お悩み相談:視野が狭いと先生から言われたけど…

お悩み相談にお答えします

こんにちは!基礎科です。

先日、生徒から「視野がせまいと先生に言われたけど、広げられるものなのかな?」と相談を受けました。確かに、視野の広さは目に見えるものではないし、具体的な解決策を見つけるのは難しいものです。

そこで今回は、制作における「視野」について少し深掘りしてみようと思います。

視野には種類がある!

まず一言に「視野」といっても、いくつか種類があるそうです。

中心視野

焦点をあてた注視点から1,2度ほどの範囲で、モノの形や色をはっきり確認できる視野。解像度が高く、細かな違いも判別できます。

周辺視野

中心視野の外側に広がる範囲。解像度が低く、大まかな動きをぼんやり捉える視野です。

有効視野

周辺視野のなかでも、比較的解像度の高い範囲。

絵を描く際、描いている箇所が中心視野に当たり、細かな描写が可能になります。

そして、ここで注目すべきは「有効視野」です。この有効視野は、集中するほど狭くなるという研究結果があります。

集中して一生懸命に描けば描くほど、周りが見えなくなっていってしまうのです。これは、脳が集中に適した働きをしている証拠かもしれませんが、そのせいで絵全体のバランスが崩れるのは避けたいところです。

しかし、「集中すると視野が狭まる」ということが実際に起きることなのだと理解していれば、対策を考えることができると思いませんか?

視野を広げるためにできること

死角を極力作らない

手やノート、髪の毛、服などが邪魔して、画面が見えなくなることがあります。これらの物理的な死角を作らないように、まずは、周りがしっかり見える環境を整えてみましょう。

作品を離れて見る

毎回耳にタコができるほど言われることかもしれませんが、それだけ「作品を離れて見る」ことは大切です!先ほどの視野の話もふまえると、その重要性が一層理解できると思います。離れて見ることで、中心視野と有効視野の範囲を広げ、絵全体を把握しやすくなります。

鑑賞者の立場で見る

自分の絵を、鑑賞者の視点でチェックする習慣をつけましょう。鑑賞者は、いきなりあなたの絵を30cmの距離で見ることはありません。まずは全体を捉え、その後細部を見ていきます。鑑賞者が、初めてその絵をみたとき、どんな印象を受けるのかを想像してみる。それが、ひいては将来の絵の仕事に繋がっていきます。客観視の鍛錬だと思ってトライしてみましょう!