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お悩み相談
こんにちは、基礎科です!
デッサンを続けていると、「自分は本当に成長しているのだろうか?」と不安になることがあります。
学科の勉強のように、覚えたことがすぐ結果に反映されるわけではありません。一枚一枚を重ねる中で、前に進んでいる実感が持ちづらいものです。
「前より描いているはずなのに、うまくなった気がしない。」
そんなモヤモヤを感じている人もいるのではないでしょうか。
目が育つと、時間がかかる
成長を感じづらい理由のひとつは、制作に時間がかかるようになることです。
以前は2時間で「描けた」と思えていたものが、今は同じ時間でも「まだ足りない」と感じる。途中で立ち止まり、描き直し、迷う時間が増えていきます。
でもそれは、描けなくなったのではなく、気づくことが増えているからです。
たとえば、以前は「だいたい合っている」で済ませていた石膏像の傾きが、今は数ミリのズレとして気になる。影もただ形をなぞるのではなく、床や空間との関係まで考えるようになる。
こうした変化は、観察の精度が上がっている証拠です。
デッサン力とは、手の速さではなく、見る力の深さにあると感じます。
見る力が育つほど、「もう少し整えられる」と思う部分が増えていく。だからこそ、制作には以前より時間が必要になるのです。
伸び方は、一直線ではない
もうひとつ大切なのは、成長は一直線ではないということです。
長く低迷しているように感じる時期があり、ある日ひとつの気づきでぐっと変わる。実際は、そんな登りにくい階段を上っていくような成長がほとんどです。
何枚描いても構図が安定しない。講評で同じことを言われ続ける。「前のほうがうまく描けていた気がする」と思う。こうした時期は、多くの人が通ります。
以前の描き方が通用しなくなり、自分の癖に気づき始めると、画面は一度不安定になります。もしかしたら「バランスが崩れた」ように感じるかもしれません。
細部から描きすぎないように、暗部を強くして安心しないように、輪郭で形を止めてしまわないように…
色々な点に注意しているその時間は、描き方を組み替えている時間でもあります。
実際に、半年近く「影がただ簡単に塗った色になっているよ」と指摘を受け続けていた生徒が、「影を描く」ことは「形を描く」ことだと気づいた途端、立体感が出るようになりました。その結果、画面が一気に整理され、表現に説得力が生まれました。
成長は、こうした準備のあとに訪れることが多いように思います。
まとめ
もし今、伸びていない気がしているなら、それは止まっているのではなく、次の段階に向かう途中なのかもしれません。
昨日より少しだけ丁寧に見ようとしているか。前よりも違和感に気づけているか。
目に見える伸びは、そういった静かな積み重ねのあとにやってきます。
今取り組んでいる一枚も、その途中にあると考えてみてください。











