課題を出すときに、先生が考えていること

こんにちは、基礎科です!

基礎科では、モチーフを組んだ静物課題や、言葉から自由に発想する構成課題など、さまざまな課題に取り組んでいます。
こうした課題は、決して思いつきで出されているものではなく、すべて「デッサン力を伸ばす」という目的のもとに作られています。

今回は、課題をつくるときに、講師がどんなことを考えているのか。
その裏側を少しだけ紹介します!


「どんな力を身につけてほしいか」が出題の軸


出題のベースになるのは、「どんな力を身につけてほしいか」という視点です。

一見ランダムに見える静物課題でも、モチーフの配置や組み合わせには意図があります。

・パースが分かりやすい配置にする
モチーフを平行・垂直・直交に配置することで、パースが分かりやすくなります。
正確に描くことはもちろんですが、空間を整理して考える癖を身につけてほしい狙いがあります。

・モチーフの大きさに差をつける意図
モチーフのボリュームを、大・中・小と差がつくようにしています。登場モチーフを全て同等に扱うのではなく、主役を立てる判断をする力や、絵のメリハリをつける力を養うためです。

・質感の違うモチーフを組み合わせる
対比による表現を学ぶことや、描き込みの分量を均一にせず、力を入れるところ、抜くところを決める練習をしてもらうためです。


他にも、「言葉」によるテーマ型の構成課題では、

・アイデアの広がりやすさ
・抽象的すぎず、具体性を持ちやすい

ということをベースに言葉(テーマ)を決めるようにしています。

構成課題は、アイデアを思いつくだけでなく、どう発想を広げ、どう表現したかが大切です。
具体性を持ちやすい自分の日常や身近な体験から、絵になる瞬間を見つける力を養うためにも、発想しやすい言葉を出題しています。


経験者向けの、「あえて」のつまずきポイント


なかには、描きにくさや、ややこしさを感じる課題もあると思います。
実は、つまずきやすいポイントも、あえて課題の中に取り入れています。

たとえば、
ガラスや金属など、陰影や反射がセオリー通りに見えにくいモチーフ。
彩度が高く、目の錯覚が起こりやすいカラフルなモチーフ。

これらは意地悪で出題しているのではなく、
今のうちにその難しさを一度経験しておいてほしいという意図があります。

描き方を改めて学び、整理して描く経験をしておくことで、同じような場面に直面したときにも、焦らずに対処できるようになっていきます。


課題の裏側には、ヒントが隠れている

課題に向き合うとき、「何を描けばいいんだろう」「どう描けば正解なんだろう」と考える人は多いと思います。
でも、もう一歩踏み込んで「この課題で、何を見られているんだろう?」と考えてみてほしいです。

似た形のモチーフが並んでいたら、違いをどう描き分けるか。
配置が複雑なら、空間をどう整理して考えるか。
質感がバラバラなら、どこに力を入れて、どこを省略するか。
そこには、表現のヒントがありますよ。

課題には、必ず出題者の狙いがあります。もちろん実際の試験でも、出題を考える人がいます。
「この課題は、何が問われているのか」。そう考えながら取り組むことで、目の前のモチーフやテーマの見え方は、少しずつ変わっていくはずです。