
こんにちは。
高1生・高2生科の講師の村です。
今回は週4日のコースでは恒例となっている「布デッサン」課題の様子をお伝えします。その名の通り「布」が今回のモチーフです。
デザイン工芸基礎・日本画基礎・油画基礎コース共通課題
出題:「セットされた静物を描きなさい。」

制作時間=12時間 モチーフ=パネルに貼り付けた布
布という素材は、状況によって様々な表情を見せてくれる魅力的なモチーフです。そして、これまでたくさんの画家が絵に描いてきたド定番のモチーフといってもいいと思います。
しかしながら、実際に描いてみるとなるとこれがなかなか難しい。すんなり形が合わない。出だしで苦戦してしまう時というのは、うまくいくのか不安になったり、ちょっと焦ったりしてしまいますよね。私も何度も経験したことがあります(笑)
そういう時の原因というのは色々あると思いますが、ひとつには「理由」を考えて描いていない時にはたいてい形の狂いが起こりやすい、というのがあります。「理由」というのは、モチーフを観察する時に「なんでこうなってるんだろう?」と考えることです。理由を考えずにただ眺めて、ただ手が動いているとしたら要注意です。
例えば、この布はパネルに2箇所ピンで留めてあります。ピン自体は見えませんが、その位置はなんとなくわかりますよね?布のしわというのは、そこから発生していませんか?布の重さで垂れるしわは、元をたどればピンの位置。つまりそういう関係性を無視してしわを描くと、つじつまが合わないので形が狂うのです。
もうひとつは、「これは1枚の大きくて四角い布である」ということを思い出すこと。ピンを外して、布のめくれを直して、元に戻したら1枚だということは、きっと誰でもわかる当たり前のことと思いますが、描いているとどうしてもそういうことがどこかへ飛んでいっちゃうんですよね。しわを一個一個パーツみたいに分けて描いて、後で合体させちゃう人もけっこう多いです(笑)
下の作品はデザイン工芸基礎コースのHさん(高2生)の作品です。描いている形に理由や根拠がある感じがしますね。当たり前のことをちゃんとやっています。いいですね。