透明なものの描き方を4ステップで解説!
こんにちは、基礎科です!
基礎科は年度最後の実技模試を終え、春期講習まで束の間のお休み中です。
今回は授業の課題から、「3つの赤レンガと水入りビニール袋」の静物デッサンの制作プロセスをご紹介します。
描き出しから完成まで順を追っていきながら、主に「透明な水入りビニール袋」の描き方を見ていきたいと思います。
ランダムな配置を把握する
今回のモチーフは、配置に規則性がなく、ランダムに置かれています。こういうときはいつも以上にそれぞれの位置関係に気を配る必要があります。
自分の位置からだけでなく、別角度からもモチーフを観察してみましょう。たとえば右の画像のように上から見下ろすような視点だと、位置関係がよりクリアになります。モチーフ間の距離感をよく把握した上で描き出しましょう。
「透明なもの」の描き方①影を描く
さて今回のモチーフで一番手のかかりそうな、水入りのビニール袋。このように透明なものをデッサンで描く場合、いくつかポイントがあります。
まずはこの絵でもやっているように、「ものの中の影を描く」ということ。
そりゃそうだろう、という感じなんですが、実は実物のビニール袋は、光が物の中を通りぬけてしまい、影がほとんど落ちません。なので、「もし不透明だったら」を想定して、無いはずの影を描きます。
立体感を描くためには、陰影でボリュームを見せる、という演出が必要なんですね。
「透明なもの」の描き方②反射光をしっかりいれる
影を描くことで、オムレツのような立体感が出てきました。ここでポイントになるのが、反射光です。
本来であれば光が通って明るくなっているはずなので、不透明なものを描くときより、反射光をしっかり入れるようにすると効果的です。
「透明なもの」の描き方③透けて見えるものを描く
さて②の段階では、まだ透明なことはわかりません。不透明な袋と言われればそういう風にも見えます。
すごく当たり前のことを言いますが、透明なものの一番の特徴は、「透けて見える」ということです。今回の場合だと、中に入れた水ですね。どんなに不透明なものと同じように形を描いても、透けて見えるものを描くことで、「透明である」ということは充分表現することができます。ビニール袋に限らず、ガラスやアクリルなど、他の透明な素材を描く時にも応用が利きます。
水を入れた時ならではの張りやハイライトを描いて、完成です!
次回は実技模試の上位作品を、講師によるコメントとともにご紹介します。
お楽しみに!