ベーシックな静物デッサンの制作プロセスを見てみよう!
こんにちは!基礎科です。
今回は授業で制作した課題から、講師による静物デッサンの制作プロセスをご紹介します。
モチーフは、缶、ストライプ布、ハケ、テニスボールです。
早速描き出しから見てみましょう!
①描き出しは、隠れた形も描く。
今回のモチーフは中心の缶が布で覆われ、ほとんど隠れています。こういう場合は見えている情報だけで描き進めると形が狂いやすいので、見えない形も合わせて描くようにしましょう。隠れた規則性にもきちんと則って描くことで、正しく形がとれます。
布に関しても一部が缶に収まっていることで分かりづらいのですが、手前と奥の布はひと続きになっているはずです。絵をみると、前後の布の軌道を揃えて描いているのが分かりますね。
②鉛筆の動かし方を工夫する。
影が乗ってきましたね!光源の位置が厳密に決められて、この段階でも光の方向性が分かります。
陰影をつけるときのポイントは、立っているものは縦線で、寝ているものは横線で描くこと。「モチーフに触るように描く」とよく言いますが、鉛筆の流れが形の変化を分かりやすくしているんですね。
③ディテールを描く。
大きい形がとれたら、細部の描写もどんどん進めていきます。柄や模様など、手間のかかりそうなところは後回しにせず早めに着手しましょう。
ストライプは等間隔にラインが入っているので、常に間隔をチェックしましょう。刷毛は左右非対称な形の構造を理解した上で描き込みます。ボールの縫い目、ロゴデザインが描かれると、一気にらしくなってきました!
④質感は触感。触り心地を描こう。
仕上げは質感描写です!テニスボールをふわふわにしましょう。缶は磨き上げるようにツルツルに、冷たさが伝わるように描きます。布と刷毛のブラシ部分は柔らかく、ふんわりと。
ポイントは、質感を「説明」するだけでなく、ちゃんと触り心地を感じながら描くこと。質感が描かれると、絵に説得力が出てきます。
いかがでしたか?
参考になれば幸いです!