
こんにちは!基礎科です。
今回は、静物デッサンの制作プロセスをご紹介します。モチーフはワイン瓶、果物や野菜、琺瑯製のコランダー(ざる)です。
早速見ていきましょう!
①形を読み解こう

まずはラフな線で描き出します。今回のモチーフは、台所で集めた食品や日用品。どれも見慣れたものですが、改めて観察すると意外と複雑な形をしていますね。しかし、どんな形でも基本的には立方体・円柱・球体などのシンプルな幾何形体の組み合わせでできています。
例えば、瓶やコランダーは円柱の描き方を応用し描くことができます。中心軸を定め、左右対称になるように形を確認しましょう。果物や野菜も同じように、基本形を捉えて描いていきます。「形を読み解く」ことは序盤の重要なプロセスです。
②触るように描こう

ここからは、影をたっぷり置いていきます。影を描くときのポイントは、鉛筆の動きをモチーフの形状に沿わせること。まるで表面を撫でるように描くことで、影が自然になじみます。
このデッサンでも、ワイン瓶の直線的な塗りに対し、玉ねぎやコランダーは曲線を活かして表現されています。それぞれの形状に合ったタッチを使うことで、よりダイレクトに形を伝えることができます。
③隙間を表現しよう

擦る作業や硬い鉛筆での描写を重ねることで、鉛筆の粉が紙にしっかりと定着し、画面に密度が生まれてきました。
この段階で、各所に「隙間」が見えてきました。例えば、
・ワイン瓶とコランダーのあいだの隙間
・コランダーの中にある野菜同士の隙間
・レモンのヘタと床の隙間
こうした「間」が見えてくることで、空間の広がりを感じられます。静物デッサンでは、「モチーフを描く」ことだけでなく、「モチーフがある空間を描く」という意識を持つことが、リアリティを生み出すカギになります。
④ツヤって百種類あんねん

詳細を描き込み、完成です!
ここで注目してほしいのが、ツヤの表現の多様さです。
・表面に周囲が映り込むようなワイン瓶のツヤ(レモンやコランダーが反射して見えますね)
・釉薬によるコランダーのツヤ
・ゴツゴツの中に見えるレモンのツヤ、
・ハリのある玉ねぎのツヤ
・マットなジャガイモのツヤ
このように、一歩深掘りして触覚的な部分を充実させると、より説得力があるデッサンになります。
いかがでしたか?今回のような身近なモチーフは自宅でも練習ができると思いますので、よかったら試してみてくださいね。参考になれば幸いです!