<冬期講習会>たっぷり時間を使って、すべて描く

明けましておめでとうございます。
高1生・高2生科の講師の村です。
2018年もどうぞよろしくお願いします。

昨年末にひきつづきまして、冬期講習会の様子をご紹介します。普段から鉛筆デッサンのトレーニングに力を入れている高1生・高2生科ですが、冬期講習会ではさらに濃い経験をしてもらおうと、長時間のデッサン課題を行いました。

冬期講習会NIGHTクラス
出題:セットされた静物(ガラス容器・毛糸のロール)を描きなさい。
(B3サイズ・制作時間9時間)
普段の授業時間はクラスによって異なり、
3時間/週
6時間/週
9時間/週
12時間/週

と四種類あります。9〜12時間とかなり長く描くクラスもありますが、今回は小さめな画面で9時間の制作です。なので、いつもより密度の濃いデッサンができるはず!ということで挑戦してもらいました。

今回のモチーフは、一見すると描くものが多すぎて、描き切れないように感じてしまいます。でも取り組んでみると、意外と細部まで描き込む時間があるのです。毛糸ロールのラベルの文字も描けますし、毛糸の一本一本がよってある様子もじっくり描くことができます。
このように情報量の多いモチーフの時には、よく生徒からこんな質問があがります。それは「先生、どこまで描けばいいんですか?」という質問。もちろん僕は「全部です」と答えます。そうすると「ああ…ですよねぇ…」という切ない顔をします(笑) 分かってはいたけど一応聞いてみた、ということかなと思いますが、こういうモチーフを程々の描写で終わらせてはいけません。今回のようなモチーフは「徹底的に描き込んでくださいね」というあからさまなモチーフですから、それにきちんと応えるべく頑張ってみましょう。

いきなり全部を描く自信がない人は、まずは一つの毛糸ロールをしっかり描くところから。どういう構造になっているのか、どんな光を受けているのか、巻いてあるラベルには何が印刷されているのか、よく観察してみます。手応えを感じ始めたところで、他のロールにも描写を広めていきます。ただし、コピー&ペーストするように全部を同じにしないこと。あくまで無造作に積んであるように、自然さを意識して描きます。毛糸ロールが全部同じ方向を向いていたり、同じ明るさに見えていては不自然ですから、お互いのロールをよく見ながらいかに違えて描くかがポイントなのです。

全部のモチーフに仕事をする時間は、十分にあります。しかし、一つひとつの情報に優先順位をつけながら描いていくには、相当な時間がかかるのです。そのための9時間だと言ってもいいでしょう。大変な作業ですが、「もうこれ以上描けない!」というところまで描いた後は、ある種の達成感を感じます。お疲れ様です!

1月9日(火)から3学期授業がスタートします!
自分の限界に挑戦する経験を、この先もたくさんしてほしいと思います。