日頃やっていることが独創的なアイデアを生む

アイデアの生み方

こんにちは、基礎科です。

みなさん構成(想定)デッサンは得意ですか?

すでにセッティングされた静物モチーフを描く静物デッサンに対し、構成デッサンは、何をどう描くか、自由度が高いのが特徴です。

入試での想定課題

近年の多摩美の入試を例にあげると、以下のような想定課題が出題されています。

・「ものを壊す両手を想定して、鉛筆デッサンをしなさい。」/2023年度グラフィックデザイン専攻
・「手と掃除道具を想定してデッサンしなさい。」/2022年度プロダクトデザイン専攻
・「何かを探っている手を描きなさい。」/2022年度統合デザイン学科

他にも、油画専攻では「羅列した複数の言葉から選択し、その言葉を手がかりに自由に描きなさい。」という油彩課題が出されるなど、多くの専攻で発想力が求められる構成(想定)課題が出題されています。

基礎科でも静物デッサンと構成デッサンをメインに取り組んでいますが、発想力が求められる構成デッサンに苦戦する人も少なくありません。
美大入試に限らず、先々の制作活動の資源となる「発想力」。今から身につけておきたいですよね。

発想力の育て方

発想力を育むことは、実はそんなに難しいことではありません。
絵の訓練となると、とにかく描かなければと思いがちですが、実は「絵を描く」以外のことをいかにしているかが大切です。

例えば、

・部活に打ちこむ
・家事を手伝う
・好きなことや趣味を楽しむ

こんな日常のささやかなことで構いません。なにかに取り組み、詳しく知っていること。これがアイデアの源になります。
プロダクトデザインの過去問の「手と掃除道具を想定してデッサンしなさい。」なんて、道具のかたちやそれを扱う手の動作をよくよく知らなければ、具体的に描きおこすのはなかなか難しいですよね。掃除をする人としない人で、絵の説得力が大きく違ったはずです。

日常の生活を、何気なく見過ごすのではなく、観察をする。そして、「これを絵にしたら」とイメージする癖をつけてみてください。「絵にする」目を育てると、観察も細部まで気がつくようになります。細部の描写は絵に説得力を生みます。

日々の過ごし方が、あなたにしかできない発想を生みます。当たり前の日常も、興味深いきもちで過ごしてみましょう。