エスキースの活かし方
こんにちは!基礎科です。
デッサンを描くときに欠かせない「エスキース」。
今回は、エスキースが担っている役割についてまとめたいと思います!
エスキースとは?
Esquisse。フランス語です。他にもデッサン、モチーフ、クロッキー、アトリエ、オブジェなど、美術用語はフランス語が多いですね。
直訳するとスケッチのことですが、制作においての下絵、素案という意味で用います。クロッキー帳などに、本番より小さいサイズで描く人が多いです。
下絵、素案と書きましたが、もう少し詳しくいうと、エスキースは作品制作のなかでアイデアを描き出し検討する、いわば「プランニング」の過程を指します。案を練るために、いくつもエスキースを描きだしていきます。
構成デッサンのエスキース
課題でいうと、特に構成デッサンはイメージしやすいと思います。
例えば「料理をする手を描きなさい」という構成デッサンの場合。包丁などの調理器具を持つ手にしようか、ケーキをデコレーションしてても良いし、と、色々なシチュエーションを検討しますよね。目の前にモチーフがないぶん自由度が高く、プランを練る必要があります。
静物デッサンのエスキース
では静物デッサンではどうでしょうか?
自分でモチーフを決めて配置して…とできるならば話は別ですが、美大受験の対策では、用意されたモチーフがすでにセッティングされていて、描くものが決まりきっているような状況がほとんどです。そんな時のエスキースは、何のためにやるのでしょうか。
トリミング(風景の切り取り)をして、絵のバランスを見るためでは?と、思う人も多いと思います。もちろんそれも重要ですが、それだけではありません。
静物デッサンのエスキース一例を見てみましょう。
スケールや演出によって作品がおおきく異なってみえます!色彩のバランス・光源の設定など多角から検討しているのがうかがえます。ひとつの景色でも、表現方法は多様なんですね。
大切なのは、「プラン」に沿った構図決め
受験の場合課題に正しく答える必要はありますが、プランの選択には「完成のかっこ良さ・美しさをイメージできる」ことが大切です。そして、どんな「良さ」を表現したいのかを軸に、演出を考える。
エスキースは、作品の要となる「狙い」を定める役割も担っているわけですね。
もちろんプランがすべてではなく、実際描きすすめるなかで方向性が変わることもありますが、
エスキースの奥深さが伝われば幸いです!