サッカーボールの静物デッサン:制作プロセス

デッサン完成までの4つのステップ

こんにちは、基礎科です。新年明けましておめでとうございます!
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

今回の記事では、静物デッサンの制作プロセスをご紹介したいと思います。

課題:セットされた静物を描きなさい。
サイズ:木炭紙大
モチーフ:ワイン瓶、林檎、サッカーボール、一斗缶(布を巻き麻紐で結んだもの)

①あたりを描く。

描き初めは鉛筆のハラを使って、柔らかくあたりを描きます。この時にもっとも気にかけるのは「紙にどのようにモチーフを収めるか」。つまり構図ですね。紙に対してモチーフを小さく描いてしまうと、不本意な間が絵を寂しく見せてしまいます。背景を描くなど特別な狙いがない場合は、紙を上下無駄なく使い切ることを意識しましょう!

②陰影を描く。

影を描くときは、「個々のモチーフの影」というより「ひとつの、大きな塊の影」を描くようにイメージするのがオススメです。光源が統一され、バラバラとした印象を避けられることで、まとまりある「空間描写」につながります。

③奥行きを描く。

デッサンでは、紙という平面の中に「立体的な空間」を生み出していきます。いかに奥行きがあるように見せられる(演出できる)かがポイントです!
例えば「手前のワイン瓶⇄奥のワイン瓶の距離感」や「ボールの手前と回り込みの前後感」など。この絵を見てみると、手前を「黒を強く置く」「積極的にディティールを描く」などして、遠近の差を演出していますね。

④質感を描き切って、完成!

詳細が描写され、一気に情報量が増えましたね!ここで着目したいのが、それぞれのモチーフの「ツヤ」の違いです。麻紐以外のモチーフには、すべてツヤが描かれていますが、それぞれのツヤが全く異なるように描かれています。つやつやなガラス質のワイン瓶に対し、サッカーボールのコーティングされた布のツヤ。林檎のちょっとマットなツヤ。一斗缶の鈍い金属のツヤ。布の繊維の細かさを感じるツヤ。それぞれの違いが思い切りよく描かれ、質感の豊富さが絵を充実させていますね。

まとめ

今回の作品は、冬期講習会で行なった講師によるデモンストレーションの作品です。この講座を取っていた人は、隣り合わせでこの絵が進行する様子から多くのことが学べたのではないでしょうか。

ついに3学期。2年生は来年の受験科を意識しての制作になってくると思います。妥協せず、良い絵を描いてくださいね!