描く対象を「測る」ということは、より正確な形を追い求めることです。
測り棒やデスケールといった測るための専用の道具を使ったりしながら、輪郭的な形の狂いを最小限にしていきます。
測り方を教わったあとで、実際にいろいろなところを測ってみると感じるのは、「普段、いかに自分が勝手な思い込みで物を見ていたか」ということです。目見当(めけんとう)で、大体これくらいだろうと描いた線の角度や長さが、全然違うことに気付いていくのです。
これは料理でいうと、自分の感覚だけで調理をするのではなく、ちゃんと器具で分量を測ったり、タイマーで加熱時間を測ることと同じかもしれません。音楽なら、ギターの弦の音を自分の感覚だけで調整するのではなく、チューナーを使って音の高さを測ることかもしれません。
苦労してやった仕事を疑ったり、自分の感覚を疑うというのは簡単じゃありません。しかし、測って確かめる習慣が身につくと、断然形が良くなります。
「より正確な形を追い求めること」
デッサン力を身につける上で欠かせない大事な大事な動機です。