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4つの異なる下地の上にモチーフを描く
前回の”油絵の表現研究1/2”で作った、4つの異なる下地を利用し描写をしていきます。今回描くモチーフはリンゴと立方体です。
①アクリル絵具(モデリングペースト)の下地に立方体を描く

アクリル絵具(モデリングペースト)の下地から見ていきましょう。まずは絵具の準備です。
下地の色相はウルトラマリンとバーントアンバーを混ぜた彩度の下がった透明色のブルーです。
これに合うような群青色にふった色相を選び、明度の高い色から低い色まで約6色程用意しました。


鉛筆で下書きをした後、準備していた絵具で描いていきます。
この下地のように下地の階調が中間色の場合は、モチーフの明るさ側から、また、暗さ側からのどちらからでも描けます。
作者は明るさ側から描き始めましたね。


絵の具はペインティングナイフで厚めに置いたり、筆で薄く描いたりと使い分けて描いていきます。
使い分けて描くことによって、面の方向の違いがわかりやすくなります。


下地より明るい色で台を描いていきます。
立方体の影は下地を残して表現します。
これによって、影が埋没せずしっかりと見えます。


背景をやや暗めにし、立方体を見やすくします。
その際、溶き油で希釈した絵の具を使って、下地の表情を残しながら描いていきます。
これによって、台上の描写と差が出て空間が見えやすくなります。


①の完成です。
油絵では定番な下地に、モノトーンで描いた作品です。
②アクリル絵の具と油絵の具の下地にりんごを描く

次はアクリル絵具と油絵で作った壁のようなガサガサの下地の上にリンゴを描いていきます。
今回の下地は明るめの諧調なので、暗いところ(リンゴ)から描いていきます。


下地の絵の具が厚みがあり、しっかりしているので、ペインティングナイフで絵具を削り取りながら描いたりも出来ます。
絵具を重ねていくだけの画面より、表現に幅が生まれます。


リンゴの影も忘れずに。
これを描くことでリンゴが置かれている場が表現できます。
影全体に絵具をのっぺりと置くのではなく、抑揚をつけて設置点周辺が自然に見えるようにするのがおすすめです。


背景にも絵具を置き、絵全体のイメージを判りやすくしていきます。
堅牢な下地を活かすため、台は加筆せず描き進めます。


②の完成です。
堅牢な下地に、絵の具を薄く使用し描いた作例です。
③アクリル絵の具1色の下地に立方体を描く

③の下地はアクリル絵の具の黒のみです。
色面を積極的に利用し立方体を描きます。



マスキングテープを使用し、その上からローラーで描いていきます。


ローラーならではの表情が面白いですね。
これは筆ではできません。


その後、紙やすりを使い台を描いていきます。
台の方向などを意識して手を動かしましょう。


台部分の空間を意識しながら紙やすりを使ったことにより、絵に奥行きが出てきましたね。
マスキングテープを剥がしてみましょう。
下地を残した部分がどういった風に見えるようになっているのか、楽しみです。


立方体には直接手は入っていないのですが、他の部分に手を加えたことによって、この時点で不思議な存在感があります。




最後にもう一仕事です。立方体の稜線部にマスキングテープで隙間を作り、そこに絵具を入れていきます。
しっかりと見えて欲しい部分なので、彩度が高めの色相が離れた色を選びました。


③の完成です。
色面と線を積極的に使った面白い表現ですね。
④油絵の具1色の下地にりんごを描く

④はキャンバスに直接油絵の具で描いていく作品です。
キャンバスに直接ローシェンナを薄塗りし、鉛筆でリンゴを下描きします。



黄色味がかった下地の上から赤で描いていくと、リンゴらしい色味が表現できます。



リンゴの影と台を描いていきます。
一気に絵の完成度が上がりますね。
その後、背景にペインティングナイフで厚みのある絵具を、塗るというより置いていく感じで描いていきます。
リンゴの形のきわや、影の形を損なわないよう気を使って描きましょう。


4の完成です。
下地はシンプルですが、こちらもスタンダードな油絵の表現です。
今回、4種の作例を2回に渡って紹介しました。
ですが、絵画表現は、作者の目指す方向性の違いで変わります。
皆さんも、どのような絵を描きたいか、それぞれの方向性を見つけられるといいですね。











