

今回は、前回に引き続き1学期末の実技模試についてお伝えします。記事の最後には、実技模試のトップグループの人たちの作品を計8点ご紹介します。解説コメントもありますので、じっくり読んでみてください。

デザイン工芸基礎・油画基礎・日本画基礎コース(週4日)
上位作品

【第1位】デザイン工芸基礎コース在籍生作品

高2生の作品です。それぞれのモチーフの特徴をしっかりと描き込んでいる作品です。ステンレスポットに歪みながら映り込む周辺の色を利用しながら描いていて、それが金属の質感を感じさせてくれます。一方、木材の表面にあるのは映り込みではなく亀裂や節や年輪で、触ると凹凸がちゃんとあります。そういった材質の特徴を描き違えているあたりに観察を感じます。画面上の余白がやけに空いてしまうなど構図の問題はありますが、根気よく描いている良作です。

第2位】油画基礎コース在籍生作品

鉛筆にはない木炭特有の黒の色を生かして制作している作品です。ステンレスポットの中間的なグレーの色味や、かぼちゃの皮の黒の色味など、その違いを使い分けています。向かって左側のステンレスポットはじわりじわりと金属の質感が出てきています。気になるのは、物の配置に規則性が感じづらい点です。角材を中心にして、かぼちゃとステンレスポットが十字になるように置かれていました。ランダムに配置されているのか、揃っているのか、それは作品内のリズムに関わることで重要です。注意して観察してみましょう。

デッサンコース(週3日・週2日・週1日クラス)
上位作品

【第1位】デッサンコース週3日クラス在籍生作品

構成が秀逸な作品です。画面全体を無駄なく使った構図が、とても良く考えられています。モチーフの紙テープの扱いも、シンプルながら紙テープらしい特徴をうまく使って表現しています。ロールから引き出したときの「シュルッ」という音が聞こえてきそうです。左上から右下に引っ張ることで長い直線が心地よいですね。全体に描写はあっさりしているので、今後は細密な描写にも挑戦したいところです。

【同率1位】デッサンコース週3日クラス在籍生作品

堂々としたサイズと、色のインパクトが強い、印象に残る作品です。紙テープが作り出すたっぷりとした曲線ラインが画面を大きくうねっている様子が美しいですね。描きこみも細部にまでこだわっています。紙テープを軽く握ったときに肌に表れるシワを積極的に描き、肌の柔らかさや動きの表現をしようと工夫しているのがわかります。完成度の高い作品です。

【第2位】デッサンコース週1日クラス在籍生作品

最近入学した方の作品ということでちょっと驚きました。キャリアはまだありませんが、しかしその分怖がらずに振り切っています。この作品は、全作品の中で鉛筆の色がもっとも黒く、シャープに描かれていて、とても印象に残ります。形の狂い(親指が小指のように見えるなど)はありますが、これがもし入試だったら採点者の目に留まるインパクトがあると思います。

【第3位】デッサンコース週2日クラス在籍生作品

高2生の作品です。螺旋状にくるくると渦巻くテープの形を、絵の中で面白く使っています。軽く指に引っ掛けただけのシンプルな扱いで、力が抜けている自然な手を描写しようとしています。ガチガチに力が入ったポーズより、少し中途半端な握り具合(開き具合)の方が姿は美しく見えるものです。画面中央の目立つ場所で、紙テープの丸さをさらに強調できると良いと思います。

【第4位】デッサンコース週2日クラス在籍生作品

手の柔らかなポーズが印象的な作品です。手を画面の左側にあえて寄せた構図も、紙テープのラインがバランスを取ってくれていて、美しい構成ですね。手は、何かの動作をした時に現れる肌の膨らみやシワを描いていて、それが柔らかさの表現に繋がっています。指の間をすり抜けるテープには、もう少し空気感が欲しいところですが、画面下の手首の前をすり抜けるテープは、手首におちる影によって空間を感じます。

【同率4位】デッサンコース週2日クラス在籍生作品

淡い鉛筆の色味と、紙テープのラインが複雑に描かれている作品です。ロールに巻きついているテープは丸く癖がついていて、引き出したばかりの時はくるくるとリボンのように螺旋を描きます。この絵には、そのままの形を生かした面白さがあります。床を含めた状況設定もうまく使えていますね。ただ、テープの表情の豊かさに比べると、少々硬そうに見える手のポーズはもう少しほぐしたいところです。

授業アトリエ風景
授業アトリエ風景

これにて1学期は終了です。
みなさん、お疲れ様でした!
約1ヶ月の集中特訓。しっかり練習してスタミナと描写力をつけましょう!!^^