光を「綺麗だ」と思える感覚

 

 

こんにちは。
高1生・高2生科の講師の村です。

毎回モチーフを変えながらデッサンに取り組む高1・2生ですが、見方を変えれば、毎回同じモチーフを描いているとも言えそうです。そのモチーフとは「光」です。いつも当たり前のように存在している「光」。その光を改めて自覚し、美しさを抽出し、絵の中に表現しなくてはなりません。今回は授業の中で、解説のために下の写真のようなシチュエーションを設定してみました。教室のほとんどを暗くし、ある一方向からの光に絞り込んだのです。

 

 

 

非常にシンプルな光。
しっかりとした秩序があります。
なんとなく明るいところはありませんし、なんとなく陰になるところもありません。でも絵を描いていると、なんとな〜く明るく描いちゃうことも、なんとな〜く陰を描いちゃうこともあるんですよね。「そんな感じに見えたから」っていうぼんやりした理由で。

 

主任講師の河野先生より
「単純に『この光が綺麗だと思えるか?』ということはものすごい大事なことだよね。台上に置いてあるのはただの球体、ただの立方体。だけど光がこうして当たっているだけで綺麗だよね。まずはこの『綺麗だ』と思える感覚がないと絵が描けないよ。だってそうでしょ?綺麗な光で描きたいっていうイメージが作者にないのに、絵が勝手に綺麗になるということはないんだから。」

 

 

「たとえ目の前の光が素晴らしいものじゃなくても、『こういう光で描きたい』というイメージを持っている人は描けるものだよ。美大入試で出題されるモチーフっていうのは、感動するようなかっこいいモチーフってわけじゃなくて、どちらかというと身の回りにあるどうってことのない普通のものなんだ。でもそれを綺麗な光の元で相手に見せてあげられたとしたらどうだろう。みんなにはそういう狙いを持ってやってほしいね。」

高1生・高2生科は、来週も再来週も、ずっと光を描きます。

いい光を描こう!