木炭による人物デッサン:制作プロセス

人物デッサンの描き方

こんにちは!基礎科です。
今回も冬期講習で行った、講師によるデモンストレーションのご紹介です。
油絵科の講師による木炭デッサンの過程を見ながら、人物デッサンで要となるポイントを見てみましょう。

課題:人物を描きなさい。

人物デッサンのポイント①構図は「どこで切るか」

木炭紙大サイズは、予備校の課題の中では比較的大きいサイズです。が、人物デッサンの場合は描く対象が更に大きいため、全てを絵の中に収めることが出来ません。(無理に収めようとすると、すご~く小さくなってしまうのです。)
そういう時は、切り取って絵の中に収めるようにしましょう。「トリミング」ですね。

トリミングの例

画像を見てみましょう。右上のように全てを収めては小さすぎてしまいます。もちろんケースバイケースで、全身を入れてはいけないわけではありませんが、背景を描くなど狙いのある場合を除いてなるべく実物のサイズに近く、またはひと回り大きく描くことをおすすめします。
左上のようにお尻部分まで入れるか、右下のように、膝上までを描くようにすると、大きさも切れ方もグッドです。左下は足が間伸びした印象に。トリミングひとつでガラリと見え方が変わりますね!

人物デッサンのポイント②人体に潜む「パース」を読み解く

立方体などの幾何形態と違い、人間はとても複雑な形をしています。なので一見分かりづらいのですが、幾何形態を描く時と同様に、パースがあるんです。そのルールを見つけることができると、ぐっと自然なプロポーションに近づきます!ポイントは左右対称である点に着目すること。まぶたや肩、肘などですね。自分の目線の高さから見て見上げなのか見下ろしなのかを見極め、自然なパースになるように心がけましょう。

人物デッサンのポイント③人体の持つ、やわらかさ

②でパースについて触れましたが、あまりそればかりを気にしすぎてしまっても、ガチガチに緊張した不自然なプロポーションになってしまいます。矛盾するようですが、人体の持つ柔らかさ、力が抜けた時のちょっとしたクセなど、丁寧に拾いましょう。そこに「らしさ」があり、人体の持つ美しさが現れるはずです。

最も身近である「人間」というモチーフ。作者が「どう見たか」が如実に現れるのが絵の面白いところです。
ファイン志望の人は実際受験でも出題されることがあります。抑えるべきポイントは押さえつつ、自身の持つ視点に着目してくださいね!