毎回描いている同じモチーフがある
課題ごと毎回モチーフを色々と変えながらデッサンに取り組む毎日を送っております。皆さんも今日はりんごだ、明日はワイン瓶だと、デッサン力向上を目指して一生懸命描いていることでしょう。
ここでちょっと見方を変えてみましょう。りんごとワイン瓶はもちろん違うモチーフですが、毎回描いている同じモチーフがある!?といったらどうでしょう。
当たり前のように存在している「光」
そのモチーフとは「光」です。いつも当たり前のように存在している「光」。その光を改めて自覚し、美しさを抽出し、絵の中に表現できると、魅力の詰まった1枚に仕上がるはず。教室のほとんどを暗くし、ある一方向からの光をモチーフに当ててみました。
非常にシンプルな光。
しっかりとした秩序があります。
なんとなく明るいところはありませんし、なんとなく陰になるところもありません。でも絵を描いていると、なんとな〜く明るく描いちゃうことも、なんとな〜く陰を描いちゃうこともあるんですよね。「そんな感じに見えたから」っていうぼんやりした理由で。
単純に「この光が綺麗だと思えるか?」ということはものすごい大事なことです。台上に置いてあるのはただの球体、ただの立方体。だけど光がこうして当たっているだけですごく綺麗。まずはこの「綺麗だ」と思える感覚がないと絵は描けませんよね。
綺麗な光で描きたいっていうイメージが作者にないのに、絵が勝手に綺麗になるということは、残念ながら無いのです。
たとえ目の前の光が素晴らしいものじゃなくても、「こういう光で描きたい」というイメージを持っている人は、多分綺麗なデッサンが描けるのだと思います。
美大入試で出題されるモチーフは、感動するようなかっこいいモチーフが出ることは実はあまりなくって、どちらかというと身の回りにあるどうってことのない普通のものなんです。同じように、ちょうど良い光がモチーフに当たっている、なんてこともまずありません。
でもそれを綺麗な光で表現してあげられたとしたらどうでしょう。みんなにはぜひそういう狙いを持って制作して欲しいと思います。
来週はバケツ!再来週はサッカーボール!これからもいろんなモチーフにチャレンジしますが、ずっと「光」は出ます!
いい光を描こう!