木炭デッサンの道具の使い方
こんにちは!基礎科です。
美大受験で出題されるデッサンには、大きく分けて「鉛筆デッサン」と「木炭デッサン」の2種類があり、それぞれで使用する道具が異なります。今回は、油画や彫刻でよく出題される「木炭デッサン」に使う道具についてまとめてみました。
木炭デッサンとは?
木炭デッサンは、最古の描画材とされる「木炭」を使用して描く方法です。木炭の粉を紙に定着させながら描き、風合いのある表現が可能です。
木炭デッサンの道具一覧
木炭
木炭は、木を炭化させた棒状の描画材です。木炭の種類には、柳や桑、樺などがあり、描き心地や色味に違いがあります。大きな面を表現するのが得意な描画材ですが、カッターで先端を斜めにカットすることで、細かな描写も可能です。
他の描画材と違い、定着材が含まれていないため、紙に定着しづらい特徴があります。わずかな振動でも粉が落ちてしまうため、ガーゼや手を使って粉を定着させる工程が必要です。
木炭紙
木炭デッサンには、専用の「木炭紙」を使用します。この紙は表面に凸凹があり、木炭の粉がその凹凸に引っかかって定着します。ツルツルの紙では粉が乗らず、描くことができません。そのため、木炭デッサンでは、木炭紙の凹凸をいかに保ちながら描けるかが重要なポイントになります。
芯抜き
木炭の中央には「芯」があります。芯は成分が異なり描きにくいため、使用前に「芯抜き」で取り除きます。
芯抜きには真鍮製とワイヤーの2種類があり、真鍮製は小さなナイフのように先端が鋭く、ワイヤーにはブラシが付いています。真鍮製で芯をざっくり抜き、ワイヤーのブラシで残った粉をきれいに取り除きます。細い木炭や節のある木炭の場合、芯抜きが詰まることがあるので、無理をせず取り除ける範囲で行いましょう。
ガーゼ
ガーゼは鉛筆デッサンでも「擦る表現」に使用しますが、木炭デッサンでは、木炭の粉を均一に広げたり、紙の凹凸にしっかり定着させたりするために使います。また、粉をはらい落とすことにも使用でき、消し具の役割も果たします。
食パン
木炭デッサンでは、普通の食パンを消し具として使います。柔らかいため、練り消しと比べて紙の凹凸を潰さずに消すことができます。紙に油分が染み込むことがあるので、なるべく油分の少ないものを選ぶことがポイントです。
練り消し
練り消しも使用できますが、硬く紙を痛める可能性があるため、シャープな白を表現したいときに限って使うことをおすすめします。
ローラー
ローラーは必須の道具ではありませんが、広範囲に薄いトーンを均一に載せたいときに便利です。紙を痛めずに、木炭の粉を伸ばすことができます。
木炭デッサンの魅力
木炭デッサンは、粉を丁寧に定着させながら何層ものトーンを作ります。時間をかけて作り込んだトーンは、深みがあり、陰影の豊かさを生み出します。木炭ならではの豊かな表現力を楽しみながら、ぜひトライしてみてください!