ブロックとガラス瓶のある静物デッサン:制作プロセス

制作プロセスから学ぼう!

こんにちは!基礎科です。

講師による制作プロセスを紹介します。
モチーフは、積み上げたブロックに、ペリエ瓶、野菜果物、そしてカラスの剥製。
縦にも横にも広がりのある静物です。

さっそく見てみましょう◎

位置関係を把握しよう。

描き出しです。なるべく全部のモチーフが入るように構図を工夫します。
この時点ですでに床に落ちた影を描いています。早いタイミングで影を描くことで、床のどの地点にそれぞれのモチーフが置かれているかが把握できます。
今回のようにモチーフが多い場合、特に気をつけたいのは位置関係です。シンメトリーであったり、平行に置かれていたりと、配置にルールが隠されている場合もあるので、描き出す前に確認しましょう。上から見下ろすようにすると分かりやすいので、可能なら一度は上から覗きこんでみてください。

大きいタッチで陰影を入れていく。

全体に陰影が入ってきました。大きなタッチで、大胆にまとめ上げています。一つ一つのモチーフを描く、というより、「全部で一つのモチーフ」と捉えることが大切です。なるべく全体が同時進行になるようにしましょう。

描き込む順番は、手前→奥。

全体に陰影がついたら、いよいよ描き込んでいきます。描き込む順番は、自分に近い手前のものから。奥はあとです。描き込めばピントがあうように目立ちます。手前にあるものを優先的に触ることで、前後の差が生まれ、奥行きの表現に繋がります。もちろん奥は奥で描かなければいけないのですが、手前のモチーフとのバランスをみながら、空間の広がりが損なわれないように気をつけて描きます。

後半、全体を見直す仕事も。

描き込みで画面が充実し、完成度がグッと上がる制作終盤。最も手をかけるのは、全体のバランスを再度整えることです。随所が描き込まれたことで、序盤におこなった明暗の仕事が一度崩れるからです。作品全体を眺めるようにして、もう一度大きく、空間や明暗表現を加えていきます。
大きい仕事を優先して序盤にやっていた人ほど、終盤で描き込みすぎてバランスが崩れてきたときに、「あの時のように、もう一度分かりやすくしよう」という仕事ができるものです◎

デッサンの進め方に限らず、ものづくりの鉄則は「大きい仕事が先、小さい仕事は後」!
参考になれば幸いです!