
お悩み相談
こんにちは!基礎科です。
「え、もう描き終わっちゃったんだけど…」
長時間デッサンの授業で、そんなふうに手が止まってしまったことはありませんか?
最初は勢いよく描けるのに、後半になると時間が余ってしまう。実はこれ、基礎科の授業でもよく聞く悩みなんです。
今回はこのお悩みについて、「なぜ時間が余るのか」「その時間をどう使えば作品をもっと良くできるのか」を考えてみましょう。
「速く描ける=上手い」ではない
スポーツでは速さが実力の証ですが、美術は少し違います。プロの画家や彫刻家は1つの作品に何日も、時には何ヶ月もかけます。一方で小学生はあっという間に描き終えてしまう。
違いは「やるべきことの数」です。経験を積むほど、形の正確さ、光の幅、モチーフ同士の関係、空気感…と、課題が次々見えてきます。だからこそ長時間でも描き続けられるんですね。
つまり「時間が余る」ということは、まだ課題の引き出しが少ないだけで自然なこと!成長の途中だからこそ起こる悩みなのです。
やるべきことを見つけるには?
「もう描けた」と思っても、客観的に見れば修正点は必ずあります。
・形がわずかに歪んでいないか?
・明暗の関係が曖昧になっていないか?
・モチーフ同士の距離感は出ているか?
少し離れて全体を眺めるだけでも気付けることがあります。視点を切り替える習慣は、試験本番でも大きな武器になりますよ。
「やることリスト」を作ろう
時間を持て余しがちな人には、リスト化がおすすめです。
- 大きな形を最終チェック
- 光と影の幅を広げる
- 主役モチーフを引き立てる調整
- 細部の質感を描き込む
- 全体バランスをもう一度眺める
頭で覚えておくだけだと忘れるので、紙の端に小さくメモしておくと効果的です。「やることが目に見える」だけで安心して制作に向き合えます。
比較で気づきを得る
自分の絵だけを見ていると、どうしても限界があります。そこで先生のデモ作品や優秀作品と見比べてみましょう。
「この人の影はもっと澄んでる」
「自分は輪郭が固すぎるかも」
比較することで、自分では気づけない課題が浮かびます。受験は「差をつける」試験ですから、他作品との違いを見抜く力は大きな武器になりますよ。
モチーフの魅力を掘り下げる
長時間のデッサンで難しいのは、集中力を保つこと。飽きてしまったら「モチーフの推しポイント」を探すと良いです。
・ガラス瓶なら光の透け方
・布ならシワのリズム
・石膏像なら顔の陰影のドラマチックさ
「ここをもっと描きたい!」と思える部分を見つけると、自然に描写の密度も上がります。「モチーフを綺麗だと思う」という意識ひとつでも、見えてくる表情があるはずです。
まとめ
「時間が余る」というのは悪いことではありません。むしろ「もっと課題を見つけられるようになろう」というサイン。やがて6時間でも「まだ足りない!」と感じられるようになります。そうなれば作品の完成度は一段と高まり、受験本番でも大きな自信につながりますよ◎